
後期BRZはボディ剛性が上がったということで、以前から興味があったボディ剛性について調べてみました。
前期BRZはボディ剛性があると自動車評論家は言ってますが、個人的には???な感じです。っていうかボディ剛性の正確な定義は?(笑)
タワーバーなどのつっかい棒(ボディ補強)ではボディ剛性はあまり上がらないということは知っていました。
ボディ剛性を上げようと思ったら、車を買い換えるしかないのか?
BRZや86に乗っている方で、ボディ剛性はあとから上げられないので、わざわざ前期から後期タイプに乗り換えるという強者がいらっしゃいます。(笑)凄いですね。私には…というか嫁はそんなこと許してくれないし、次車を買うとしたらBRZは選ばない…かな…。(笑)
で調べていたら分かりやすく説明してくれているHPがありました。
オリジナルボックスに。(笑)
非常に分かりやすいです。
これを読む限り組み上がったボディでも、ねじれ剛性に関して100%以上向上にするというワザが!
ただし、これを施工するともう後戻りできないという…。(笑)
DIYでも出来ますが、失敗するとリカバリー出来ないので、プロにやってもらうのが一番だと思います。
群馬だと前橋のカーステーション マルシェでベルコパワーウレタンを施工できるみたいですが…。
備忘録のため、一部抜粋して掲載します。
(抜粋と言いながら長いです(笑))
オリジナルソースを読みたい方はこちらから
ベルコパワーウレタン - OriginalBox on the Web
自動車のボディ構造について
現在の乗用車は、大半が「モノコック」構造のボディを採用しています。モノコックとは、「外皮が強度部材を兼ねる構造物」を指す言葉です。簡単にいえば、外骨格の生物(蟹など)をイメージすればいいでしょう。
自動車用モノコックボディの歴史は古く、1940年代にはすでにアダム・オペル社が採用しています。主な目的は大量生産に対応することと、部品点数の削減によるコストダウンだったと言われています。それ以前は鋼管などで組み上げたフレームの上に独立したボディシェルを載せる「フレーム」構造が主流になっていました。現在でもトラックなどではフレーム構造を採用しています。
建築物に例えるとわかりやすいと思いますが、木造家屋や重・軽量鉄骨がフレーム構造で、パネル工法や鉄筋コンクリートがモノコック構造に相当します。
ただし、一口にモノコックといっても数多くの種類があります。たとえば純レーシングマシンのモノコックシャシーと乗用車のモノコックボディでは、設計の目的からして異なっている部分がありますし、航空機や船などもまた違った構造のモノコックになっています。
なぜボディ剛性が重要なのか?
「剛性」と「強度」は違うものです。剛性はモノの「変形しにくさ」を表し、強度は「壊れにくさ」を表す言葉です。
さて、乗用車のモノコックボディは、プレスで成型した鋼板を溶接でつなぎ合わせて組み上げられています。溶接は部分的に線溶接が使われますが、ほとんどが点溶接です。これを、便宜的に「紙の板をホチキス、もしくは糊で点止めして組み上げた箱」と考えてみましょう。
この箱の四隅に車輪を付け、後ろから押したとします。この時、紙箱の剛性が押される力に対して必要充分であれば、まっすぐスーッと走っていくはずです。しかし紙箱の剛性が不足していると、押した力が箱の形状そのものを変形させてしまい、箱はまっすぐ走れません。コーナリングなどで横からの力がかかった時も同様、剛性不足の箱は変形してしまうためにタイヤの接地が不安定になり、思ったラインをトレースすることが難しくなります。
実際のクルマではサスペンションなど各種のばね系も介在してくるので、更に複雑な動きとなりますが、原理としては紙箱の例と同じことが起こっていると考えられます。
ボディ剛性は高ければ高いほどいい?
諸説あるところですが、当社が長年に渡り数多くの競技車両を手がけて来た経験から言えば、「やはりボディ剛性は高いほどいい」が結論になります。
ボディ剛性が高まることで、以下のようなメリットがあります。
①サスペンション追従性の向上
②トラクションの向上
③前後タイヤの位相遅れの減少
④フルブレーキング時の姿勢が安定する
⑤クルマの挙動が把握しやすくなる
論より証拠、たとえば全日本GT選手権に出走している車両のボディ内部には、驚くべき太さのロールケージがはりめぐらされています。後述しますが、このロールケージは安全性確保だけでなく、積極的にボディ剛性を向上させる意味合いが大なのです。また、世界最高峰の競技車両であるFー1マシンは「カーボンファイバー・コンポジット材」によるモノコックシャシーを持っていますが、これは完全剛体であり、基本的に応力によって変形しません。この事実を持ってしても、よく言われる「ボディ剛性は高すぎても良くない」説の根拠がいかにあやふやなものかが理解できるでしょう。
ボディ剛性向上のための手法
では、ボディ剛性を上げるためはどのような手法があるのでしょうか?
