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2020年08月14日 イイね!

はるかなる西穂高岳

はるかなる西穂高岳【前日の行程】
新穂高ロープウェイ
 ↓
西穂山荘

【本日の予定】
西穂山荘
 ↓
独 標
 ↓
(西穂高岳)

  *  *  *

翌朝、きれいに晴れ渡る。
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きのうの雨が嘘みたいに天気が回復する。
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やはりオレには、旅の女神が微笑んでくれている。
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日の出とともに、向かいの峰々が赤く染まりだす。
ああ、モルゲンロート!
しかも乗鞍岳じゃないか!
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おれの強運を寿ぐかのようなモルゲンロート。
こんな場所でのこんな絶景。
めったとお目にかかれない。

さあ、天候が回復したらこっちのもんだ!
いそがしくなってきたゾ!
朝食をいただきましょう。
ちなみに朝食の時間は5時半です。
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しかもなんかメッチャ凝ってる!
山小屋の朝メシなんて、ご飯に味噌汁にベーコンエッグ出しときゃいいのに!(←偏見)
あれですか。ホスピタリティとか気にするようになったんでしょうか。さいきんの山小屋は。

部屋にもどると、北アルプスにデジタル一眼レフカメラを持って上がってきた狂気の男が私以外にもう一人いたので、写真撮らせてもらう。
おっ、EOS Rですな!新型ミラーレスの。
やっぱ、ミラーレス売れてるんだなー。
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(↑オーナーの横顔でも一枚と思ったら、いきなり着替えだしたので、はからずもセクシーショットになってしまったが勘弁願いたい。ちなみにレンズはF4通し。F2.8通しが欲しいが、高いし重いし持って登れん!とは当人の弁。うんうん、わかるわかる!プロでもないのに山にF2.8通し持ってきたら狂気通り越してるわ!)

さて、もう6時だな!
そろそろおれも出発しないと。
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で、なんでこんなにグズグズしてるのかと言いますと、
トイレ待ってるんです。
順番のことではなく。
尾籠(びろう)な話で申し訳ないが。
出し切ってしまわないと、出発できないじゃないですか。
だって、山に公衆トイレなんてないですよね!?
ていうか、みなさんどうしてんだろ?
オムツでもしてんのかなあ。
宇宙飛行士やMS(モビルスーツ)乗りみたいに。
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いい加減、見切りをつけて出発しました!【6:17分】

ちょっと上がって、ふりかえる。【6:30】
ちょっと山小屋を離れただけなのに、なにこの寂寥感。
心細くてやばい。
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しかも行く手を阻むは、この鬼のような岩場。
北アルプス・穂高の容赦のない洗礼は、ここからはじまる。
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岩場を上がりきると、にわかに眺望がひらける。
ああ!あれが西穂高岳。そして独標。
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・・・この時点で正直言いますと、
(ああ、西穂はやめとこう。
 独標まで行って帰ろう)
と思いました。
直感で、おのれの力量を眼前に広がる山のスケールとで正しく差し引きしたつもりです。
根性だとか見栄だとか、そういうの一切勘定に入れずに。
いまのオレにはちょっとこれは・・・。

有名な丸山が見えてきました。
ここまでなら比較的ラクなんですよ。
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稜線の両側にハイマツが生い茂る。
話ではきいてましたが、本当にそうだ。
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朝のまばゆい光のなかで、稜線にそって
ただひとすじの登山道が浮かび上がる。
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登ってはふりかえる。
とうとうこんなところまで来てしまった。
本当にいいのだろうか?
おれはここに来ていいのだろうか?
ここに至ってそんな思いが、脳裏をよぎる。
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信じられないくらいの急斜面に
えんえんとつづくガレ場。
青天とはうらはらに、
初心者にたいする穂高のおもてなしは、
これほどにかと思うほど、情けも容赦もない。
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上高地を見下ろす。
昨年の夏にはあそこにオレはいたんだよな。
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夢にまでみた稜線歩きの絶景が広がる。
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仕事の憂さも
世間の煩わしさも
ネットの嘘も
テレビのノイズも

