腎性厚労:浜の真砂は尽きるとも,世にボヤキのたねは尽きまじ.まあ皆さん聞いてください.
郁恵佐知子:キザなこと言うなこのハナクソ!
腎性:ちょっと前にはやった,
世界に一つだけの花 ちゅう歌,皆さんどう思いはります?
郁恵:何言うとんの,ええ歌やないの.だいたい流行ったのはちょっと前やあらへん,だいぶ前やがな.
腎性:
「ナンバーワンにならなくていい,もともと特別なオンリーワン」やて.あーあほくさ.
郁恵:ええ歌詞やないの.
腎性:おとこはんにきれいな彼女ができた.たーくさんボーイフレンドが居てはる.そん中でナンバーワンにならんでもええんかい!
オンリーワンのアッシーくんでええのんか!
郁恵:なーに理屈ゆうてんのや.
腎性:そもそも,みーんな激烈な競争を勝ち抜いたからこそ,この世に生まれて来とんのやないか.
郁恵:はーあ?何のこっちゃ?
腎性:おとうの
三億個の精子の中で,
たった1個が勝ち残っておかんの
卵子に受精するんやぞ.競争せんでええ,なんちゅう腑抜けたこと言うて,
死んでいった残りの二億九千九百九十九万九千九百九十九個の精子に申し訳ないと思わんのか!
郁恵:えろー大層な数字並べて.あんた数かぞえたんかいな
腎性:要は,
競争ちゅうのは人間の遺伝子レベルに組み込まれとるんや.それを否定して一体どうするんや!?
郁恵:えーやないの.今は競争せんでも生きていける世の中なんやから.
腎性:そんなもん今の日本だけや,世界のほかの国でそんな
寝言 言うとるとこないわ.中国見てみい,韓国,北朝鮮かて一緒や.皆,何とか這い上がろう思て必死やないか.
日本かて,石油がのうなったら,食料が足りんようになったら,すぐ競争せないかんようになるわい.
郁恵:そん時はそん時や.今から心配してもしょーないやろ.タコ.
腎性:だいたい,「もともと特別なオンリーワン」なら何でもええんか?ほたら○鬼○薇○斗かてオンリーワンやないか!
郁恵:あほなこと言うて.悪いことちゃう.ええことでオンリーワンに決まってるやないの.
腎性:ほー,そうか.でも,
ええことでオンリーワンやったら,それはつまり
その分野でナンバーワンちゅうことと同じちゃうか?ナンバーワンでないオンリーワンってあるのんか?
郁恵:理屈っぽいじいさんやな,こいつは.
腎性:言わしてもらえばな,今ほど簡単にナンバーワンになれる時代はないねんで.
郁恵:どういうこっちゃ.
腎性:たとえばスポーツや.ワシらのころは野球と相撲しかなかった.ナンバーワンなろう思たら大変やったで.今見てみい,サッカーやらバスケットボールやらアイスホッケーやら
カーリングやらスカッシュやらビーチバレーやらペタンクやら,いーっぱいあるやないか.
郁恵:なんやペタンクて.
腎性:スポーツだけやない,ブリキのおもちゃ集めても,
エアーギターでも,
ホットドック早食いでも世界一なれるんやで.日本一,県内一,学校一,ご近所一までいれれば,誰でもナンバーワンなれるやろ.
郁恵:
ご近所ナンバーワンなってもしょうないやろ,カス!
腎性:こんなに簡単にナンバーワンになれる時代に,ナンバーワンになれへん奴は,ヘタレや!この歌,なーんもでけへん「ヘタレ」に迎合しとるんちゃうか.
「ナンバーワンにな"れ"なくてもいい」に歌詞変えい!
郁恵:何寝言言うてんの!皆喜んで聞いとるんや.250万枚売れたんやで.皆が気ぃ悪うするようなこと言わんとき.
腎性:ちょっと聞くがな....
郁恵:なんや.
腎性:「ナンバーワンにならなくていい」と歌っとるやつが,
どうして40週もオリコンチャートのナンバーワンになるんや!言うとることとやっとることが矛盾しとるやないか!
郁恵:何いうてんのや,SMAPはんかて判ってはるわ.だからレコード大賞辞退したんやないの.
腎性:オリコンチャートも辞退せんかい!
郁恵:しょうがないやろ,売れたんやから.
腎性:まだあるで.
郁恵:しつこいじいさんやな.
腎性:「花屋の店先に並んだいろんな花を見ていた」んとこや.
郁恵:何が気にくわんのや.
腎性:「人それぞれ 好みはあるけれど どれもみんな きれいだね この中で誰が一番だなんて 争うこともしないで バケツの中 誇らしげに しゃんと胸を張っている」
郁恵:ええ歌詞やな~.その通りやんか.
腎性:あのな,花やったらなんでも花屋に並べるわけやないで.
品種改良されて,純粋培養されて,痛んだのはぜーんぶ捨てられて,
花んなかの
ほんの一握りだけが店先に並べるんや.
花屋の店先に並んどるちゅうことは,そんだけで
とてつもないエリートちゅうことやで.判っとんかいな.
郁恵:おっさん,またそんな屁理屈言いよってからに.
腎性:人間で言うたらな,ちょうど東大卒,京大卒,オックスフォード卒みたいなもんばっかりや.そういう連中は,余裕こいていられるんや.「金持ち喧嘩せず」やで.
郁恵:あーあ,やんなるわ.
腎性:でな,どうして「僕ら」がそんなエリートとおんなじなんや.花は花でもな,実際は,堤防で犬におしっこかけられとる花とか,ジョギングで踏まれとる花やろが!
郁恵:そんながちがち言わんでもええがな.ただの例え話やがな.
腎性:おそまつな例え話やっちゅうとんねや.こんなええかげんな歌,わいは許せんで!
責任者出てこい!
郁恵:出てきたらどないすんのん?
腎性:
謝ったらしまいや.ごめんちゃい.
長々とお付き合いいただきありがとうございました.
人生幸朗・生恵幸子の「ぼやき漫才」のパロディーで,「世界に一つだけの花」をやらせていただきました.断っておきますが,私はSMAPのファンです.「夜空のムコウ」は歌詞・メロディー・歌ともに大好き.槇原敬之さんも,「どんなときも」,「北風~君に届きますように~」,「Hungry Spider」など私のiPodに入れていつも聞いています.ただ,この曲だけはいけません.ファンの方でお気にさわったらごめんなさい.じじいの世迷い言と聞き流してください.
なお,生恵幸子さんこと
赤田松子さんは,この2月5日にご逝去されました.謹んでご冥福をお祈りいたします.
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Posted at
2007/03/17 00:23:10