いちばん手っ取り早いのは、鋼板の板厚を上げることです。しかし鋼板が厚くなるほどプレスの成型自由度など加工性が悪化しますし、重量やコストの面で不利になるのが難点です。ちなみに乗用車のボディは、剛性とその他の要求のバランスポイントとして、だいたい鋼板を使っています。
板厚が同じなら、それ自体の硬度が高いものの方が剛性面で有利になります。しかし、これも加工性やコスト面などの問題で、特殊なものは使いづらいという事情があります。
そこで勝負になるのが構造面の工夫です。エンジンやサスペンションなどのパーツを効率良くレイアウトし、居住空間を確保した上で、剛性や強度が必要な部分にはガセットを追加したり、メンバーを渡したり。
また、ボディ剛性には「全体剛性」と「局部剛性」があります。読んで字のごとく、全体の変形しにくさ、部分的な変形しにくさを表わしますが、まず、ボディ全体がしっかりとした剛性を確保していることが大前提で、その上でサスペンション取付部やルーフなど大きな力がかかる部分の局部剛性も高めることが、クルマ全体の運動性を高める上で非常に重要になってくるのです。
ボディ剛性の高さで評価されるドイツ車も、実際に計測してみると、全体剛性は国産車と大差ないレベルにすぎません。あのカッチリとした手応えは、実は局部剛性の確保によるところが大きいようです。
すでに組み上がっているボディに対する剛性向上の手法
①ロールケージ(ボルトオン)
よくありがちなボルトオンタイプのロールケージでは、ボディ剛性はほとんど上がりません。これはサーキット走行や競技など、装着が義務付けられている場合にその条件をクリアするためだけのものです。あくまで、「車両が横転した場合、乗員の生存空間を確保する可能性を高める」ためのものと考えてください。
組立式がほとんどなので、取付作業そのものは比較的容易にできますが、ボルトオンのために車体に穴を開けなければならず、その部分の防錆処理も必要になります。ジョイント部のボスが重く、通常の7点式で40kg前後あることを覚えておいてください。
②ロールケージ(溶接)
真面目に作られた競技車両は、ロールケージを単にボルトオンするのではなく、ルーフやピラー部など要所にキチンと溶接して装着します。また取付点に厚板を噛ませて取付剛性を確保する、ドアなど大きな開口部には専用のステーを追加する…といった作業も同時に行ないます。
これはモノコック構造の中にスペースフレーム構造を併せ持たせることであり、優れた技術を持つファクトリーが作業した場合、ボディ剛性はノーマル比で300~500%も向上することが確認されています。
ただし、取付のためには一度ホワイトボディに近いレベルまでバラさなければならず、たいへんな手間がかかります。ショップに依頼した場合、それはイコール費用として跳ね返ってきます。また、溶接するということは、鋼板に施されている防錆処理のための保護膜を破壊することとイコールで、さらに高熱が加わりつつ酸化するわけですから、しっかりと防錆対策をしておかないと、あっという間に錆が進行してしまいます。
また、重量の面でもかなりの増加になります。車種とロールケージの構造にもよりますが、だいたい30~60kgの重量増は避けられません。
③スポット溶接点増し
紙箱の例えで言えば、糊づけする点の数を増やすことに相当します。鋼板同士の接合点が増えはしますが、基本的な構造が変わるわけではありませんから、実際の剛性向上幅はせいぜいノーマル比で最大20%程度です。
にもかかわらず作業にはかなりの手間がかかるため、ショップに依頼した場合の費用は莫大なものになります。重量面での増加は少ない(3~5kg)としても溶接によって防錆皮膜をことごとく破くことになるので、錆の発生は避けられない事になり、純競技車ならまだしも一般車に行なう加工ではありません。効果がないとは言えませんが、コストパフォーマンスのいい手法ではありません。
④リベット
一見、スポット溶接と同じ効能があるように思えますが、リベットはそれこそホチキスのようなもので、接合点は「固着」していない点に注意してください。特に自動車のボディに使われる鋼板程度の厚みでは、応力がかかるとその穴がどんどん広がってしまいかねません。つまりボディ剛性、特に全体剛性の向上に関してはほとんど貢献しません。
またリベット穴の断面を防錆処理することは非常に難しく、その部分は金属の地肌がむき出しのままになるわけですから、リベットを打ち込んだ瞬間からどんどん錆が進行して行くことは必至です。見た目の強度アップは望めても、実強度は測定誤差程度です。
⑤当て板部分補強
単純に板厚を増やすわけですから、その部分の局部剛性は向上します。しかし全体剛性の向上に貢献する余地はほとんどありません。溶接による錆の問題もあります。
⑥ストラットタワーバー、ロワーアームバーなど
紙箱の内部に竹ひごなどでつっかい棒をするのと同じことで、局部剛性はわずかながら上がることもあります。ただし、取り付け位置とその構造いかんで効能は大きく変わってきます。よくある、ストラットタワーの頭にネジ止めするタイプではほとんど剛性向上に貢献しませんし、逆にその部分をガセット構造として力をしっかり止められるようにすると、今度は鋼板が変形してしまったり…という問題が起こってきます。
