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どっしーーの"どっしーー2号車" [トヨタ 86]

整備手帳

作業日:2022年2月24日

メープルA-1ゲージの使い方(アライメント調整)

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 30分以内
1
イケヤフォーミュラのメープルA-1ゲージの使い方を紹介します。
※よく間違った使い方をウェブ上で見かけますが、この素晴らしい製品の良さが台無しになるので詳細を記載します。

初めに種類や色の違い、測定の順番などの紹介です。
【ハーフセット】
・ゲージ1式(ゲージ本体とゲージをハブボルトに取り付けるための棒2本など一式)×1
・溝がある長い棒(前後のトレッド差を補正しつつゴムを張るための基準棒)×1
・前後に張るゴム×1
・オモリ付き糸×1
※1輪のみ測定出来ます。
※トータルトーの測定は原則出来ませんがリアのみであれば片側ずつの結果で計算は可能ですがフロントに関してはステアリング機構があるため多少左右に動きますので同じ瞬間で測らなければ正しいトータルトーは測定出来ません。
車検のサイドスリップを測定する予定がある場合はフルセット以上の購入をおすすめします。

【フルセット】
・ゲージ一式(ゲージ本体とゲージをハブボルトに取り付けるための棒2本など一式)×2
・溝がある長い棒(前後のトレッド差を補正しつつゴムを張るための基準棒)×2
・前後に張るゴム×2
・オモリ付き糸×2
※2輪同時に測定出来ます。
※トータルトーの測定が出来ます。

【パーフェクトセット】
・ゲージ一式(ゲージ本体とゲージをハブボルトに取り付けるための棒2本など一式)×4
・溝がある長い棒(前後のトレッド差を補正しつつゴムを張るための基準棒)×2
・前後に張るゴム×2
・オモリ付き糸×4
※4輪同時に測定出来ます。
※4輪同時に測定する場合は溝がある長い棒は必要ありません。ゲージ本体の中心にも前後のトレッド幅を補正する溝がありそこにゴムを引っ掛けることが出来ます。ならなぜ付属しているかというとゲージ本体を取り付けるにはホイールナットを2本外し棒を2箇所取り付けゲージをボルトで固定する必要がありフロントのみの調整やリアのみの調整をする場合には調整しない側にゲージを取り付ける必要がなく、ホイールナットを1箇所外して溝がある長い棒を1本取り付けるだけで良いためです。
※トータルトーの測定が出来ます。

【STDとPROの違い】
STDは4穴・5穴/PCD100~114.3のみの対応ですが、PROは上記+4穴・5穴・6穴/PCD120~150にも対応しています。

【ゲージの色の違い】
シルバーとイエローの2種類が存在しますが、違いはキャンバー角の測定範囲です。
シルバーは5°30’まで測定できますが、イエローは9°まで測定可能です。トー角に関しては共に1°40’までで同じです。
価格はイエローの方が少し高いです。
アーム類を社外に変更し、スタンス系のセッティングをする場合を除けば5°30’まで測定出来れば十分です。

【調整の順番】
基本的に4輪全て調整する場合はリアキャンバー→リアトー→フロントキャンバー→フロントトーの順番で行います。もちろんキャンバーを調整すればトーはズレますし、トーを調整すればキャンバーもずれますので測定↔︎調整を繰り返し、どちらも狙った値になるまで繰り返します。
2
【注意事項】
前提条件として2点
1.水平な場所であること
2.4輪のタイヤの空気圧を揃えること
※今回はこの整備手帳を記載する目的でゲージを車へ取り付けているだけですので定盤を使った水平出し等は実施していません。

・水平な場所の確保
レーザー墨出し器などを使って4輪のタイヤが乗る部分の高さを合わせる必要があります。傾いていると車高などが変化しますし、キャンバーに関しては糸を垂らすので全く意味のない測定となってしまいます。
次の3でおすすめ製品を紹介します。(アライメント定盤)

