高級車の乗り心地を実現したアルファード
トヨタ アルファード ハイブリッド エグゼクティブラウンジ
2020年の年間新車販売台数で、ミニバンでは第1位、乗用車全体でも5位となる9万748台という売り上げを記録したトヨタ アルファード。国産Lサイズミニバンで圧倒的なシェアをほこるだけでなく、2020年はもっとも売れたミニバンにも輝きました。
そのアルファードの人気の秘訣を探るべく、試乗に引っ張り出したのは、ハイブリッドモデルの最上級グレードにあたるエグゼクティブラウンジ(車両本体価格759万9000円)です。
2015年にモデルチェンジを受けた現行型アルファードは、プラットフォームを一新し、リアサスペンションは従来のトーションビーム式から新開発のダブルウィッシュボーン式へ変更。
アルファード リアサス
ボディは、ドア開口部やカウルまわりの結合部を重点的に、約200カ所のスポット増し打ちともに、構造用接着剤を使いパネル部を面で結合することで、ボディ剛性のアップと振動の減衰特性を向上。さらに、ダッシュパネル、エンジンルーム、ボディ骨格内に制振材や吸音・遮音材を効果的に配置することで室内の静粛性を高めています。
またフロアには、高剛性リアサスペンションメンバーの追加と、取り付け部周辺に操安ブレースを設定し、ボディの変形を抑制するとともに、アンダーボディのサイドメンバーをストレートラダー構造としフロア面ねじれ剛性を確保するなど、新時代の高級車にふさわしい性能を実現させるための工夫がいくつも施されていました。
ハイブリッドのもたらす静粛性が快適性のカギ
トヨタ アルファード ハイブリッド エグゼクティブラウンジ
試乗車は、さらに2017年のマイナーチェンジで構造用接着剤の適応範囲拡大や高剛性ガラス接着剤によりボディ剛性を高めたモデルです。
搭載される2.5Lハイブリッドシステム(THS-Ⅱ)のシステム合計出力は145kW(197ps)。車両重量2,240kgというヘビー級のエグゼクティブラウンジをストレスなく、静かに加速させます。
大きく背高なボディにもかかわらず、カーブを曲がるときのクルマのロールは少なく、電子制御4WDのE-Fourの効果もあって不安感など微塵もありません。加速、減速時の揺れも少なく、つねにフラットな乗り心地を実現しています。
ハイブリッド化による室内の静粛性はまさに新時代の高級車に相応しいもので、2列目のエグゼクティブシートに座った乗員との会話もはずみます。
オットマンを装備したセカンドシートは床下の振動の発生も抑えられており、旅客機のファーストクラス的な最高の快適さを実現。サードシートについても、大人の男性が座っても余裕のスペースが確保されています。床面からの不快な振動も少なく、長距離移動によるストレスもないでしょう。
また、これだけ大きなボディですが、風切り音などもおさえられているのは特筆にあたいするポイントです。
運転支援システムも充実しており、アダプティブクルーズコントロール+レーントレーシングアシストによって、高速道路でのドライバーの負担は相当量軽減されるでしょう。
見当たらない改善点
トヨタ アルファード ハイブリッド エグゼクティブラウンジ
これだけ大ヒットしているモデルに改善するポイントは正直言って見当たりません。あえて重箱の隅をつつくのであれば、運転支援システムをさらにアップデートして、レクサスLSやMIRAIと同等まで高性能化してもらいたいところです。
ヒットする商品にはそれなりの理由があるものですが、アルファードは王者の風格といえる完成度で、ライバルの付け入る隙のないことが特徴です。
登場から6年が経過しているにもかかわらず、高い商品力と、古さを感じさせないデザイン、静粛性の高い室内などなど、ライバルとの差は、ドライビングシートよりもセカンドシート以後に現れています。
トヨタ自動車は2021年4月28日、高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」に一部改良を実施するとともに、アルファードに特別仕様車を設定し、同年5月10日に発売すると発表した。
今回の改良は機能性の向上が中心となっており、ワンタッチスイッチ付きデュアル(両側)パワースライドドアとアクセサリーコンセントを全車標準装備化。アルファードの最上級グレード「エグゼクティブラウンジ/エグゼクティブラウンジS」に、後席からの視界を広げる可倒式の助手席ヘッドレストを採用した。
またヴェルファイアのグレード体系も見直しており、これまで設定されていた特別仕様車「GOLDEN EYES」を「GOLDEN EYES II」に改称するとともに、カタログモデルとしてラインナップした。仕様は2.5リッターガソリン車のFFと4WDに、特別仕様車のときには設定のなかった2.5リッターハイブリッド車の4WDを加えた3種類。このほかのグレードや仕様については、今回の一部改良を機に廃止されることとなった。
