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オリンピックとパラリンピックの幻のエンブレム・デザイン

『ディド(Didot)』『ボドニ(Bodoni)』の2つの書体をヒントに「T」「＝」をモチーフにして、多様性(黒)と心臓の鼓動(赤)を表現したデザインになっています

T は「Tokyo(場所)・Team(結束)・Tommorow(未来)」の３つのメッセージを持たせることで、東京という街(あるいは日本という国)の世界のスポーツ祭典にかける意気込みを表現しようとしているのだそうです。

＝ は気付いていましたか？ オリンピックのエンブレム・デザインの白黒を反転させるとパラリンピックのエンブレム・デザインとなるのです。健常者も障がい者もないという＝を表しているのですね。

多様性は全ての色を合わせると黒色になる、ということですよね。

心臓の鼓動は赤、これは 1964 TOKYO をリスペクト、だった筈です。

問題のベルギー、リエージュ劇場のロゴ。こちらは『T」と『L 』をデザインしたものであるのは一目で分かります。フォントも定型ですから似てるように感じます。

リエージュ劇場側が商標登録していないだとか、東京オリンピック側の展開例の画像がネット上からの無断転用であった・自分の会社がデザインしたバッグの絵が盗用であったとか様々な問題を孕みつつ、リエージュ劇場側のデザイナーから使用差し止め訴訟を起こされます。東京オリンピック側のデザイナーは、繰り返される批判やバッシングから家族やスタッフを守る為に「原作者としての立場で取り下げたい」と要請(模倣や盗作は終始否定)し、これが承諾された形でした。

皆さんはどう思っていましたか？ 当時は似ているから盗用したんじゃないかと思っていませんでしたか？ 

でもね、文字や形、特に文字については西洋ではアルファベットの組み合わせなんて似たようなものは幾らでもあるのですよ。形にしたって、あのマイクロソフトだって正方形4つを田の形に配置しただけです。文字や形は、シンプルにデザインする程に似たものになりやすいのは承知の上でデザインされているのです。

もちろん調べられるだけ調べると思いますけれどね、このケースのように商標登録を外れている等、困難なケースもあるわけです。

例えば、このロゴは trendland というオンラインマガジンのロゴです。『T』と『L』を合成し黒い円に配置するアイデアはリエージュ劇場のロゴと全く同じで見た目も似ていますよね。『L』の斜体にせず、フォントも同じもの使えば、ますますリエージュ劇場のロゴに似ると予想できます。

これね、こちらのデザインの方がリエージュ劇場のロゴよりも、実は古くからあるんです。trendland 側から訴えられたら、どうするのでしょう？

という問題を延々と抱えるわけです、デザインというのはね。

ここで大切なのは、そのデザインに至るストーリーだと考えらるのです。東京オリンピックのエンブレム・デザインは上の様に3×3の9つのエリアに分けてデザインされています。

どうして？ って⁇

9つのパーツを組み合わせると、アルファベットの文字を構築できるのです！

A B C D E F G H

I J K L M N O P

Q R S T U V W X

Y Z 1 2 3 4 5 6

7 8 9 0 ! . ‘ : ; / _ ですかね

拡張性が凄いと思われるのです。順調ならば、開催まで世の中がこのフォントで埋め尽くされたでしょうに...

これでもリエージュ劇場のロゴを盗作したといえるのでしょうか？

思い返せば、国立競技場のコンペも含めて最初から躓いたオリンピックなのですよね...