忘れることはできないが
消し去ることはできないが

ぜんぶまとめて
地平線の向こうまで放り投げたように
遠くまで。

いま厳乎としてあるのは、

”いま自分はここにいる”

という意識。

うすい大気のなかで自己を保ちうる
 
たったひとつだけの真実。
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(↑向かって左手には笠ヶ岳が雄大にそびえたつ)

独標が目の前で威容を誇る。
目の前と言っても初心者にとって、その道のりははてしなく遠い。
いくつかの難所が待ち受けているからだ。
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(↑目の前をゆく親子(母子)にご留意ねがいたい。後でふたたび出てきます)

このあとは写真はありません。
当然です。
写真撮ってるヨユーなんてないから、難所っていうんです。

でもそれだと面白くもないので、
上の写真の連続写真でちょっと説明。
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①足場がせまく、左手笠ヶ岳方向は奈落の底です。足を滑らせば一巻の終わり。こわい。

②ここからは見えませんが、岩場が行く手を塞ぎ、手で岩場をつかんで登り下りします。このとき、ゆきずりの上級者から、「登山用ポールはしまったほうがいいよ。あぶないから」とアドバイスをもらいます。ありがたいです。ポール使うことしか考えてなかったので。視野狭窄に陥ってて。ここでは使わないという発想ができなかった。

③最後の難所。かなり急な岩場です。両手で岩をつかみ、這いずるようにちょっとづつ片足で足場を保持しつつ上がっていく。はためから見たらきっとぶざまな姿にちがいない。ゆるいカーブをえがいてるため、気分的にはもしここで足を踏み外し滑落したら、はるか上高地までズルズルすべっていきそうで、マジこわいです。テレビの「イッテQ」でイモトアヤコが「だいじょうぶ、こわくない」とか自己暗示をかけて高所にいどむシーン(たしかシンガポール)が思い出されました。あんな感じです。下見たら恐怖で登れなくなりそうで、あまり下見てないです。本気でこわいです。

そしてようやく、独標に!
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『くぅ~ッ!母ちゃん、こわかったよ~!』
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ハッ!いかいかん。
ちゃんとした写真とらないと。
じゃ、ポーズ決めてもう一枚。(めずらしく人にたのんで撮ってもらった。前述のポールしまったほうがいいよの女性。アベック登山だった)
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(※帽子(キャップ)かぶってましたけど、風が強いのでとばされないようしまいました)

青空がスゴイ。宇宙まで届きそうな蒼穹がひろがる。
そこで、
~今回の旅の忘れ物~
②サングラス(行きが雨だったので車につい忘れてきた)
ということで、
③車にサンシェードするのも忘れてきた。いまごろ車内はアツアツだろうな。

こんなところにまで、デジタル一眼レフカメラを持ってきた男の狂気のさまを、みなさまとくとごらんいただきたい。
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(でも、けっこう一眼レフカメラ、持ってきてる人いました)

で、ここから先の西穂高岳はこんな風景。
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(↑しかもこのとき、目の前の岩峰を西穂と勘違いしてる。ちがい・・ますよね?)

ムリムリ、
ムリムリ!!


行けるわけないでしょー!!

根性なくていいです。
臆病者となじられてもかまわない。

コレ、絶対ヤバイから!
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サメの歯のような峻嶮な岩場の連続。
初心者が足を踏み入れていい場所じゃない。
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(↑左手にあるのをジャンダルムと思って撮っている。向こうの峰ですよね?)

登ってきた方向を一枚。
で、さっきから無性に不安なんだけど、
どうやって下りたらいいんだろ?
本気で下り方がわからん。
山ってどうやって下りるの?
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ここでさっきの親子が登場する。
行きが同じだった母子。
息子くんは中一くらい。お母さんは50代かあるいはおれとおなじくらい。
お母さんは山の上級者らしく、息子に、「右手でしっかりつかんで。そっちじゃない!コッチ!」と行きも英才教育だった。息子くんは反抗期なのかあまり聞いてなかったようだけど。むしろ他人のおれのほうが熱心にきいていた。この親子について行けば、無事帰れるかもしれない!

