
修理に預かっているヤマハ・メイト(V50D)ですが、交換部品も届きましたので作業を進めていく事にします。

先ずはこの部分、切れてしまっているチョークワイヤーを交換します。

ワイヤーケーブルはこう言った場所を経由して・・・

この部分に繋がっております。

結構面倒ではありますが・・・

こんな道具を駆使して

ケーブルを通しました。

お次はキャブレターです。真鍮製のフロートが年代を感じさせます。
「青緑」が確認できますが、パッと見た感じフロートに穴空きは見つかりませんでした。

いつものようにクリーナー漬けにして暫く放置し

ジェット類も綺麗になったら

内部の消耗品を交換しながら組み立てていきます。

ガスケット類は

当然新品交換です。

キャブが組み上がれば車体に取り付けし

50:1の混合油をサブタンクから補給してエンジンを始動させます。 キャブレターO/Hの甲斐あって一発始動です。

エンジンを始動させながら、見るからに古そうな燃料タンク内のガソリンは全て抜いてしまいます。

エンジンは問題なく始動したものの、アイドリングが高いままです。
アイドルスクリューで調整してみるも全く回転数が下がりません。それどころか、アイドル調整ネジを最後まで締め込んでも何ら影響なくアイドリングしてしまいます。
2次エアーの吸い込みを疑って・・・
インマニにパーツクリーナーを吹き付けてみたところ見事にエンストしました。

メイトのキャブレターとマニホールドはこのようなスリットの入ったカラーと

Oリングで気密性を保っているようです。今回当然このOリングは新品に交換しておりますが、設計の仕様上エアーを吸い込むのも何となく分かる気がします。
取り敢えずこれは後回しにして、再びエンジンを始動させてみたところ

キャブのドレンから燃料が漏れだしてきました。所謂「オーバーフロー」というやつです。そうこうしているうちに、ハンドルを動かすとアイドリングが変化する事も判明しました。つまり、車体の傾き加減によってエンジン回転数が上下するのです。

フロートレベル(油面)のズレを疑って少し調べてみる事にします。
このバイクのフロートレベルは「23ミリ ±1ミリ」との事なので

キャブレターを逆さまにしてノギスを当てがってみたところ、やはり基準値からは大分ずれているようです。因みに、フロートレベルを計測する際、フロートのアームがチェックバルブの先端に僅かに接触したところで計測するよう整備書には書いてありますが、私は単純にひっくり返した状態で計測しております。

アームを曲げて

整備書の基準値通りにフロートを調整してみますが

これではまだオーバーフローしてしまいます。
「外して→調整して→取り付けて」を繰り返すこと数回

何とか「24ミリ」で落ち着いたようです。

アイドル調整も効くようになりました。

再使用不可能なエアクリーナーも新品に交換して

車体に組みます。

エアクリーナボックスを組み付けてみると、インマニからの2次エアー吸い込みも止まったようです。

この機種のパイロットスクリューは1回転半が基準ですが、これはあくまで「基準値」で、燃調が濃く若干「カブり」ます。 デジタルタコメーターをセットして丁度良さげな位置を探します。

エンジンの「始動性」「吹け上がり」共に調子よくなったので、レッグシールドを付けて今回の修理は終了です。
ブログ一覧 |
オートバイ | 日記
Posted at
2019/03/12 20:44:41