
スズキから出ると噂されただけで、結局出そうも無いスズキのハスラークーペですが、これは間違いなく生産されないでしょう。ハスラークーペの後ろが下がったデザインを思いっきりパクったホンダN-BOX SLASHが販売不調との噂もありますが、生産中止とのこと。デザインはともかく「N-BOXでいいや」との意見が殆どだったのでしょう。
軽ハイトワゴンであえて高さを抑える様なデザインに価値は認めてもらえないでしょうね。スラントなデザインはスポーティさを演出出来るかも知れませんがスポーティでは無い軽ハイトワゴンにスポーティさを訴求したところで幅広いニーズは生まれません。
売る前に気づいたスズキと売ってから気づいたホンダ。かといって私はホンダの姿勢は悪くは無いと思っています。カスタム感のある軽ハイトワゴンをメーカーが販売するのは攻めの姿勢として評価したいところです。出すと見せかけて出さないスズキの方が根性無しです。ハスラーはハイトワゴンでは無くSUVですが。マイティボーイをヒットさせたあの頃のスズキに戻って欲しい(笑。
期待されたホンダの軽自動車のフラッグシップ的なN-ONEでしたが、もう少し低いスタイルングのクーペだったら存在感もあったのにN-WGNの方が安いという自滅的なマーケティングが悔やまれますし、「スポーティな軽自動車が欲しければS660を買え」みたいなホンダのラインナップは極端です。N-ONEにSS Neo Classic Racer Package等の
特別仕様車を乱発してどうにか在庫を消化しようとしてるのが少し気の毒な感じがします。
2016年10月 軽四輪車通称名別新車販売速報によればN-BOXは好調の様です。
あくまでネット上の噂ですが、新型ラパンHE33Sが販売不調とのこと。男性が助手席に乗るのも気恥ずかしいまでの男子禁制デザインですから、これも売る前にわかると思うのですが。
ラパンは基本的に女性に好まれてはいましたが「丸っこいデザインだから」とか「色がカワイイから」で売れてたわけではありません。HE22Sショコラで、ある程度ヒットしたのをスズキが思い込み過ぎたせいでしょう。もし、HE22S全部をショコラにしてたら購入者層が狭くなることは売る前からわかることだと思うのですが。その前にハスラーがヒットしたので、「マンガっぽいデザインの車は売れる」みたいな勘違いもあったのかも知れません。
HE22Sショコラが売れたのはデザインも良かったとは思いますが、岡田将生そして、西島秀俊のショコラのテレビCMの効果が高かったと思います。マーケティングの勝利と言えるでしょう。その分、男性ユーザをラパンというブランドが拒否してる印象は広がりました。HE33SのCMは「お一人様感」が強すぎるのですが(笑。またドクタースランプは上手いと思いましたが、ハスラーをももクロでCMするのはハスラーのブランド力向上に役立っているとは思えません。
丸テールライトはダイハツのムーヴラテが先ですが、HE33Sの半分に割るデザインはエレガントではありません。アルファロメオ ミトの様に処理すべきで、リアドアが狭くなるのは若い女性にすればどうでも良いことだったと思います。中途半端にママ世代を意識したのでしょうけど、その世代は最初からハイトワゴンを選びます。
女性が開発したからではなく、若い女性にしかニーズの無い自動車を作ったことが新型ラパンHE33Sの販売台数が伸びない原因。女性の開発者が悪いのではありません。私は販売台数が多ければ素晴らしい自動車だなんて思ってませんし、これだけニッチな自動車を作れるスズキの姿勢は素晴らしいと思います。今のラパンが好きな人はお早めに購入するのが良いかも。
ダイハツはウェイクが爆死しているとの噂。三菱のeKに販売台数で10月に負けてるのであれば爆死と言うのもあながち大げさでは無いかも知れません。ウェイク自体は面白いコンセプトだと思ってたのですが、あんなテレビCMで未だに売れると思っているダイハツのマーケティングセンスを疑う限りです。HE33Sラパンが不調だと言うのにムーヴキャンバスを発売するダイハツの勇気、ハスラーと比較されることも恐れずにキャストを発売する商魂も素晴らしいと思います。ウェイク、キャスト、ムーブが悪い車だと言ってるのではありませんから誤解の無い様に。ダイハツのコンテを街で見る度に「なぜこれがスズキから出なかったのだろう」とは思っています(笑。
軽ハイトワゴンだけではありませんが「押し出しが強いデザイン」が流行中。トヨタもダイハツのOEMでROOMYを新発売しています。スポーティなデザインのTANKはダイハツのトールと同じ様なデザインですが、ROOMYはグリルのメッキが派手な「押し出しが強いデザイン」となっています。スバルにもジャスティでOEM。スズキ・ソリオ包囲網ですか?