・タイヤの空気圧について
4輪にばらつきがらあると上にも記載したように車高などが変化しますので合わせる必要があります。

・アライメントの調整スペースについて
多くの方は測定後に調整も行うと思いますが、水平が出ている場所で測定は出来てもスペースの関係で測定状態のまま(指示を見ながら)では調整が出来ません。
次の3で紹介する脚の長いアライメント定盤を使えば下から作業ができ、4で紹介するダミーホイールえば横から作業ができます。ダミーホイール側には水平を調整する機能はないので、脚の短いアライメント定盤と併用するのが普通です。

・ジャッキダウン後の車高について
ジャッキダウン後は車高が少し上がった状態になっていますので車を前後に2m程数回動かすのが正(車の整備書にも記載)ですが、作業スペース確保のためにアライメント定盤に乗せていると前後させることは出来ませんし、ダミーホイールを装着していると車は動きません。
その場合はドアを開けてサイドシルの上に立ち、車を思いっきり上下に揺らしてやると車高を落ち着きます。(運転席、助手席両方)
この方法はレーシングカーの現地でのセッティングで行っていたりします。(セットアップ、セットダウン時にアライメントを確認する)
この方法もタイヤがグリップすると効果が薄いので対処法は下のタイヤのグリップについてに記載しています。

・ジャッキアップ状態と1Gでは全く違う値です。調整スペースのためリジットラックに乗せた状態で測定と調整をする場合は1Gとジャッキアップ状態でどれだ差があるか確認しておく必要がありますがジャッキアップ状態で10’動かしたとして1Gで10’動くとは言えないので何度も調整する羽目になるため1G状態のままで測定•調整が行えるのがベストです。

•タイヤのグリップについて
通常1Gの測定状態のまま調整をしますが、アライメント定盤を使用した場合、タイヤ捩れるので微調整をしても指示がリニアに変化しません。そのため過大に回しすぎたり、その時良くても時間を置くズレていた、なんてことも発生します。
そこで次の5で紹介するように袋をタイヤとアライメント定盤の間に挟み込むことでタイヤのμが下がり、調整に対してリニアに反応するようになります。
次の4で紹介するダミーホイールを使用した場合は下部にローラーが付いているのでこの心配はありませんが、ヤフオクなどの個人製作のものはローラーが無いタイプが殆どですのでオススメしません。
3
アライメント定盤
板にアジャスターボルトをが付いていて高さの微調整が出来ます。
タイヤを装着状態で車をそのまま乗せて1Gで測定が出来ます。アジャスターボルトの長さによっては車両下側からアライメントの調整ボルトにアクセスすることが出来ます。

ヤフオクで製作されている方から購入しました。
大きさ、形、アジャスターボルトの形状、長さ、太さなど多数の種類があります。
http://minkara.carview.co.jp/userid/2349356/car/1859486/12126036/parts.aspx
4
J-TecのFacebookより写真引用(販売元)
ダミーホイール
タイヤホイールを外してホイールの代わりに装着します。
小さいので横からアライメント調整ボルトにアクセスでき、下部にローラーが付いているのでジャッキダウン時にタイヤのグリップ力によりアライメントが落ち着かないということがありません。
こちらを使用する場合も水平を出す必要があるので通常アライメント定盤とセットで使用します。横から調整ができるのでアライメント定盤のボルトは地面の左右左を補正しきれる最小限の長さで問題ありません。

ヤフオクで個人製作されている方もいますが、下部にローラーが付いていないのでおすすめしません。
また、ネガティブキャンバー角が過度(スタンス系など)に付いている場合はダミーホイールの弱い方向に負荷が掛かるので変形や、たわみにより正しく測定出来ない可能性があります。
5
モノタロウのこちらの袋はかなりの厚みがありますし、アライメント定盤にピッタリサイズです。
これをタイヤとの間に挟むとタイヤのグリップが減り、トーやキャンバーの調整が格段にしやすくなります。
袋は同じものを5回程度使ってますが破れないので、長く使えそうです。
6
【便利道具の紹介】
1人作業だとダミーホイールを使わない場合はリアルタイムで測定値を確認することができませんので調整→車の下から出て測定値の確認→再調整を複数回実施することになってしまい、時間も体力も消耗します。