もう、見栄も体裁もありません。
生きて帰れば御の字なのです。
「帰り、あとをついていっていいですか?初心者なんで、勉強させてください!お願いします!」
(※マジでこう言いました)

すると、お母さん、
「お母さん、ちょっと先に下見してくるからハルオ、ちょっとそこにいなさい。また戻ってくるから」
といってスルスル下りていきました。
母強し。
息子のためにいったん下りてまだ戻るとか。
ていうか息子の名前、いい名前だな!
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で、このあとがまたすごいのだ。
山を下りながらお母さんは息子のハルオにみっちり英才教育をほどこす。
ハルオ君は反抗期なので、ちょっとうわの空。
それをすこし離れた場所でフムフムと熱心に聞いているオレ。

右手・左手で岩をしっかりつかむ。
片方の足で足場を確保。浮き石はないか確認する。
こうすればまず滑落することはない。
これを三点確保という。
ネットでしらべたときでてきた言葉だが、実際見ると聞くとでは大ちがい。まさに目からウロコ。なるほど!こうやるのかー!
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安全なところまで下りると、しぜんと親子と距離をあける。
あまりお母さんとしゃべりすぎると(けっこうしゃべってた)、
ハルオ君が、
(お母さんがよその男としゃべってる)
とイヤがるだろうから。
おれも変なところで気をまわす性分である。

つと、ふりかえる。
ああ、独標よ、そして西穂高岳!
さらばだ!
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(↑まだ西穂高岳と勘違いしている)

ふたたび上高地をながめる。
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昨年の今頃、あそこにオレいたんだよな。
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思い返してみれば、上高地から穂高連峰を見上げたとき、
(あんなところを歩くヤツいるのか!?)
と半信半疑だったが、
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(2019年8月 上高地にて 拙撮)

そう思ってたのが、いつしか、
(もしかしたら自分もあそこに行けるかもしれない)
と一歩踏み込んだ瞬間、
頭の中でなにかパアーッと幾筋もの光が射し込んだ感じがして、
(え、行くよ?行っちゃうよ!?)
という、自分のなかにある「無限の可能性(笑」ってヤツをほんの少しでも手のひらでナデナデできたような気がして、このときのえもいわれぬ快感、なんとも言えないような気持ちはちょっと言葉にできない。

あと、そもそも穂高というワードを知ったのが、さらにこれよりさかのぼること一年前。
『立山黒部アルペンルート』の立山駅で朝の4時にケーブルカーを待ってたとき。
このとき一緒にならんでいた登山に来た京都の男が、
穂高の稜線歩きは絶景
と、ずっと耳元でささやくんですよね(笑
これがキッカケだった。
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(2018年8月 立山駅にて、拙撮。黄色の服がそのひと。私は勝手に「ホダカ氏」と命名した)

オレほんとうにここに来たよ!ホダカ氏!
・・・ホダカ氏も、まさか自分の一言で旅の行きずりの男の運命をひそかに変えてるとは思うまい。

こうして山を下りつつある穂高ですが、
まァ、おれのやったことなんて、北アルプスあるいは穂高を大海原にたとえるなら、その波打ち際でチャプチャプ水遊びしている子どもがオレであり、まあそのていどなんですよね。今回の登山って。

Lonely Planet
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(↑中央が焼岳。上高地の風景でおなじみ。そのはるかむこう、乗鞍岳である)

山小屋に無事戻ってきました。
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このとき、天気がいいので今からの登山客が多く、いわゆる「登り渋滞」になってました。
 
うわっ、山小屋もにぎわってるなあ!
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ほんと、昨日まであんなに雨だったのに。このいい天気!
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さて、山小屋名物のラーメンでも食べてから帰るとしますか。
これが楽しみだった!
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しょうゆか味噌かで、今回思い切って味噌をえらんでみた。
味噌ラーメンなんて食べるの、「サッポロ一番 味噌ラーメン」以来じゃねえか?