一方アルファードでは、「S」グレードをベースとした特別仕様車「S“TYPE GOLD II”」を新設定。内装に施されたサンバーストゴールドの木目調パネルや、ゴールドのスパッタリング加飾などが特徴となっている。
価格は以下の通り。
アルファード:359万7000円から775万2000円
特別仕様車アルファードS“TYPE GOLD II”:424万円から508万8400円
ヴェルファイア:424万円から508万8400円
トヨタ自動車は2020年4月20日、高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」に特別仕様車「アルファードS“TYPE GOLD”」「ヴェルファイアZ“GOLDEN EYES”」を設定し、同年5月1日に発売すると発表した。
今回の特別仕様車は、エクステリアで目を引くゴールドのアクセントや、標準モデルとは異なる内外装の仕立てを特徴としている。具体的には、アルファードS“TYPE GOLD”では、「S」グレードをベースにゴールドの専用フロントエンブレムや、スモークメッキと黒メタリック塗装を施したフロントグリル、スモークメッキ加飾のボンネットフードモール、フロントバンパーモール、バックドアガーニッシュなどを採用。またヴェルファイアZ“GOLDEN EYES”では、「Z」グレードをベースにゴールドの加飾入りヘッドランプ、漆黒メッキ加飾のフロントグリルとLEDフロントフォグランプモール、バックドアガーニッシュ、リヤランプガーニッシュなどを採用している。
一方インテリアには、両モデルともにパーフォレーション加工を施したウルトラスエード/合成皮革の専用コンビシートや、メタルウッドの本革巻き4本スポークステアリングホイールなどを採用。ブラックでコーディネートされたピラーやルーフライニングも特徴となっている。
両モデルに共通する、このほかの特別装備は以下の通り。
3眼LEDヘッドランプ
LEDシーケンシャルターンランプ(フロント/リア)
LEDコーナリングランプ
パワーバックドア(挟み込み防止機能付き)
アクセサリーコンセント(AC100V/100W、ガソリン車:1個、ハイブリッド車:2個)
ウエルカムパワースライドドア機能付きスマートエントリー+プッシュスタートシステム
高輝度塗装18インチアルミホイール(ガソリン車のみ)
メッキ加飾のインサイドドアハンドル(フロント/リア)
専用ゴールド加飾のスマートキー(ウエルカムパワースライドドア&予約ロック機能付き)
アダプティブハイビームシステム
価格は両車共通で、純ガソリンエンジンのFF車が424万円、同4WD車が449万5000円、ハイブリッドの4WD車が504万円となっている。
5リッターモデルについては、エンジンを従来の「2GR-FE」から「2GR-FKS」に変更。燃料噴射装置には、状況に応じてポート噴射と筒内直接噴射を使い分ける「D4-S」が採用されている。
トルコン式ATも、従来の6段から8段に多段化。なお、8段ATと「2GR-FKS」エンジンとの組み合わせは、トヨタの中でもこれが初となる。
ボディーについては、構造用接着剤の適用範囲拡大や高剛性ガラス接着剤の採用などにより、剛性を強化。操縦安定性の向上と乗り心地の改善を図っている。
日本人が好む豪華絢爛さをストレートに表現した室内空間
室内空間についても、外観の持ち味が踏襲されている。
ミニバンの場合、乗り心地などを含めると2列目シートが最も快適だが、ヴェルファイア&アルファードはインパネの周辺が豪華絢爛だ。キラキラと輝くメッキ類、木目調パネルを多用した。欧州車を好むユーザーから見ればイミテーションかも知れないが、質感の高低は見る人の感覚で決まる。ヴェルファイア&アルファードは、日本のユーザーが感じる豪華さを追求し、クラウンと同等かそれ以上の見栄えに仕上げた。
500万円級のアル・ヴェルが激売れな理由/トヨタ アルファード ヴェルファイア 試乗レポート
セカンドシートの快適性はライバル不在
そしてミニバンでなければ絶対に得られないのが、広々とした室内空間だ。空間効率の優れた背の高いボディで、しかもサイズは大柄だから、3列目シートまで含めて頭上と足元が広い。2列目がセパレートタイプなら、両側にアームレストが装着されたキャプテンシートになり、座面の下側から足を支えるオットマンを持ち上げてリラックスした姿勢が取れる。さらに上級のエグゼクティブパワーシート、エグゼクティブラウンジシートになると、大型の固定式アームレストも装着されてさらに豪華さを強める。
500万円級のアル・ヴェルが激売れな理由/トヨタ アルファード ヴェルファイア 試乗レポート
助手席の大スライド機構など、新機能も多彩に揃える
