先日書きました、車酔いしにくい運転と躍度の
ブログの続きです。
車酔いに深い関係がありそうな、躍度が発生する回数と躍度の高さ。
ではどういった時に躍度が発生するのか。まずは加速・減速・旋回に分けて躍度が生じる回数を、G-Bowlアプリのグラフから見ていきたいと思います。
(私は、躍度=Gの動くスピード、という認識でいます)
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…なお、今回見ていくG-Bowlアプリは、車にかかるGや躍度を計測する機械にすぎません。また計測結果の良し悪しについて説明した説明書きは、アプリ公式ページでも掲載されていません。そのため、このブログで書いたことは、私がお皿ボールから経験したものを説明したものであり、その信ぴょう性はかなりあやしいですw
ブログの中で間違っている事がありましたら、ぜひ教えてくださいm(_ _)m
なお書き終わり
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基本的に躍度は、車が停止している時、又は車に一定GがかかってGがお皿のふちにとどまっている時はボールが止まっているので、ボールが止まる=躍度0 の状態です。
まずは加速している時のG-Bowlアプリ上のグラフを見てみます。
(加速は青色、躍度は水色のグラフです)
画像下段に2つのグラフがありますが、2つとも同じグラフです。上段のグラフの躍度表示に番号を振りました。その番号がボールのどの動きになるのか。ボールの動きに躍度表示に付けた番号を割り当ててみました。
マニュアル車の加速になりますので、1速ごとにクラッチを切っている間はGと躍度は0になります。また加速Gが一定の間は、ボールがお皿のふちにとどまっている状態でボールの動きが0のため、躍度も生じていない状態になります。
ここで、グラフに振った番号の動きを順に見ていくと。
①は1速の最初の発進の時の躍度です。ペダルを踏み込んだ状態の時に躍度が発生しています。
②はシフトアップするため、アクセルを抜いてクラッチを切っている時の躍度です。アクセルを離す時に躍度が発生しています。
③は2速に入れてクラッチをつないで再び加速した時の躍度です。この時もペダルを踏み込んでいますので、躍度が発生しています。
④はシフトアップのため、②と同じくアクセルを抜いてクラッチを切っている時の躍度です。アクセルを離す時に躍度が発生しています。
このグラフで見て欲しいポイントは、ペダルを踏み込んでGを発生させている時、そしてペダルを離してGを弱めている時、これらの操作の時に躍度が発生する、という所です。
1速ぶんの加速Gで、最低でも2回の躍度が発生していると言えます。
次に、減速の時のG-Bowlアプリの躍度を見てみたいと思います。
減速Gは赤い色で表示されています。
躍度の表示をみていただくと、赤い減速Gが立ち上がるブレーキペダルを踏み込んだ時、そして赤い減速Gが弱まっていくブレーキペダルを抜いている時。この2か所で躍度が発生しています。
減速Gが一定の間は、ボールがお皿のふちにとどまっている状態でボールの動きが0のため、躍度も生じていない状態です。
(路面のギャップや凸凹によっても躍度が発生するため、減速G一定でも躍度が生じる時があります)
減速の時も、ペダルを踏みこんでいる時、そしてペダルを弱めている時にボールが動くため、躍度が生じています。
減速Gでも、Gの立ち上がりとGが弱まる時の、最低でも2回の躍度が生じていることが分かります。
次に、旋回の時のG-Bowlアプリの躍度を見てみたいと思います。
横Gは、緑色で表示されています。
旋回の時は、加速・減速の直線的な動きとは違って横の動きとなるため、Gも躍度も安定させる事が難しいです(^^;
ただ、ハンドルを切り始めた(横Gが上に上昇した)時に、ボールが動くためはっきりとした躍度が発生しています。そしてハンドルの切り角が一定になった時には、ボールの動きがほぼ止まるため、躍度の量が一気に減ります。その後、ハンドルを戻し始めた(横Gが下に下降する)時、再びボールが動くため躍度が再び発生します。
横Gの時も、ハンドルの切り始めと戻す時の、最低2回は躍度が発生しています。
さて、加速・減速・旋回に分けて、躍度が生じる回数をそれぞれ見てきました。
見てきた結果、下記のことが言えると思います。
①車の動きを変化させる時は、必ず躍度が生じる。
②ペダルを踏み込む時、又はペダルを弱める時に躍度が生じる。
③ハンドルを切り込む時、又はハンドルを戻す時に躍度が生じる。
④加速・減速・旋回では、それぞれに最低2回づつ躍度が生じる。
⑤Gが一定にかかっている時は、ボールが止まるので躍度が生じない。
⑥(グラフの例には出てきませんでしたが)、Gが一定でなく途中で大きく動く時は、ボールも動くので躍度が生じる。
これらを踏まえて、次は市街地での躍度の動きと山道での躍度の動きを見ていきたいと思います。
こちらが市街地の大きな国道を走っている時のG-Bowlアプリのグラフです。
目の前に車が走っていたので、車間をしっかりとって減速G・加速Gの一定を心掛けています。直線的な動きの多い市街地では、少ない躍度変化で走行する事が可能です。
