私が普段参考にしているサーキットでの走行動画を紹介してみます。
こちらの動画は、youtubeで公開されているものです。公開した方のロードスターに車載カメラが取り付けられていて、違う車種同士が混合で模擬レースをしています。
走っているサーキットは、岡山国際サーキットです。
運転されているロードスターはエンジンはノーマルとの表示が、youtubeのメッセージ欄に記載されていました。足回りをいじられているようです。
この動画の見どころは、RX-7やR34GT-Rといった280馬力クラスが走るなか、コーナーに進入するブレーキングで、一気に差を詰めるところにあります。
280馬力クラスの車だけではなく、テンロクのEKシビックタイプRの軽量クラスも一緒に走っているのですが、それら車にもブレーキングで一気に差を詰めています。
こちらが、その動画です。
(撮影者の前を走るRX-7よりも、そのもう一つ前を走る車との差が縮まるところを見ていただくと、撮影者のブレーキングの上手さが分かるかと思います)
直線で4速に入れると、馬力がないため他の車に置いていかれます。しかし、直線で開いた差がコーナー進入のブレーキングで一気に詰まります。時速160kmからのブレーキ・コーナー進入が、他の車とはあきらかに違っています。
ストレートエンドからのコーナー進入にかけての走行動画を画像にして、並べてみました。
RX-7がブレーキング中でも、ロードスターは加速している
前のGT-Rがブレーキング中でも、ロードスターはブレーキをしていない
ロードスターがブレーキングして、GT-Rに一気に差を詰める
コーナーの立ち上がりで、GT-Rと並びかける
こちらのロードスターはエンジンがノーマル。そして車重が軽量といっても、同じ軽量級のテンロクシビックタイプRに対しても、ブレーキで一気に差を詰めている。この模擬レースに参加されている方が下手なのかというと、私はそうは見えません。皆さん、後ろや周りに気遣いながらクリーンなレースをされています。
ブレーキでこれだけ差を詰められるのは、車が軽量という理由だけでもなく。周りの車が遅いという理由でもない。この運転しているドライバーのブレーキ・コーナー進入方法が、他の車とは明らかに違うことが、車載映像とGの表示で分かってきました。
他の車と何が違っているのかと言うと。私の感想なのですが、コーナーへの進入をブレーキで減速しながら旋回をしている。つまりは、Gボールを回すような操作を行っていることに気付きました。
このドライバーのベストラップである3周目の、バックストレートエンドのコーナー進入から脱出までを、画像にしてブレーキング操作を見てみたいと思います。
①バックストレートを時速160km程で走行。50mの看板付近で加速から素早く減速に移る。
②止めるためのブレーキングをしながら、ステアリングを少し切って車をコーナーに向ける。
③止めるためのブレーキングを終えると同時に、今度はブレーキを抜きながらステアリングの切り込んでいる。減速Gと旋回Gが重なっている。
④ブレーキを抜きながら舵角を入れている様子。この時がターンインの最も難しい瞬間と想像します。速度がピッタリあっていないと、アンダーステアになってコースの外側に膨らみますので(^^;
⑤減速Gがなくなって、横Gのみがタイヤにかかった状態の様子。この時の速度とタイヤにかかる横Gによって、「旋回中の速度が出過ぎた・横Gがかかりすぎた」ことになると、コーナー立ち上がりの車の挙動が悪くなります。
⑥クリッピングについた。
⑦リアがスライドして、ニュートラルステアにステアリングを戻してスライドを抑える。
⑧アクセルを踏み込んで、コーナーを立ち上がっていく。
このような操作をしているように、動画からは読み取れました。
特に減速のためのブレーキング。
下の画像のように、コーナーの頂点近くまで止めるための減速を行っているように動画からは読み取れました。
このコーナー奥まで行うブレーキング。これは、普段G-Bowlアプリを使って一定Gの中でボールを回す運転と同じように思えました。
コーナリングでボールを回す動作とは、減速Gと旋回Gが重なる区間をもうけるという事になります。しかも、ややオーバースピードでコーナーに進入して、コーナーの頂点の手前で止めるための減速をし終えるくらいの感覚で減速をしないと、旋回Gと一定にしてつなげる事ができません。
どうして私がこんなことを解説できるのかというと・・・。0.3G制限での練習走行でも、同じことをしているからです。
ただ、この動画のドライバーは似たようなことを、時速160kmでやっていますので、私とは全然次元が違いますが(^^;
この動画を見ていますと、コーナーの頂点近くまで止めるためのブレーキング区間として使える事が、他のドライバーとのブレーキングの違いになって現れているのかなと思っています。
ただ、このブレーキングは、0.3Gのブレーキングも同じなのですが、コーナー奥でドンピシャの速度に合わせられないと、簡単にGオーバーして車が外に膨らんでしまいます。
サーキットでのストレートの最高速度がバラついても、ブレーキのかけ始め地点を調整して、減速Gと旋回Gを重ねる位置では必ず同じ速度にしないといけないように想像します。
この動画を見ていると、減速Gと旋回Gの重なる区間での失敗は見当たりません。コーナー奥で毎回同じ速度となるように減速できる技術。すごいなぁと思いながら、何度も見返しています。
このブレーキングの他にも、他の車は減速してコーナーを曲がっているところを、このロードスターは減速せずに曲がったり、と。差が縮まるところがどこなのか、見ているだけで色々と運転の参考になります(^-^)
しかし、これほどのブレーキングができて、コーナーで差を詰ることができるのだけれど、直線では馬力の差で大きく引き離されてしまう。このドライバーの方にとっては、馬力差がストレスに感じてしまいそうですね(^^; しかし そんなストレスも、ストレートエンドのコーナー進入では、快感に変わっていそうですが(^-^)