現行型では、グレードによっては助手席にも2列目に似た機能を持たせた。
長いスライド機能を使って大きく後退させ、足を支えるオットマンを持ち上げて快適に移動できる。
3列目の座り心地が向上したことも現行型の注目点だろう。
先代型の3列目も頭上や足元は広かったが、座面の柔軟性がいまひとつ足りず、座り心地に不満を感じた。現行型はそこを改善している。座面の奥行寸法が2列目よりも約60mm短く、同等の座り心地とはいえないが、大人が長時間にわたって3列目に乗車しても不満は生じないだろう。
500万円級のアル・ヴェルが激売れな理由/トヨタ アルファード ヴェルファイア 試乗レポート500万円級のアル・ヴェルが激売れな理由/トヨタ アルファード ヴェルファイア 試乗レポート
室内の大型モニター環境もさらに充実
快適装備も充実させた。特に9.2型のワイドディスプレイを備えたカーナビが目を引く。画面の精度も高まって視認性を向上させた。リアシートエンターテインメントシステムとして、12.1型ディスプレイを後席の天井に装着することも可能だ。
カーナビはエグゼクティブラウンジには標準装着されるが、それ以外はメーカー/ディーラーオプションから選ぶ。
メーカーオプションのT-Connect SDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステムのオプション価格は、安価なインテリジェントパーキングアシスト2との組み合わせでも56万1600円。パノラミックビューモニターとセットにした仕様は70万2000円で、12.1型リアシートエンターテインメントシステムの18万3600円を加えれば70~90万円に達する。
500万円級のアル・ヴェルが激売れな理由/トヨタ アルファード ヴェルファイア 試乗レポート500万円級のアル・ヴェルが激売れな理由/トヨタ アルファード ヴェルファイア 試乗レポート
アル・ヴェルに相応しいオプションを積み上げていくと・・・総額600万円台にも!
このほかにもプリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール(7万5600円)、フロアマットセット(8万8560円~13万5000円)などを装着すると、実質的には100万円前後の上乗せだ。2.5リッターのノーマルエンジン搭載車の車両価格だけでも総額450万円以上になる。ハイブリッドとなれば、中級グレードでも500~600万円に達する。
この価格を見る限りは相当な高価格車だが、クラウンで売れ筋になるハイブリッドのロイヤルサルーンも482万4000円だ。カーナビなどは標準装着されて同じ価格帯に収まる。「メルセデスベンツ Cクラス」のC180アバンギャルドも476万円になる。
上級セダンと同等の予算で、豪華な広い室内と充実装備が得られるなら、ヴェルファイア&アルファードの方が買い得という見方もできるだろう。このあたりも人気の秘訣といえそうだ。
アルファード/ヴェルファイア おすすめグレード!【2列目シート編】 7人乗り?8人乗り? エグゼクティブパワーシートは良いの?
2018年10月9日2020年2月8日
トヨタ
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アルファード/ヴェルファイアの魅力、やはり他では味わえない2列目の快適性です。ほんと、この車の2列目は、一度味わうと虜になりますね。
この車に代わる、これだけの快適性を持った車がないですからね。
今回はシートアレンジの違いで、グレードを見ていきましょう。(パワートレーンでグレードを選びたい方はこちら)
目次
目次
最大積載量重視・コスパ重視なら
8人乗り
使い勝手・快適性を重視するなら
リラックスキャプテンシート
高級感を求めるなら
エグゼクティブパワーシート
VIP
エグゼクティブラウンジ
最大積載量重視・コスパ重視なら
8人乗り
8人乗りが選べるグレード
X(2.5L)
S/Z(2.5L)
使い勝手・快適性を重視するなら
リラックスキャプテンシート
S Aパッケージ/Z Aパッケージ 助手席がロングスライドするタイプ(2019年 マイナーチェンジで廃止)
G/V 助手席がパワーシートとなるタイプ
高級感を求めるなら
エグゼクティブパワーシート
S Cパッケージ(2.5L)
GF(3.5L)
SG(3.5L)
VIPにふさわしい
エグゼクティブラウンジ
Executive Lounge (3.5L)
Executive Lounge S (3.5L)
HYBRID Executive Lounge (ハイブリッド)
HYBRID Executive Lounge S (ハイブリッド)
まとめ
目次
最大積載量重視・コスパ重視なら
8人乗り
X(2.5L)