西穂ラーメン
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なんか、ほんとに「サッポロ一番 味噌ラーメン」みたいだった(笑
まあ、それはそれとして、
生まれて初めて、
「気圧が低いので半生状態」
ってのを経験してちょっと感動。
(ん?コレ生やんけ!?)
と思わず、あたりをキョロキョロしてしまうが、
(あッ、そうか!)
とすぐに自分のいる場所を再確認した。
1泊二日も滞在してると、けっこう自分がどういった環境にいるか忘れがちになるんです。

山小屋から1時間半かけてまた登山道。
新穂高ロープウェイへ。

うおッ!きのうとぜんぜんちがうな!
たくさん人がいて、満員御礼!
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昨日は悪天候で絶景がおがめなかったので、きょうは腕によりをかけて一枚撮らせていただきますよ。

新穂高ロープウェイ ~盛夏~
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久しぶりに夏らしい一枚が撮れた!

写真を撮り終えたあと、なにげなくふりかえる。
展望台からの風景は有名だが、問題はその背後。
その光景に私は度肝を抜かれる。
エエッ!ここから穂高連峰が一望できるのかよ!
知らんかった!うわ、これはスゴイ!
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真ん中のコブみたいなのが独標で、
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西穂高岳。やっぱ遠いよな。独標からみえたのはただの岩峰だよね。
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オレはさっきまであそこにいたんだ!
ロープウェイから山小屋まで見えるのにはビックリ。
見えてたのか。
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あと、槍ヶ岳が見えたのにはちょっと感動。
(なんかちいさくとがってるヤツ)
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上級者はただ単に、「ヤリ」とよぶ。
(前回ブログの)石田純一氏も、「ああ、ヤリはやったよ。夏だけどね」と軽く言ってのけたあたりはちょっとカッコよかった。

こうしてロープウェイで山を下り、焦げるようにアツい下界に戻ります。
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岐阜・高山市のビジネスホテルに一夜の宿をもとめる。
高山市市街地から離れた郊外にあるのだが、
しかしまァ、へんてこな場所にホテル建てたもんだ!
ルートイン グランティア飛騨高山
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ここを選んだのは、夕食バイキングだったこと。
一泊2食、朝夕バイキングつきで10,500円。
はからずも山小屋とまったくおなじ宿泊料。
べつに安い高いはなく、どちらも満足。
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(↑ローストビーフが売りらしい。かといって食べ放題ではなく、ひとり一皿までときたもんだ。世知辛い。大井川鉄道のホテルを見習うがよかろう。焼きたてステーキ食べ放題だったんだぞ!)

地酒を現地にて味わうのが無類の楽しみ。
『天領』をチョイス。うまいわ。
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(↑カレーは別腹。毎回言ってるから今回からタグに付け加えた)

  *  *  *

翌朝。朝から露天風呂に入る。
ここの露天風呂は緑あざやかでちょっとヨカッタ。
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さて、朝食をいただいたら、今回の旅も終わりです。
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今年の夏も、いい旅ができました。
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ごらんなっていただいたみなさまには感謝。
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みなさまのお盆だより、たのしく拝見させていただきました。
みなさま、暑さにも負けずあちこち行かれたようですねー。

ありがとうございました。
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またお会いしましょう。

   *  *  *

【自分用メモ】
名神高速・伊吹SAからほんとうに伊吹山がみえる。
みえるが、誰も気に留めるようすもないので、自分用立ち寄りスポットに追加しとく。
Posted at 2020/08/22 19:04:12 | コメント(10) | トラックバック(0) | 日記
2020年08月13日 イイね!

【北アルプス】西穂山荘に泊まる【山小屋初体験記】

【北アルプス】西穂山荘に泊まる【山小屋初体験記】一年がかりの夢が

いま実現しようとしています。

北アルプス・穂高連峰

今回の旅はそう、

本格的な登山です。

  *  *  *

和歌山を午前3時に出発。
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途中、睡魔におそわれ第二京阪・京田辺パーキングで仮眠をとる。
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目をさますと夜が明けていた。
午前5時。
多少頭がスッキリしたところでふたたびハンドルを握る。

名神高速・多賀SAで朝食がわりにラーメンをいただく。プラス自分で持ってきたおにぎり(※写真はない)。
ラーメンはとんこつ醬油。
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朝もはよからラーメンかよ、と言われそうですが。
朝もはよからラーメンなのである。

東海北陸道。
岐阜の山中で雨に見舞われる。

岐阜・高山から奥飛騨温泉郷(平湯温泉)を結ぶ国道でしばしばこのような
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(↑何がスゴイって、ナンバーが札幌!)

