エキゾーストマニホールドについて
エキゾーストマニホールド 通称エキマニは エンジンからの燃焼ガスを効率的に排出するための重要なパーツです アメリカではヘッダー(Header)と呼ばれています
日本ではエキマニやエキパイとも呼ばれ エンジン性能に大きな影響を与えています
ここでは エキゾーストマニホールドの構造や機能 そしてそのタイプごとの特性について解説したいと思います
エキゾーストマニホールドの基本構造
エキゾーストマニホールドは エンジンの各シリンダーから出る排気ガスを一つのパイプにまとめ 排気系統に導く役割を果たします
その基本的な役割は 燃焼ガスをスムーズに排出し エンジンの性能を最大限に引き出すことです
エキゾーストマニホールドの設計と構造は エンジンの特性や用途に応じて最適化されています
✳️4気筒エンジンにおけるエキゾーストマニホールドのタイプ
4気筒エンジンに使用されるエキゾーストマニホールドには 大きく分けて2種類のタイプが存在する
1⃣「4-1タイプ」
2⃣「4-2-1タイプ」
✳️4-1タイプ
4-1タイプのエキゾーストマニホールドは 4つの排気口から出るガスを1本のパイプに集める構造です
このタイプは シンプルな構造で高回転域において優れた性能を発揮します
具体的には 排気経路が短く直線的であるため 排気ガスの流れが効率化されます
これにより エンジンが高回転域でより多くの排気ガスを迅速に排出できます
高回転域での優れた性能の理由として 排気パルス 排気動脈とも言われますが この影響が挙げられます
4-1タイプの構造は 各シリンダーからの排気パルスが一つのパイプに集まり 排気バルブと吸気バルブが同時に開く「オーバーラップ」時に負圧が発生した時に
燃焼室から排ガスを引き出す効果を持ち 高回転域での排気効率を向上させます
さらに 4-1タイプは低バックプレッシャーを提供し 高回転域での排気ガスの迅速な排出を助け これにより エンジンの排気効率が最大化され パフォーマンスが向上します
オーバーラップの大きいカムシャフトを使うとアフターファイヤーと言って アクセルをOFFにした時に炎をだすこともあります
✳️4-2-1タイプ
一方 4-2-1タイプのエキゾーストマニホールドは 4つの排気口からのガスをまず2本のパイプに集め
次に1本のパイプにまとめる段階的な構造を持つ このデザインは 排気パルスの干渉を減少させ 排気ガスの流れを段階的に加速することで 低中回転域での排気効率を向上させます
4-2-1タイプのエキゾーストマニホールドは 低中回転域でのトルクを増加させ より広い回転域でバランスの取れた性能を発揮させます
この設計により エンジンのレスポンスが向上し 日常の運転やラリーのような低中回転域を多用するシーンで特に有効です
比較すると図の様になります
✳️マージコレクターの設計
エキゾーストマニホールドの設計において 集合部分(マージコレクター)の角度も重要な要素です
マージコレクターの角度は 排気ガスの流れを最適化し エンジンの性能を最大限に引き出すために重要でです
一般に 角度は15°から30°の間で作られます
鋭角な集合は 排気ガスの流れを速くし 排気効率を高める効果がありますが 低回転域でのバックプレッシャーが増加しやすい
✳️バックプレッシャー
バックプレッシャーとは エンジンの排気システム内で排気ガスが流れる際に発生する抵抗のことです
この抵抗は 排気システムの構造や設計 使用されコンポーネント(エキゾーストパイプ・マフラー・触媒コンバーターなど)によって影響されます
バックプレッシャーは エンジンの効率パフォーマンス 燃費などに影響を与える重要な要素です
一方 緩やかな集合は 排気ガスの流れをスムーズにし 低中回転域でのトルクを維持するのに役立つ これにより 高回転域でのパフォーマンスもバランスよく維持できます
まとめると
エキゾーストマニホールドは エンジン性能に直接影響を与える重要なパーツであり
その設計と構造はエンジンの特性や用途に応じて最適化したほうがいいでしょう
日本人はブランドが好きです
これは信頼の証だと思いますが 仕組みを理解すると外国製でも問題ないことも多いんですよね
さらにこだわる人は自分で作り始めます
4-1タイプは 高回転域でのピークパワー向上に優れ レースなど高回転を多用するシーンで効果的です
一方 4-2-1タイプは 低中回転域でのトルクが増加し より広い回転域でバランスの取れた性能を提供します
これらの特性を理解し 適切なエキゾーストマニホールドを選択することが エンジンの性能を最大限に引き出す鍵となるでしょう
Posted at 2024/06/07 12:45:38 | |
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