加藤あいを久々にテレビで見た気がする。愛知県出身なので起用されたのでしょうか。しかし、最近の自動車のテレビCMは自動車の性能や走りは全く語らず、タレントでどうにかしようみたいな感じばかりで好きになれません。木村拓哉がカローラフィールダーなんかに乗る気もないのは誰でも知ってます。スマホじゃあるまいし、メーカーは自動車が人の命を乗せて走ることを忘れてるんじゃないですか?「イマドキ、こういうゆる~い感じのCMがイケてるんですよ」などと言うアホなCMプロデューサにメーカーは騙されすぎかも知れません。
「押し出しが強いデザイン」をすれば北関東等である程度売れるのでしょうけど、ROOMYは1000ccクラスですが、小排気量のハイトワゴンにまでこの様なデザインを乱発すると上位車種のアルファード等にも近い将来、影響が出るでしょう。コンパクトカーでこういったデザインをしなかったトヨタですが、ROOMYがアルファード・ミニみたいに呼ばれたらアルファードのブランドは毀損しますし、下手すればトヨタ全体のイメージダウンにつながる可能性もあります。
昔パジェロが売れて調子に乗った三菱が、パジェロジュニア(後にイオ)、軽自動車のパジェロミニをラインアップして、パジェロミニは大ヒットしたものの元祖パジェロのファンが離れてしまったということがありました。未だにランドクルーザーはブランドとして人気を保っていますが、だからと言ってトヨタがランドクルーザー・ミニを軽自動車で販売したらランドクルーザーのオーナーは怒り狂うはずです。
なぜ空冷でも無い自動車のグリルを大型化するのでしょうか?デザインとは機能でもあるのに無意味な虚飾となるデザインにはインテリジェンスが感じられないものです。今の時代、迷った時にはネットやソーシャルメディアで多くの人は意見を求めます。イノベーター達は嘘くさいデザインをした車を容赦なく低く評価します。
どれだけ自動車評論家が提灯記事を書いたり、ディーラーがブログで頑張ってPRしても、ソーシャルメディアのリアルな評価の影響が上回る時代。マスコミの予想を覆したイギリスのEU離脱、マスコミ大絶賛のヒラリーが負けたことから自動車メーカーが学ぶことはあるはずです。自動車だけでは無く、製品づくりもマーケティングも過去とは違うことを認識して、考え直さなくてはならない時代に来ています。
「押し出しが強いデザイン」なら売れる法則はそろそろ賞味期限切れ。新車は何年も乗るものなのにトヨタもなぜこんな時期に近視眼的なデザインをするのかと呆れます。それでも売れる地域では売れるとは思いますが、洋服と同じで流行のデザインには流行り廃りがあるものです。デザイナーは数年先でも陳腐化しないデザインをすべきでマーケットに迎合してはプロとは言えません。
自動車メーカーは「売れる車」を作ろうとしていると思いますが、購入する人は「愛せる車」を求めています。当たり前のことですが、ヒットさせたいなら幅広く人々に愛される車を作ることですね。最近の軽自動車の燃費性能、安全性能は素晴らしいと思いますが、「愛される車とはどういうものか」をメーカーはしっかり考えて欲しいと思います。
私の職業はプロダクトデザインでは無く主にWEBデザインですから畑違いですが、デザインやマーケティングを自動車メーカーは軽く考えすぎてるのではと感じます。毎日ニュースで自動車事故の報道があると言うのに能天気なCMで自動車を買ってもらえると考えてるメーカーはアタマがおかしいのではとも思います(笑。殆どがメーカーというより電○、博○堂の高学歴なだけで無能な担当者の責任ですが。
軽自動車と言えど、デザインには高度な哲学が必要です。「グッドデザイン賞が取れれば良い」みたいな、底の浅い考え方で作られた自動車に人々の多くの共感は生まれにくいことでしょう。
Posted at 2016/11/22 00:15:58 | |
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