片側交互通行になってて、大幅に足止めをくらう。
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九州中部をおそった豪雨の余波が、岐阜・長野にもおよんで被害が出たと聞いてはいたが、こういうことになってるとは。

おかげで大幅に到着が遅れると思ってた。
新穂高ロープウェイの鍋平駐車場にです。
ところがどうしたことか、思ったよりも早く11時には着きそうなあんばいに。
朝早くから出発した甲斐はあったみたい。

すると、駐車場の入り口に温泉をみつけ、
『ひがくの湯』
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ピットインするかのように思わずスラリと駐車してしまう。
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どうせこの後ロープウェイであがったって雨なんだし、
今夜は山小屋で泊まるからいまのうち温泉で汗を流してサッパリするのも悪くない。

それに昨年、ここからそう遠くない平湯温泉で露天風呂につかったのが忘れられない。
メチャメチャ気持ちよかった。
今回もできれば温泉に入りたい。
せっかく奥飛騨まで来てるんですし。

入湯料750円。
登山帰りだと700円と優遇されるらしい。
いまから登山するひとはどうなるんだ。
登山靴とかそれらしいギアをフロントに見せればいいらしいが、私はケチで貧乏性なクセして、こういうことは面倒くさがるタチなので750円はらう。

雑然とした温泉の入り口。
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そのすみに小部屋があり、
(なにがあるんだろう?)
と好奇心からのぞきこむと、
なぜかこんなところに本格的なNゲージがかざられていた。
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奥飛騨の温泉に、なにゆえ!?

で、かんじんの温泉は、
うおッ!バッチリ露天風呂だ~!
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ほかに誰もお客さんいないので、スマホでチョット撮らせてよ。

ウホッ!風情タップリ。
この心地よさ。格別だね。
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温泉には食堂が併設されており、
ただメニューは容赦のない飛騨牛尽くし。
奥飛騨来たんだから飛騨牛なんだろうけど、風呂上りにあまりコッテリしたメニューはどうもピンとこない。
もっとこう、サックリ食べてなおかつ長旅の疲れをいやすうま味がほしい。
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すると、ん? なんだこれ。
漬物ステーキサンド 』だと!?
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どうせアレでしょ。
こういうヘンテコなメニューにかぎって、へんにうまかったりするんでしょ。
最近多いよねー。
ふーん。
で、結局どういう味なんだろう。

たのんでみた。
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旅でいちばん大事なのは、チャレンジ精神である。
仕事ではチャレンジ精神などふだん出さないくせに。

ひとくち頬張ると、
(ん?)
と脳裏に一瞬うたがいが生じるが、味わうにしたがい、
「これはアリですよ、マチルダさん!」(←ガンダムのアムロの口調で)

炒り卵とマヨネーズが白菜漬けの塩っ気をマイルドに。
風味もなかなか悪くない。むしろちょっとうまいかも。
コレ、白菜漬けだと言われなければ気づかない。
ツナサンドだと思いそう。

え、なんでツナサンドなの?
味覚おかしいの?と言われそうですが、ちょっと待ってほしい。
手前右のサンドにうすい赤いものまじってるでしょう。
これおかかなんですよね。
パンにかつお節が混入してても、まったく違和感をおぼえない。
これをツナ味だと味覚が錯覚おこしたようなんですね。

飛騨牛乳はジョッキで、でてくる。
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生ビールじゃないんだから。
女店員に苦情を申し立てると、
「たくさんお召し上がりください」
とわけのわからない言葉でごまかされてしまう。

