
フィクション
ある日の午後、中央司令部よりRENTAL大佐に緊急召集が命ぜられた。
中央司令部室にRENTAL大佐が入室すると、そこには国防軍の長官は下より各軍の司令官が気難しい顔して待っていた。
RENTAL大佐は敬礼し直立不動の姿勢で立っていると、意を決したように長官の口から大佐に向けて、決断すべき時が来たようだと、告げられた。
RENTAL大佐は、その言葉に軽く頷き再敬礼し回れ右してそのまま部屋を出て行った。
そして、部屋の扉が閉められると、来る時がきたかと独り言のように発しその場を後にした。
近年、我が軍の防衛力は他国から比べ明らかに衰退していた。
特に、防衛の要の主力戦闘機に関しては年々他国が高性能な戦闘機を配備して軍事力を高めてきている差中、我が軍はここ数年、最新鋭機の配備を控えてきた。
他国最新鋭主力戦闘機(ランボルギーニムルシエラゴ)

その理由としては、国の財政を取り仕切る財務長官(経理部長とも呼ばれるらしい)の存在が大きく防衛費削減推進派の長でもある彼女の政治体制に押し込められてきたからである。
そういう中でも、RENTAL大佐が率いる中央防衛隊はなんとか旧式の主力戦闘機をカバーする為に支援戦闘機の近代化を図って他国のパワーバランスを保ってきた。
しかしながら、他国の主力戦闘機の圧倒的なパワーに対抗するのには、限界を迎えてきたのである。
このままでは、いつ我が国が他国からの攻撃にさらされる事になってもおかしくない状況下にある事は誰の目からしても明確であった。
事実、我が国の敵国ではP社の最新鋭GT3の配備を決定をし、いよいよ我が軍に牙を向けようとしている動きも報告されていた。
そういう状況下で中央防衛軍の各部署及び主力戦闘機パイロットからも、一刻の早い対応をするべきだとRENTAL大佐へ悲痛の叫びとして聞こえてくる迄になっていた。
そこで、大佐は決心したのであった。。。
それは、財務長官への直談判である。
本来、一軍の大佐が財務長官に直談判する事は許される事ではないが、RENTAL大佐は過去この国を敵国の侵略から守ったと云う伝説があり、国民的英雄でもあったのです。
そういう理由から、政治家でもある財務長官が国民的英雄でもある大佐の申し入れを無視できる事も出来ずに面談を受け入れる事になったのです。
しかしながら、大佐はそう簡単に此方の要望が受け入れられるとは考えてはおりません。
そこで、その前に外濠を埋める手立てを面談前に行いました。
それは、財務長官に現状視察の名目の中、我が国の友好国に声をかけて友好国の軍の友人達の奥方様を交えてのレセプション(巷ではオフ会とも言われている)に財務長官も参加して頂き交流を深めて頂く作戦にでました。
実は、その友人の奥方様の一人に財務長官がお気に入りのバックメーカーの代表者がおり、その代表者と財務長官を合わせる手立てになっているのであった。
その奥方様には、友人から今回の目的を伝え友好国にしても、我が国の軍事力が上がる事は強いては友好国の安全にもつながる事を納得して頂きご協力を仰いだのである。
そんな、外濠作戦をしながらの面談であった。
連戦練磨の大佐だが、この面談ばかり背中に嫌な汗が流れ口が渇くのが感じられた。
そして、財務長官を前に切々と防衛力の強化の必要性を訴え席を立ったのであった。
何をどのように話したのか、後に思い出せないくらい緊張していたのは事実である。
そして、数日経過した後に中央司令部より呼び出しがあり念願の最新鋭主力戦闘機の配備許可が下りたのであった。
その最新鋭の主力戦闘機はN社のGTR R35に決定した。
その理由としては、コストパフォーマンスに優れ戦闘能力も決して他社の最新鋭戦闘機に引けを取らない性能そして全天候型で悪天候の際にも優れた運動能力を発揮できる点が採用された理由である。
唯一、欠点と言われた維持管理費も大幅に削減、しかもその国の改造にもある程度柔軟性が出来た点が大きな理由となったのであった。
これにより、我が軍の防衛力は格段に向上し今まで長い間、我が国を守ってきた主力戦闘機のJ社のXJは支援戦闘機に配置換え、それ伴って支援戦闘機だったP社のボクスターSは売却処分となったのであった。
まあ、これで我が国の安全が確約された訳ではない、敵国も軍事力を日々増強させ虎視眈々狙っているのである。
このエピソードは、長い歴史の一ページに過ぎないのかもしれません。
間もなく配置される主力戦闘機、RENTAL大佐自らコックピットに座る日はもう真近なのである。
そういう感慨に更けながら、テレビに流れ国民に手を振る財務長官の手には、あのメーカーの最新作のバックがしっかりと二の腕に通されていたのであった。(爆)
Posted at 2014/07/20 11:39:12 | |
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