車酔いについても、市街地では直線的な動きのため車に酔う人も少ないのではないかと想像します。
どこを走っていると車に酔いやすいかと聞くと、ほとんどの方がくねくねした山道、と答えるのではないかと思います。
減速・加速の直線的な動きに加え、カーブのために横の動きが加わった山道。
では、山道ではどのような躍度の数になっているのでしょうか。
山道を走っている時のG-Bowlアプリのグラフを見てみたいと思います。
白枠に囲った躍度を見ても、躍度の山の数が市街地と比べても劇的に増えたことが分かるかと思います。横の動きが加わるだけで、これだけ躍度が増える山道。気を付けて運転操作をしないと、車酔いしやすくなる理由が分かりますね(^^;
この躍度の山の数について、交差点を90度に曲がった時のグラフを使って、詳しく見てみたいと思います。
(私的に大切かなと思ったので、大きな画像にしました(笑))
コーナー1個ぶんを、減速・旋回・加速ごとのGに分けたグラフに、躍度が生じている箇所に番号を振りました。その躍度の番号が実際のボールの動きのどこに当てはまるのか。ボールの動きに番号を記入しました。
先ほどまとめた、減速・旋回・加速を別々に行って分けた躍度の発生数では、
減速が2回、旋回が2回、加速が1回(加速し終えた時の躍度は、今回数えません)、合計5回が最低でも躍度が発生する回数となるはずです。
しかし、上の画像の番号を見ると、4つしか躍度が発生していません。1つ躍度が消えました。
では減速・旋回・加速のどの躍度が消えたのか。画像の番号の動きを一つ一つ見ていきたいと思います。
①の躍度
ボールの画像に付けた番号にもあるように、この躍度は減速して前に荷重が移動する時に生じた躍度です。ブレーキ踏み始めの躍度と言えます。
②の躍度
ここの躍度は、減速を終えて徐々にブレーキを離している時の躍度です。そして、グラフ下段の緑色の横Gのグラフを見ますと、ハンドルを切り始めて横Gが徐々に立ち上がっていく様子が分かります。つまり②の躍度は、横Gの立ち上がりの躍度でもあります。
本来は減速の終わりで躍度が1回、横Gのかけ始めで躍度が1回。合計2回の躍度の山が、この②の位置で起きるはずでした。しかし、今回のグラフでは、ブレーキペダルを抜きつつハンドルを切って合計したGが0.2Gでそろう、というGを重ねた運転をした結果。
躍度も、減速の躍度と横Gの躍度が横に並んでボールが止まらずにななめ左に動くことによって、本来2つあるはずの躍度の山が1つになったと言えるのではないかと思っています。
③の躍度
本来③の位置は、グラフを見ると横Gが一定になっており、躍度が発生しないはずです。しかし、横G一定でも減速Gを終えて加速Gを加えることにより、加速Gのかけ始めの躍度が生じています。ブレーキペダルからアクセルペダルに踏み変えて踏むことにより、ボール図の③のように、ボールが後ろに動き始めます。
④の躍度
④の躍度は、ハンドルを戻すときに生じた躍度です。
①~④までを見ると、減速・旋回は本来は2回づつ躍度が生じている所を、重なることによって躍度の山が1回分減ったことが分かります。
躍度の山が1つ減るとその分、Gが移動する速度の差が減り、同乗者の揺れが減少するのではないかなぁと思っています。
ここで、同じような90度コーナーのグラフで、別の画像を見てみます。
このグラフでは、コーナーを曲がる時の躍度が、白枠の3つの山しかありません。
(…③の次に生じている躍度は、コーナー脱出後の道路停止線に停止するために生じたものです。そのため、コーナーを曲がる時の躍度にはカウントしていません)
1つ前のグラフで説明した①~④の躍度のうち、どの躍度の山がなくなったかというと…。
④のハンドルを戻す時に生じた躍度の山が、今回のグラフでは消えています。
今回のグラフと1つ前のグラフで、どういった操作の違いがあったのかと言いますと。今回のグラフでは、ハンドルをゆっくりと戻しています。そのため横Gを示す緑の線も、緩やかに0Gに向かっています。ひとつの操作をゆっくりと行えば、そのぶん躍度の上昇が抑えらると言えます。
ただし、ゆっくりとハンドルを戻すといっても、走行車線上に車をとどめておくためには、車の走る軌跡、走行ラインを意識する必要がでてきます。
今回のブログは、『躍度の発生する時とは』という話ですので走行ラインの話は割愛しますが、私も普段の碁盤の目の練習では、
コーナーを脱出した時に車に加速Gがかかっている様子をイメージし、そこから走行ラインをイメージしながら、走行ライン上の一番速度が落ちて一番深くハンドルを切るポイントを見定めて、ブレーキを踏み始める位置を決める。そしてブレーキを踏み始めながら、Gの動く速度である躍度に気遣いながら、上限のGに揃えつつ全ての操作を丁寧にする。
という事を心掛けています。
上のグラフからも、走行ラインと荷重変動、走行ラインと躍度、は密接に関係してくるのではないかと思っています。
さて、躍度が発生する時・発生しない時は、何となくですがイメージできたかと思います。
次は、躍度の量と言いますか躍度の高さについて見ていきたいと思うのですが、ブログが長くなりましたので、次の機会にしたいと思います(^-^)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。