奥飛騨は温泉はふぜいはあるが、
牛乳に風情はない。

そこから5分。
鍋平・登山者用駐車場に車をとめる。
ご覧の通り、ガラガラ。
ここに来たのは間違いであったかのように、ほかに誰もいない。
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自慢のレインウェアに着替える。
ワークマンで5,000円で整えたものだが、登山もせずにすでに濡れてるようではあまりにみじめすぎて、トボトボ歩いていく。
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やがて、ロープウェイ乗り場が見えてくる。
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切符売り場もガラガラ。
いくら何でも、お盆休みですよ?
温泉入って、お漬物サンドイッチ食ってる間に人類滅亡でもしたのかよ。
いまここに係員がすっ飛んできて、
「たいへんです!新型ウイルスの蔓延でここにいる人以外人類は滅亡しました」
と言われたら、すんなり信じてしまいそう。
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くだらないこと言ってないで、こぎれいな待合室みつけので、ここで今回使用する登山用ザックをお見せしましょう。

mont-bellストライダー・パック 25
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これ、わたしが使うのにちょっとおかしいところがあるんですが、みなさまおわかりになりますかね?
わからないですよね?
よほどこういうのにくわしい人じゃないと、看破できないと思いますが。

何かが足りない、欠けてるとかじゃないです。
じつはこれ、レディース用なんです。
もちろんわかってて買いました。
アマゾンでデザイン気に入って、買う前にいちおう公式HP見たら、レディース用だって。
登山用ギアに男物女物があることにまずおどろきましたが。
でもそういうの、もうどうでもいいや。
だいたい、女性向けの軽自動車に堂々と男が乗る時代ですよ。
それに、さいきん思うんですけど、小学生のランドセル、昔は男が黒で女が赤でしたよね。今考えると変ですよね。なんで赤は女なんだ。誰が決めたんだって。ねえ。

とか言ってるあいだに、30分に一本のロープウェイがきました。
そろそろ改札です。
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(↑ならんでるのはわずかで、背後はもちろんガラガラ)

車内のようす。
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ロープウェイがうごきだす。
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あっという間にこの高度。
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西穂口駅につく。
湿度がすごいことになってる。
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湿度92%。
気温摂氏16度。
海抜2,156m。いまの時間は14時まえ。
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構内にはモンベルのお店がある。
そういや千畳敷カールのロープウェイ駅にもあったな。
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お待ちかね、展望台にでると、

なんも見えねえーッ!
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まさに五里霧中。
自分の人生のようだ。

で、ぱむっちょさんにきいたりネットでさんざん調べたりしてずっと疑問だったのが、この背後はどうなってるか。展望台の景色は有名で、画像は検索すればいくらでもでてくるが、かんじんの背後はどうなってるのか誰も説明しない。

こうなってた。
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これはぜんぜん意味がない。

いや、登山口ってどうなってるのかなーって。
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ここでぱむっちょさんのお名前が出てきたので、ちょうど説明させていただきますと、今回の登山計画にはみん友さんであるぱむっちょさんから多くの貴重なサジェスチョンをいただきました。ここであらためてお礼を申し上げたい。

そもそも今回の登山計画は、ぱむっちょさんの過去の登山記録をベースにしました。

ロープウェイから山小屋まで樹林帯がつづく。
1時間半かけて山小屋に着いたら、ここで一泊する。
翌朝、独標をめざす。私はあわよくば西穂高岳をめざしたい。
独標までは稜線歩き、すばらしい絶景が拝めるとのこと。
これだ!
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こういう、初心者がどういうコースを選択すればいいか、調べてもけっこう出てこないんですよね。
ぱむっちょさん、ありがたし!

で、ここでわたし、ぱむっちょさんに質問するんです。
すべてネット上でのやり取りですが。
「ロープウェイであがったその日に独標まで行って、もどってきて山小屋に泊まる。翌朝ロープウェイで下りるというのはダメなんですか?」

するとぱむっちょさん、
「それはダメです」
と即座に却下されます。

なぜだめなのか。
ここからが面白いんです。
ほんとうに山を知ってるひと。その生きた情報。活(い)きた知識。こういうのって、ネットでしらべても出てこない。
みなさん、おわかりになりますか?