⑦ベルコパワーウレタン
サイドシル部分に硬質発泡ウレタンを充填するだけなので、作業は簡単。またシル内部の金属表面に接着し、空気と水分から遮断するため、錆の問題に関してはかえって有利とも言えます。重量増加も数kgで済み、外観上はまったく変化なし。それで実測値100%程度のねじれ剛性向上が確認されていますから、競技車両を作るのでもなければコストパフォーマンスの点では非常に優れた剛性向上手法と言えます。
パワーウレタンでボディ剛性が向上する理由
クルマのボディは単純な空箱ではなく、内部にいくつかの隔壁を設けたり、メンバーを渡したり…という手法で剛性と強度を確保しようとしています。その中で、いちばん大きな力を受け持たなくてはならないフロア部の剛性を確保するために設けられているのが「サイドシル(ロッカーパネルともいう)」です。
同じ素材で厚みも同じなら、板状よりも箱状のほうが剛性が高いことは理解できると思います。そこで大きな力がかかるフロアの左右端を箱状、角パイプ状としたものがサイドシルです。しかし、角パイプであっても内部は空洞ですから、大きな力が働けばわずかなりとも変形してしまいます。
パワーウレタンは、このサイドシル内部の空間に硬質発泡ウレタンを充填することで、剛性を向上させ、応力による変形を抑える効能を持っています。もちろんフロア全体の剛性も重要なのですが、実はフロア全体がねじれる前にサイドシルがわずかながら変形してしまうため、この部分の剛性向上が全体剛性の向上に大きく貢献するのです。
先の紙箱の例をあてはめれば容易に理解できると思いますが、紙の角柱を作り、両端をを持ってねじると、角柱は簡単にねじれてしまいます。しかし、角柱の内部にパワーウレタンが充填されていれば、角柱はまったくねじれなくなりますね。
ちょっと物理に詳しい人なら、「パイプの内部に他の物質を充填しても剛性は変化しない」という定理を思い出し、矛盾を感じるかもしれません。しかし、それは「丸パイプの曲げ剛性」の話であって、「角パイプの内部に硬度の高い物質を充填」すれば、「ねじり剛性」は確実に向上します。これこそが「パワーウレタン」の秘密なのです。
また、最近は自動車メーカーでも良く似た物質をピラー内部やメンバー内部に充填し、衝突安全性の向上などを図るケースも増えてきました。これもパワーウレタンの着眼点の正しさを実証する事実ではないかと思われます。
ウレタンとは?
ひとことで「ウレタン」と言っても、その種類は非常に数多くあります。その一種である発泡ウレタンは、化学的には「イソシアネート」と「ポリオール」が結合した状態のものを指します。
発泡させるための手法にもいくつかの種類がありますが、パワーウレタンは「2液混合」タイプとしています。A液、B液の2液が混合されると化学反応で「ウレタン結合」が起こり、炭酸ガスを発生しながら発泡します。この炭酸ガスがウレタン内部の気泡となり、完全に硬化した場合、非常に軽量ながら高い剛性を持つ物質となるのです。
では、パワーウレタンはどんな性状を持つ発泡ウレタンなのでしょうか?
①発泡率が高い=軽量である
②金属面に強力に接着する
③剛性が非常に高い
④耐久性に優れる
⑤取扱いが比較的容易
実はサイドシル内部にウレタンを充填するボディチューン法は、かなり昔から存在していました。しかし当時のものは取扱いが難しく、また性状の面でも耐久性に不安が残ったり…という問題があったのです。当社としては、それらの不安要素が残る以上、一般的なボディチューン法としては広められない、との判断をしていましたが、品質の改良を進め、問題点をほぼ払拭できることが確認できたため、パワーウレタンの市販に踏み切りました。
パワーウレタンに弱点はないのか?
残念ながら、パワーウレタンも完全無欠のボディ補強法とは言えません。現状で考えられるデメリットは、大きく分けて2点あります。
まず、作業レベルによって仕上がりに大きな差が出ることです。パワーウレタンを充填する際の撹拌のやり方、時間、温度などの条件から大きく外れてしまうと、きちんと発泡せず、もしくは金属面に接着せず、所定の性能を発揮できない場合があります。
もうひとつは作業に失敗した場合、リカバリーが難しいことです。きちんと発泡していないウレタンを除去し、やり直すということは事実上不可能です。
もちろん、これらの弱点を克服すべく、当社でもたゆまぬ改良を続けています。今後のパワーウレタンにご期待ください。
ボディ剛性はどの程度上がるのか?
開発元である株式会社ベルコ様が三菱ランサー・エボリューション4を使った実測データでは、ねじれ剛性に関して100%以上の向上が確認されています。もちろん車種によって多少の違いは出てくるわけですが、ほとんどのケースで100%程度は向上すると考えていただいてかまいません。
一般的にはホイールベースが長いクルマ、またオープンやTバールーフなど、もともと剛性が不足気味の車種ほど、剛性アップの効果が顕著なようです。