ここで便利グッズを紹介します。
・iPhoneを固定できる三脚
 →ダイソーで500円の三脚がオススメ
・Apple Watch

【やり方】
1.iPhoneのカメラを起動させ三脚に固定し、ピントが合う範囲で近づける。
2.iPhoneのカメラ画面をピンチアウトさせデジタルズームする。※Apple Watchの画面が小さく見えないのでズームさせる必要あり。
3.Apple Watchからカメラアプリを起動させiPhoneカメラの画面をApple Watchで見ながら調整する。

写真ではiPhoneカメラを横向きにしていますが縦向きの方がApple Watch画面に映る範囲が最大となるので見やすいです。

7
【キャンバー測定】写真は右リアの測定
※キャンバー測定はハーフ、フル、パーフェクトセットいずれも同じ測定方法です。
必要なもの
・ゲージ一式×1
・オモリ付き糸×1

1.測定する場所へゲージ一式を取り付ける。
2.ゲージのキャンバー角度表示がある方を下に向けて回転させます。
3.ゲージの上部に溝が2つありますが外側の溝にオモリ付き糸のワッシャー側を引っ掛けます。内側の溝はトー測定用です。
4.下側のキャンバーの値を読み取ります。
5.調整する。
※調整するとトーもズレるので同時にトーの測定、調整を行いキャンバー、トー共に目標値になるまで何度も調整する。
8
【トー測定】(ハーフ、フルセット用)
※写真は右リアの測定です。3分割の1番上の写真は右フロントです。

必要なもの
・ゲージ一式×1
・溝がある長い棒×1
・前後に張るゴム×1
・オモリ付き糸×1

1.ステアリングをセンターにして固定する。(フロント調整時はステアリングが多少動くのでハーフセットの場合、トータルトーとステアリングセンターがズレます。フルセットでもトータルトーは合わせれますがステアリングセンターがズレることがあり、結果2度手間になります。)
※リア側の測定の場合は固定は不要ですステアリングはセンターにします。フロント側から糸を張るのでステアリング片側に切れているとズレが発生します。
2.測定する場所へゲージ一式を取り付ける。
3.リアの測定ならフロントへ、フロントの測定ならリアへ溝がある長い棒を取り付ける。
4.測定車両の前後トレッド差を確認する。86の場合はフロント1520mmリア1540mmですので前後で20mm差があります。つまり片側は10mmということになります。
5.前後に張るゴムとオモリ付き糸を合体させます。(10の写真参照)
6.糸のオモリ側をゲージのトーの溝に引っ掛け、ゴムの端を前後トレッドを補正する棒に通しますが、86は前後で片側あたり10mm差があるのでリアを測定するならフロント側の溝を10mm外側へ、フロントの測定ならリア側の溝を10mm内側へ取り付けます。(深い溝が0mm)
※スペーサー等を使用している場合はその厚みも計算してトレッド幅を補正する必要があります。
7.トーの値を読み取ります。
8.調整する。
※調整するとキャンバーもズレるので同時にキャンバーの測定、調整を行いキャンバー、トー共に目標値になるまで何度も調整する。

豆知識
ハーフ、フルセットは溝がある長い棒を使用しますが5mm毎にしか溝が無いため片側あたり2.5mmで補正したい場合は溝と溝の中心にゴム紐を掛ける他ありません。パーフェクトセットではゲージの中心にゴムのフックを掛けて使用しますが、ゲージの中心の溝は2.5mm毎になっています。(9の1番上の写真参照)
フルセットを片側の前後に使えば2.5mm間隔の溝を使っての測定が出来ますが、フルセットの以上の醍醐味であるトータルトーの測定が出来なくなるので本末転倒です。引っ掛ける溝の精度よりトータルトーの方が100倍重要ですし、溝と溝の間にゴム紐を掛けても精度は出ます。
9
【トー測定】(パーフェクトセット用)
※写真は右リアの測定です。3分割の1番上の写真は右フロントです。
※今回リアだけ、今回フロントだけといった測定の場合は7のハーフ、フルセットと同じやり方です。(溝のある長い棒を使う)
※4輪全て測定する場合として書きます。