答えは、
「山が天候がいちばん安定してるのは朝。絶景を拝むなら朝がよい。午後からガスが発生しやすくなり、景色が見られない」
なるほど!!

生まれてはじめて登山届というものを書き、箱に入れるといよいよ登山道へ。
なんか建物の裏口からこっそりみたいな感じで、登山出発の緊迫感に欠ける。
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誰もいないので、こっちで合ってるのか不安になる。
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あれが、登山口だ。
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こういう感じのところを登っていきます。
何の変哲もない、日本中どこにでもあるような登山道です。
本当にここ、穂高連峰の入り口でしょうか。
あと、Tシャツのうえにレインウェア着てますが、湿度が高いせいでサウナスーツ状態ですでに汗だくです。
ああ、せっかく温泉入ってきたのに。
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雨の登山でも、山野草をみつける楽しみは捨てません。
標高ならではの、めずらしい花が咲いてるにちがいない。
足元に注意を払って登っていると、
お、あった。

名前不明。
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ミヤマアキノキリンソウ
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これはけっこう咲いてた。

これも調べてもわからんかった。
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ふと気がつけば、しとしと降ってた雨はやみ、
明日の天気を占うかのような晴れ間がほんのわずかな時間、見えた。
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明日晴れるかな。それが心配。

1時間半ほど登ったり下ったりしてると、ようやく山小屋がみえてホッとする。
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玄関は向こうらしく、ぐるっと建物をまわる。
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山小屋のまわりは山野草の宝庫だった!
なんだ。いろいろたくさん咲いてるじゃん!
ハクサンフウロ
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ミヤマトリカブト
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あ、人がいるな!
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下がテント泊地になってる。
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 にしほさんそう
西穂山荘
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これがあこがれの山小屋かあ~。
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↑「標高!2,327m!」めずらしくだいたいあってる。
時刻は15:42。もう4時前ですな。

フロントで受け付け。
予約してきました。
この時期、宿泊は予約のみのようです。
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一泊2食つきで1万と500円。
山小屋ははじめてなので、安いのか高いのかわからん。
イヤ、どう考えても安いでしょう。

あと、説明によると、

登山靴の置き場がちゃんとあって、
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↑水は貴重品。
宿泊者のみ自由に利用できます。

スマホの充電もできます。
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あ、シマッタ!充電できるのわかってたのに、充電ケーブルを車に忘れてきた!
~今回の旅の忘れ物~
①スマホの充電ケーブル

2階にあがって、フロントを見下ろす。
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この廊下の先に、今夜私が泊まる部屋がある。
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部屋は「焼岳3」。
あ、どうも。こんにちはです。
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奥にいる60代の旦那と私だけ、この部屋の初心者。
あとはみなさん上級者。
あとで上級者から、
「明日はどこまで?」
と寄ってたかって訊かれる。
初心者のわたしとダンナは、
「いちおう、ニシホめざしたいと思います」
とかしこまってこたえる。
本当に西穂高岳まで自分は行けるんだろうか?
疑念がうずまく。
まあ、独標まで行ってそこから先は現場で考えよう。
ダンナもおなじ考えらしい。

となりの黄色の服のにいさんは、昭和43年生まれで私より4つ上。
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オクホには行かず、ジャンダルムで折り返して「天狗のコル」で上高地だという。
よくわからないが、かなり無茶なコースらしい。
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私は初心者バカなので、
「ジャンダルムって、どういう意味なんですか?」
としょうもないことばかり聞いてしまう。
質問が意外だったらしく、かなり面食らったようで、しばらく考えたのち、
「石の塔、っていう意味だったと思う」
へえ!石の塔か。

あと話しててわかったのですが、
独標って「ドッピョウ」って読むんですね。
「どくひょう」だと思ってて、ずっとそう言ってた。
恥ずかしい。初心者まるだしだ。

愛用のカメラはルミックスのGF3。
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山野草を撮るのが趣味で、じつはわたしが撮った山野草の名前もぜんぶ彼に教えてもらった。

