[MOMO OutRun M-3 215/45R17 91Y XL]の
パーツレビューにも書いたけど。
AUTOWAYは
「当社で販売するXL規格タイヤをご購入頂いた場合、適正空気圧は260~280kPaを推奨いたします。」とアナウンスしていたらしい。
今装備してる
MOMOのOutRun M-3(XL規格)を買ってテストドライブに行ったのは2018年の5月ぐらい。
この時書いたblogは、5/3にの東京の国立科学博物館へ遠征した時のことを書いている。
オドメーターによれば、あれから17,800km程度を走っている(ただし冬季はスタッドレスタイヤ)らしい。4年で2万km弱というのは結構少ないし、実質このタイヤでは1万kmちょっと走ってるだけなのだろうけど、その間、メーカー指定空気圧で走ってた(汗
つまり、これまで自分が書いてきた「何も問題ありませんよ」とか「ちょっとサイドウォール柔らかいですかね」みたいな(知った風な)コメントは、みんなXL規格に対応した適正な空気圧よりも低い、メーカー指定空気圧のまま走らせて書いたものだということで(ぉぃぉぃ
先の給油時にあわてて20%ほど空気圧を上げたが、高速道路とか何度も乗ってたし、その間ずっと1~2割以上は空気圧が低めで、タイヤが本来設計されたスペックでは使ってなかったということに。こりゃ現代の怪談ではないか。
当然のことながら、低すぎる空気圧は確実に燃費が悪化する。
一般財団法人「省エネルギーセンター」による実験では
タイヤの空気圧が適正値より50kPa低いと、市街地で約2.5%、高速道路で約4.8%、燃費が悪化するという結果が出ている。
230kPaの純正指定空気圧と、XL規格対応に20%アップさせた276kPaとの差分は46kPaもあるから、ほぼこの実験条件である50kPa程度の空気圧不足状態に近い。ということはまだ5%近く(4.8%)燃費が向上する余地があるのだろうか?
(そこまでするならエコタイヤにするほうがいいかもしれない)
暖機運転でのECU燃料増量補正が減ってく今の時期は、燃費が伸びる傾向が顕著で、直近の満タン法で測定した燃比は、久々に長距離を高速道路で走ってきたせいもあって13.9km/ℓと、かなり優秀な値。
さらに高く再設定した空気圧で走って、ここから4.8%向上すると考えれば14.5kmも走る計算になるから、実測でもリッター14kmを超えられるかもしれない。
次の燃料補給時にどうなってるか楽しみだ。
低い空気圧ってのはバイアスタイヤの頃は当然ながら、ラジアルタイヤが主流の今でも危ないのだ。それが原因で事故が多発したと考えられる過去の例もある。
1990年代の年式を持つフォード・エクスプローラーが、純正のファイアストーンタイヤ製の P235/75R15 ATX & ATX II タイヤ、そして P235/75R15 と P255/70R16 Wilderness AT タイヤとの組み合わせで、
タイヤのトレッドが突然剥がれてコントロールを失い、横転する事故が多発した例。

御覧のようにタイヤがズル剥け、ひどいもんだ。
初期のメーカー指定空気圧は 26psi ≒ 180kPa だったが、タイヤメーカー側は安全マージンが足りないので 30psi ≒ 207kPa に変更するよう要望を出していたらしい。
結局、事故が多発してこの問題が大きく報道された後、フォードはメーカー指定空気圧を30psiに上げ、メーカーとしての責任は一切認めずに最終的な解決とした。
タイヤの場合、自動車メーカー側が空気圧を指定し、タイヤメーカーはそれに従って適合するタイヤを作る、という上下関係があるので、タイヤを納入する側には基本的に決定権がないらしく、これも対策が遅れた遠因なのだろう。
ファイアストーンはブリジストンに買収されたタイヤメーカーで、結局ブリジストン側の経営者は、ほぼ全ての責任を押し付けられ、大量のリコールを出した上で実質的に引責辞任という結果になった。
もちろん、それ以前のファイアストーンではなく、グッドイヤーが供給する純正タイヤを採用していた頃には、26psiの空気圧でも問題が出たことはなく、ある意味「相性」問題であったことはうかがえるが、タイヤメーカー側の言い分を見ると、労使紛争中の期間に製造されたタイヤには欠陥を抱えやすい状況で作られたという事実があったとはいえ、タイヤメーカーの希望した30psiの空気圧で使えば、安全マージンの範囲に収まり、問題が起きなかった可能性は高そうだ。
計算してみると、30psi÷26psi=1.154で、その差はほんの15.5%程度なのだが、場合によってはこれで事故が多発するのだから、空気圧の不足は、安全性にもかかわる、かなり重要な話なのだ。
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Posted at
2022/06/07 15:32:54