必要なもの
・ゲージ一式×4
・前後に張るゴム×2
・オモリ付き糸×2

1.ステアリングをセンターにして固定する。(パーフェクトセットでもトータルトーは合わせれますがステアリングセンターがズレることがあり、結果2度手間になります。)
※リア側の測定の場合は固定は不要ですステアリングはセンターにします。フロント側から糸を張るのでステアリング片側に切れているとズレが発生します。
2.4輪全てにゲージ一式を取り付ける。
3.測定車両の前後トレッド差を確認する。86の場合はフロント1520mmリア1540mmですので前後で20mm差があります。つまり片側は10mmということになります。
4.前後に張るゴムとオモリ付き糸を合体させます。(10の写真参照)
5.糸のオモリ側を測定するゲージのトーの溝に引っ掛け、ゴムの端を反対側のゲージの中心にある溝に引っ掛けますが、86は前後で片側あたり10mm差があるのでリアを測定するならフロント側の溝を10mm外側へ、フロントの測定ならリア側の溝を10mm内側へ取り付けます。
※スペーサー等を使用している場合はその厚みも計算してトレッド幅を補正する必要があります。
6.トーの値を読み取ります。
7.調整する。
※調整するとキャンバーもズレるので同時にキャンバーの測定、調整を行いキャンバー、トー共に目標値になるまで何度も調整する。

豆知識
ハーフ、フルセット(2輪ずつの測定の場合はパーフェクトセットも含む)は溝がある長い棒を使用しますが5mm毎にしか溝が無いため片側あたり2.5mmで補正したい場合は溝と溝の中心にゴム紐を掛ける他ありません。溝がある長い棒を使わなくてもゲージの中心には2.5mm間隔でゴムのフックを掛けれるようになっています(9の1番上の写真参照)のでパーフェクトセットをお持ちで2輪ずつしか測定しないつもりでも、2.5mmの補正が必要になった場合は4箇所にゲージを取り付けることをお勧めします。
10
前後に張るゴムとオモリ付き糸の合体部分のアップです。ゴムの片側は開閉出来るフックがついていますのでこれを開けて、オモリ付き糸のワッシャー側をフックに通します。

ホイールベースの短い車両でゴムがゲージの測定部まで伸びている場合は結び目を解き、短く結ぶと良いです。
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8と9のトーの写真は都合上3分割になっており見にくいと思うので全体像を載せておきます。
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こちらはNG方法です。
NG.1 オモリ付き糸を使わない
フックの掛ける位置が間違っていなければオモリ付き糸が無くても測定は出来ますが、ゴムが太いので正確には測れません。(正確に読み取れない)
よくこのやり方で使っている画像が見受けられます。
ゴムが伸びたりして糸を取り付けるとたわんでしまっている又は糸を紛失した等が考えられますがIKEAフォーミュラでは全ての部品が補修部品として用意されていますので、購入する方が正確に測れます。
ゴム×2、オモリ付き糸×2で1200円(税抜)
※ホイールベースの短い車両でゴムがゲージの測定部まで伸びている場合は10を参照

NG.2 リジットラックの上にブレーキローターを乗せて1G状態を作る
ブレーキローターはホイールをホイールナットで締め付けることによって固定されるため、作業スペース確保のためホイールを外してリジットラックの上にブレーキローターを乗せる形で1Gにするとローターが動くためゲージが斜めになり正しく測定出来ません。ジャッキダウンの前にゲージを取り付けたとしても、ゲージの固定はボルト2本であるため動きます。どうしてもブレーキローターにリジットラックを掛けたい場合はジャッキダウンの前に貫通ナットで3箇所固定すれば良いと思います。
ブレーキローターをハブにプラスビスで固定するタイプの車両も2本固定のため動きますしビスにかなりの負荷が掛かるのでオススメできません。

NG.3 前後トレッド差を補正しない
86の場合、フロントよりリアのトレッドが広いですが、前後共にトー0°の車両を補正せずにそのまま測定すると当然ながらフロント、リア共にトーアウト表示となってしまいます。スペーサーを入れてる場合はよく考えて作業する必要があります。

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