そこへ、ひとりの男があらわれる。
黄色のにいさんが「師匠」と呼ぶ男。
山で知り合った山仲間でLINEで連絡を取り合い、べつの場所からここ山小屋で落ち合ったのだという。山の同行はしないらしい。

まあまあ、せっかくですし下でビールでもやりませんか?
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山小屋の別館が食堂になっており、お酒も各種取り揃えてある。
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生ビールがのめる。一杯千円。
山小屋でビールをのむのが夢だったから、いっこうにかまわない。
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わたしの夢はたいていしょうもない内容が多い。

左にいるのがその「師匠」。
59歳。俳優の田中要次にそっくりで、もうすこしで「俳優の田中要次さんですか?」と聞くところだった。
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職業はなんと、歯医者さん。
神奈川で開業しているという。
歯医者さんなんて、病院以外でみたのはじめてだ。

お酒を頼まないので、呑まないんですか?ときくと、いやのんでるといってアルコール消毒液とコップをだした。写真の左にみえる橙色のがそうである。
歯医者さんのあいだで通じるなにか冗談かと思ったが、ほんとうにアルコール消毒液をチビチビやりだしたので、わたしはかなりドン引きした。

話はもっぱら、LINEでつうじている山仲間の吉田さん(仮名)という女性についてだった。
歯医者さんならそこのところはモテ放題でしょうときくと、イヤイヤと首を振り、ナース、患者および元患者は家内にかならず露見するので鬼門なのだという。だから山仲間がいいのだという。

話はずっとその調子で、ストイックな山の話がきけると期待していた私は多少なりともガッカリした。

田中要次氏は黄色の服のひとのほうが山仲間のなかでモテるのがくやしいらしい。
言われてみれば、4つ上のにいさんはよく見ると、石田純一とサッカーの三浦カズを足して2で割ったような男前で、これはさぞかしもてるだろうと思われた。

石田純一氏は埼玉・所沢から。
あとでコッソリ職業をきいたら、税務署にお勤めなのだという。
しかも元国税庁職員。
マルサって映画以外ではじめてみた。

ていうか、なんだ。
なんでみんなエリートばかりなんだ。

  *  *  *

部屋をのぞいたときはじめにいたダンナは、
酒席の輪に入ることなく、独りロビーで山岳雑誌を読んでいた。
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人と話すのがキラいかといえばそうでもなく、
北海道を30のときに出て、千葉・四街道市に移り住んで30年。
仕事はプラント関係。
千葉になじんだいまは、もう北海道に戻ることはないというが、魂は故郷の空を忘れられないものらしい。
私にしきりに大雪山をすすめてくる。
でも北海道は遠いし、広いのでは?と私が尻込みすると、女満別や旭川に空港があるからこれを利用するとべんりだとおしえてくれた。
そうしてダンナは千葉のことなど一切語らず、ずっと北海道の話をしていた。

で、私が和歌山からきたというと、
「滋賀県の?」
と、とんちんかんなことを言われた。
「いえ、和歌山は和歌山県です」
と訂正すると、
「ああ!滋賀県のとなり!」
このひとは和歌山を日本のどこにあると思っているのだろう。

さて、夕食は2部制になっており、前にうつってるのは石田純一氏ですね。5時半に食べるみたいで、ならんでいます。べつにならばなくていいのですが。
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私は6時20分からの夕食で。
メニューは、ハンバーグとクリームコロッケ。
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すごい!山小屋でこんなご馳走を食べられるんだ!
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夕食のあとはみなさんサッサと就寝。
オクホをめざすひとは、午前3時出発なのだそうだ。
いびきがきこえてくる。
みんな寝つきいいなあ。
睡眠導入剤もってきたけど、おれ眠れるかな。
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こうして北アルプス・穂高の夜は更けていきます。
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さあ、とうとうここまでやってきました!
明日は晴れるか?
そしてどうなる、オレの登山。

つづきは週末にアップを予定。

ご期待ください。
Posted at 2020/08/16 19:04:09 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記

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