エンジンオイルを交換しないとどうなる?交換サイクルはどのくらいですればいいの?
わかっているひとには説明する必要もないと思いますが
意外とオイル交換しないとどうなるかを知らない人が多いんですよ。
なんでそう思うかというと
Yhaoo!知恵袋とかに質問が投げられています。
その回答がまた、何を根拠にそんなことを言っているか?と疑問を持つことがあります。
ここでは交換しないとどうなるかとオイル交換サイクルについて説明したいと思います。
まずオイル交換しないとエンジンは最終的に壊れます。
そのメカニズムを順を追って説明しましょう
オイルは使えば黒くなっていきます。
オイルが黒くなる理由は3つ
1⃣配合されている添加剤である粘度向上剤(ポリマー)の劣化
2⃣ブローバイガスの混入
3⃣エンジン内部の汚れ
この3つです
エンジンオイルが黒くなる理由の動画で説明していますので、詳しくはそちらをご覧板だければと思います。
オイルが黒くなる3つの理由
オイルが黒くなってくると粘度向上剤(ポリマー)は劣化し粘度つまり粘りを失っていきます。
ドロドロだったオイルはサラサラに変化していくことになります。
次にサラサラになったオイルを使い続けると、スラッジ化分かりやすく言えばヘドロ化していきます。
ヘドロ化したオイルはオイルの通る通路を塞ぎ始めます。
人間でいえば、血栓と同じ
エンジンオイルの通る隙間はとても小さいことをご存じでしょうか?
赤い丸はオイルが通る穴で大きさは1㎜程度
それ以外にも
ヘドロ化したものがオイルリングの穴を塞ぐと、白煙、オイル消費、ブローバイガスの大量流入が起きます。
エンジンオイルが黒くなる3つの理由でも言っていますが
ベースオイルは劣化しにくいものです。
配合する添加剤が先に劣化していきます。
そのまま劣化して使い物にならなくなった添加剤は摩耗や摩擦を増やす結果になり
ベアリングを傷める結果となります。
この画像はメインベアリング穴が空いているのがわかります。
これをピッチングと言います。
ベースオイルに配合されている極圧剤が劣化して役目を果さなくなると
小さな焼き付きが起きて穴が空きます。
ここで問題になるのがオイル交換時期です。
5000km?10000km?
なんの問題もない?
それって何の根拠があるのかな?
極圧剤が劣化するとカムシャフトにも大きな傷が出来ます。
この傷をフレーキングといいます。
魚のうろこをフレークといいますが、うろこ状にはがれ落ちることです。
新車の場合、純正オイルが入っています。
純正オイルは何十万台と販売され、膨大なオイルの使い方のデータがあります。
そのデータの平均値を使い、オイル交換サイクルの記載をしています。
ですから取り扱い説明書に10000kmで交換とか昔は5000kmとかの記載がありました。
ですが同じ純正オイルでもシビアコンディションというものがあります。
クルマが通常より厳しい状態で使われた場合、部品の劣化が標準的な使われ方のときと比べ、著しく異なる場合があります。
これがとても曖昧な表現です。
標準的な使い方ってなんでしょう?
そして、次の条件での走行が多い※場合がシビアコンディションに該当します。
※目安:走行距離の約30%以上
シビアコンディションの条件
A:悪路(凹凸路、砂利道、雪道、未舗装路)
B:走行距離が多い (目安:20,000km以上/1年)
C:山道、登降坂路
D:短距離走行の繰り返し (8km以下/1回走行)
さらに以下もシビアコンディションの条件となります。
◇頻繁なエンジンの始動・停止、発進・停止の繰り返し、低速走行
◇長時間のアイドル運転を頻繁に行う
なお、シビアコンディションに該当する場合、交換時期が以下のように早まります。
簡単にいうとエンジンオイルというものは、使い方、環境、エンジンの状態で交換サイクルは変わるということになります。
通勤や通学で短距離を走るけど、住んでいるところは信号も無い田舎。
発信停止も少ないですよね。
街中に住んでいる人、坂の多い地域に住んでいる人、それぞれエンジンにかかる負担がかわります。
寒冷地だと結露が発生しやすくて、結露がオイルに混ざっていき、エンジンオイルの乳化します。
つまりエンジンオイルが白濁することに繋がります。
特にエステル系のエンジンオイルは水分に弱い。
鉱物は乳化しにくいことは業界では知られたことです。
こう言うことが起きているので
一概に5000kmで10000kmで交換ということは言えないんです。
5000kmでも10000kmでも問題ないと言う人
その根拠はどこから来るの?
お客様の車やバイクの使い方は人それぞれで、自分の使い方が平均的と思っています。
そこから間違いが始まっています。
ベースオイルは劣化しにくいけど、添加剤が先に劣化する。
だからオイルは黒くなり、極圧剤も同時進行で劣化します。
するとピッチングやフレーキングが発生する。
純正以外のオイルメーカーは何キロで交換なんて記載してません。
規格がSPだから長持ちだろと思ってませんか?
SM、SN、SPの規格は環境に配慮した規格のオイルですとの意味でロングライフという意味ではありません。
実際にレース用に販売されているオイルもSP規格だったりします。
レース用は24時間持てばいい。
レース用とロングライフは全くことなる思想ですよ。
当社製品の場合はオイルチェックシートというものを同梱しています。
このチェックシートでオイルの劣化を目で見て判断するもの
このチェックシートは他社様のオイルに使っても意味はないと思います。
チェックシートにオイルを一滴たらし、使用距離と写真を送っていただければ当社の製品であれば交換サイクルのお知らせサービスを行っています。
当社製品以外の方は、市販されているオイルチェックの機器が売っていますので、それを使うのも手かとは思います。
ただこの機器が万全というわけで無いのでご注意を。
Posted at 2024/05/20 16:32:13 | |
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