WPC・DLC加工

金属加工にDLC、WPC加工ってのがあるよね。
これをすることで金属同士の摩擦抵抗を減らそうという技術。

最初に断っておきますが、決してこれらを否定する訳ではありません。

エンジンチューンをすると、DLC加工、WPC加工に出して、摩擦抵抗を減らしよりエンジンのパワーアップを狙うというもの。

僕は師匠から教えてもらったのは、DLC、WPCよりも鏡面加工の方が摩擦抵抗が少ないということ。
DLC、WPCは量産パーツに施すことで、より抵抗を無くす技術。

でも鏡面加工は量産パーツにには使えないんです。
なぜなら、クランクや、カムシャフト、ピストンなどに鏡面加工を施すとなると
かなりの時間と労力を必要として、コストがかさむからなんです。

下記は金属表面荒さのデータ。

DLC加工時の金属表面荒さ　イオン化蒸着法 Ra0.022μm（ミクロン）
WPC加工時の金属表面荒さ　Ｒa0.1～6μm
鏡面加工時の金属表面荒さ　Ｒa0.0001μm（CBN2液供給法）

DLC、WPCよりも鏡面加工の方がずっと摩擦抵抗が減る事がわかりますよね。
もちろんなんのコンパウンドを使って鏡面加工するかで、この表面荒さは変わるよね。

ときどき「ピカール」を使って磨く人がいるけど「ピカール」の研磨力はピカール液体（３ミクロン）
全然大きい・・・

師匠からいただいたコンパウンドは粒子の粗さや品名も教えてくれない。
「このコンパウンドはF-1のエンジン磨きで使われているもの」なんだと。

機械では絶対に出来ない作業が鏡面加工と言っております。

でこのコンパウンドで磨くと、時間がめちゃめちゃかかるけど、磨け方が違う。
光方が全然違う。

それで研磨の勉強をし始めた訳。
どんな研磨剤が適しているのか。

クランクラッピングのブログで指で触った瞬間見破られたと書いたけど

研磨の勉強をし、色々な研磨剤を買って試していくと、なるほど・・・触ると段々違いが分かってくる。
ダイヤモンドペーストで0.1μmなんて大きすぎるから触ると分かるわけだね～

師匠からもらったコンパウンドに近い物を探しまくり、買いまくり、それだけで○十万円ぐらい使ったかな～

光学レンズを磨くコンパウンドを使ってみたり、そのコンパウンドに他のコンパウンドをブレンドしたり、潤滑剤を混ぜてみたり色々試したな～

それで見つけたのが・・・おっと教えられない(^_^;)
ちなみに日本では売ってません。
これでやっと師匠からOKがでた。でも師匠からもらったコンパウンドの方がやっぱり光るんだよね～

DLC、WPCも量産パーツに施す技術としては世界一だと思います。
でも用途がレーシングエンジンとなると、それ以上の抵抗が少ない加工が鏡面加工。

ちなみに

CBN2液供給法

ダイヤモンドより硬い物質があると思う？

あるんだよな～

それが「CBN」

キュービック　ボロン　ナイトライドと言います。

このCBNを液状にしたものと、潤滑剤の液体を吹きかけながら磨き上げる技術です。
日本大学が開発したものだよ。