S/Z(2.5L)
使い勝手・快適性を重視するなら
リラックスキャプテンシート
S Aパッケージ/Z Aパッケージ(2019年廃止)
G/V
高級感を求めるなら
エグゼクティブパワーシート
S Cパッケージ(2.5L)
GF(3.5L)
SG(3.5L)
VIP
エグゼクティブラウンジ
最大積載量重視・コスパ重視なら
8人乗り
いうまでもなく、8人乗りでしょう。1列に3人が並んで座っても快適です。
2列目中央席、3列目中央席のヘッドレスト、3点式シートベルトを備える。
8人乗りは、乗車定員だけでなく、積載容量もトップです。
このように2列目の座面を跳ね上げると前方へ大きくスライドでき、最大積載量を確保できます。
積載容量を最大時
8人乗りが選べるグレード
X(2.5L)
内装色 フラクセン
なぜ8人乗りがコスパ重視かというと、最安値のXグレードは8人乗りのみの設定となっているからです。内装は明るいベージュで、広々とした印象です。むしろ明るい内装色の方が高級感が感じられるかもしれないですね。ベースグレードも最上級グレードも1列目、3列目シートの基本的な骨格は同じなので、ベースグレードはお買い得です。
S/Z(2.5L)
内装色 ブラック Zグレードは大型センターコンソールは付かず、Xグレードと同様のタイプが備わる。
こちらは7人乗り、8人乗りが選べるグレードです。内装色はブラックです。
使い勝手・快適性を重視するなら
リラックスキャプテンシート
2列目がロングスライド機能を備えています。リムジンのような空間を作ることも可能です。当然8人乗りのベンチシートよりかけ心地は良く、リラックスした姿勢で乗車できます。助手席と2列目キャプテンシートはオットマンを備えています。
2列目シートは前後スライドのみならず、左右にもスライドします。内側に寄せることでロングスライドも可能となりました。
リラックスキャプテンシートの中でも2種類に分かれ、助手席もロングスライドするタイプと助手席がロングスライとしない代わりに、パワーシートとなるタイプがあります。前者は、エアロを履くモデルで人気No. 1のモデルです。後者は標準タイプで、内装色もフラクセンとなります。
S Aパッケージ/Z Aパッケージ 助手席がロングスライドするタイプ(2019年 マイナーチェンジで廃止)
S Aパッケージ/Z Aパッケージでは、助手席も大幅にスライドする機能を備えています。これにより、今までの乗用車ではなしえなかったシートアレンジが実現します。
G/V 助手席がパワーシートとなるタイプ
助手席シートは電動リクライニングになり、助手席のロングスライド機能は失われます。
高級感を求めるなら
エグゼクティブパワーシート
上記リラックスキャプテンシートとの主な違いは、横スライドができない点、ロングスライドができない点、リクライニング、オットマンの操作が電動で行える点である。
高級感を求めるのであれば、エグゼクティブパワーシートがおすすめ。シートのつくりは、アルファード/ヴェルガイアらしく見た目、機能性ともに文句なしで良い。
しかしながら、シートサイズが大きいがゆえに、小柄な方が乗車すると、太もも裏が圧迫されて快適性が落ちる可能性もありますので実写を確認してください。
2.5Lで選択できるグレードは、S Cパッケージのみ。
S Cパッケージ(2.5L)
436万2120円~
2.5Lの最上級モデル。SCとの違いはの排気量の違いのみ。
GF(3.5L)
520万5600円~
SG(3.5L)
494万7480円~
このくらいまで価格があがってくると、なかなか手が出せないのではないだろうか。しかし、最高級ミニバンを堪能できるモデルであることは間違いない。
VIPにふさわしい
エグゼクティブラウンジ
上記エグゼクティブパワーシートとの違いは、シート幅が約10㎝大きくなっている点、2列目の間に空間がなくウォークスルーができない点、テーブル、読書灯など豪華装備が備わる点などである。
選択できるグレードは、3.5L車とハイブリッドのみで価格も3.5Lが703万4040円~ハイブリッドが735万8040円~となっています。
エグゼクティブパワーシートと異なり、2列目の間のスペースがなくウォークスルーができなくなっている
エグゼクティブラウンジではホワイト内装も選べる
エグゼクティブラウンジ
Executive Lounge (3.5L)
703万4040円~
Executive Lounge S (3.5L)
718万3080円~
HYBRID Executive Lounge (ハイブリッド)
735万8040円
HYBRID Executive Lounge S (ハイブリッド)
750万8160円
まとめ
一般的なミニバンとしての使い勝手を考えるなら、7人乗りのリラックスキャプテンシートがおススメです。