筆者の最初の愛車(バイクだけど)でした。
もう、これを上回る経験をすることは無いでしょう。
そもそも、自分はバイクに興味など、これっぽっちもありませんでした。
うるさいし危ないし乗ってる奴はウザいし、なぜこんなものに乗っているのか、
さっぱり理解できませんでした。
あと、PSゲーム「グランツーリスモ」でクルマに興味を持っていたため、
なおさら意図的に遠ざけていました。
しかし、転機が訪れたのは高校生の時。
みょんなところから、当時のマツダアンフィニ奈良に行く機会が出てきました。
そこで、さらに幸運なことに、ロードスターとRX-7のカタログまでいただき、
あたらめてクルマの素晴らしさを認識しました。
が、そこに大きな落とし穴がありました。
諸費用。
何気なく1ページ目に挟まっていた料金表を見ると、
そこには驚愕の事実が書かれていました。
自動車取得税・自動車重量税・自賠責保険料・ディーラーオプション、そして消費税。
別途料金がこれでもかと上乗せされていて、
とても気軽に買える代物ではありませんでした。
こうして、10代の淡い夢は無残にも打ち砕かれました。
そしてそれは社会人になってからでも変わることはなく、
安月給で可処分所得を満足に得ることができずに悶々としていました。
そして月日が経ち、社会人4年目に突入したある日、そこで運命の出会いをします。
自動車サイト「Life Meets Speed!!(URL:http://tagtea.com/daybreak/)」にて、
クルマよりも安い値段で、同等の楽しさが得られる、「バイク」というものに出会います。
そこで、初めてバイクというものについて興味を持ち始めたのです。
そして、さらなる情報収集のために覗いたのが「ニコニコ動画」で、
そこには坂道で立ちゴケをするKTM 1190RC8に遭遇し、
これで完全にヤられてしまいました。
こんなカッコいいバイクに初心者が乗ってもいいなんて、
当時の筆者は新しい啓示を受けたかのように思いました。
このような成り行きだったため、
筆者がいわゆる「スーパースポーツ」のジャンルのバイクに行き着くのは
当然だったでしょう。
バランスを無視して、徹底的に楽しさを追求する。
そうなると、走行性能に全てを賭けたSSは筆者にとって理想のバイクだったわけです。
しかし、2010年代のSSはいずれも大型二輪免許が必要のため、
80年代のレーサーレプリカでひとまず手を打っておこうと考えたのでしょう。
そこに渡りに船と言わんばかりに、このGSX-R400が非常に安価に売られていたので、
我慢できずに買ってしまいました。
こうして買ったGSX-R400ですが、とにかく楽しいバイクでした。
4ストローク・400ccのエンジンは性能と楽しさのバランスが非常にとれていて、
どんな用途にも余裕でこなせる、頼もしいエンジンでした。
そして、小型・軽量な車体は取り回しがラクチンで、
フットワークが軽かったように思います。
おかげさまで、色んな所に連れて行ってくれました。
連れて行ってくれると同時に、悶々としていた気持ちも、一気に吹き飛ばしてくれました。
GSX-R400に乗っている間だけは、自由になれた気がしました。
しかし、筆者の些細な不注意によって交通事故を起こしてしまい、
結果的に修理不能による廃車となってしまいました。
こんな形で手放すことになり、一時はバイクを降りようかとも思ったくらいです。
それぐらい、自分にとっては大切な存在でした。
今は何とか立ち直りましたが、
これからもGSX-R400は唯一無二の存在であり続けることでしょう。