MiniCar|KYOSHO 日産シーマ450VIP 個人タクシー
投稿日 : 2009年09月17日
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京商のJ-Collectionシリーズで、528台の限定発売となったのが、日産シーマ450VIPの個人タクシー仕様。
"個人タクシー・シリーズ"は国内向けとしては、2月にリリースされたY34型・日産セドリック/170型・トヨタクラウンに続くものとなります。
ベース車種の日産シーマは2001年に登場した現行モデル。
1988年に"シーマ現象"を巻き起こしたことから始まったシーマの歴史も、このモデルをもって幕を閉じるのではないかと言われています。
"450VIP"というグレードはシリーズの最高峰。メーカー希望新車小売価格は766.5万円という高価格車ですが、東京では実際に個人タクシーとして使われているものです。
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全長5120mm、全幅1845mmというサイズは、もちろん国産セダンの中では最大級のクラス。
ただし全高は1490mmと、格下のフーガよりも20mm低め。ホイールベースもフーガの2900mmに対してシーマは全長が大きい割に2870mmと短めの値。つまり前後のオーバーハングが大きめというデザインになっており、設計年次の古さも感じさせるものです。
このF50型・シーマは、低迷していた日産の"変革の象徴"として、それまでのLLクラスセダンの常識を打ち破るデザインコンシャスさを最大の特徴に2001年の年頭にデビュー。
特に個性的な「マルチプロジェクターヘッドランプ」を核としたフロントフェイスは独自の存在感を持っています。
また室内についても、カーナビゲーションなどの操作系統をセンタークラスター上段のモニター直下にまとめたレイアウトとし、かつファンクションスイッチを核とする操作体系を実現。このコンセプトは最新の日産車にも受け継がれている手法です。
さらに今ではティアナやフーガなどに装備設定されて人気を博している「助手席オットマンシート」についても、2001年のデビュー当時からメーカーオプションとして用意していました。
さらに安全装備面ではミリ波レーダーによる車間維持装置や、カメラからの映像情報を元に路面の車線を認識して、車線を逸脱しそうになるとステアリングに回避アシスト力を加えるレーンキープサポートシステムも設定。
特に後者はステアリングにアシスト力を加えるという点で世界初の装備。
しかしユニークなのは、こうしたステアリングサポート機能付の車種のほとんどが電動式パワーステアリングとの組み合わせで対応しているのに対して、このシーマは油圧パワーステアリングを装備しているのです。油圧パワステを電動アクチュエーターで動かすというコスト的にも不利なことをやっているのですが、今も日産は電動パワーステアリングで納得出来るフィーリングを実現できないという理由で、上級車種では油圧パワーステアリングを使い続けています。
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個人タクシー仕様のミニカーということですが、今回は東個協(東京都個人タクシー協同組合)の加盟車両がモチーフ。
ルーフには「でんでん虫」の愛称で親しまれている行灯が装着されているとともに、社団法人全国個人タクシー協会が制定している「優良個人タクシー事業者認定制度」の最高位である"マスター"の有資格者である「三つ星マーク」も設置されています。
さらに都市部のタクシーならではの装備が「補助ウィンカー」。周囲からの被視認性を高めて安全性を向上させるための装備は、ハザードランプを点灯させて路肩に停まることの多いタクシーにとって、必須とも言える装備になっています。
ちなみに東個協ではフラッシャーランプと称しており、運営規定で加盟車両には装着を義務化しています。
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リアビューを見ると一目瞭然ですが、このミニチュアは2008年2月に行なわれたマイナーチェンジ以降のモデルを再現しています。
全長の拡大や内外装の仕様変更が施されましたが、最も特徴的だったのがテールランプの意匠変更。フーガやスカイラインなどにも通じる"L型デザイン"が採用されたのですが、ミニチュアのテールもこの"L型"となっています。
さらに細かく見ていった場合、このミニチュアではボンネットフード先端に自立型マスコットが装備されています。これはラグジュアリー系グレードにおいては初代以降伝統的に装備されてきたもので、アカンサスの葉をデザイン化したもの。
いわば"高級車のお約束"として装備されてきた自立型ボンネットマスコットですが、対歩行者保護の観点などから2009年1月に廃止されました。
つまり"L型テール"と"自立型ボンネットマスコット"を両方装備する今回のミニチュアは、2008年2月~2009年1月の生産車がモチーフになっているということです。
もっとも、特定の実在する一台を再現したわけではないので、そこまで拘って作られたのではないでしょう。単純に既存金型にちょっと手を加えてテールランプ形状を変更して最新型を再現しては見たものの、ボンネットマスコットが埋め込み型になっていたことには気がつかなかっただけという結果ではないかと思います。
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2月にリリースされた「個人タクシー・シリーズ」と同様に、室内も空車表示灯/乗務員証、料金メーター、防犯板、レースのシートカバーなどが再現されています。
エクステリアは白ベースに赤い縁取りがされた青いラインという、東個協の共通カラーリングを再現。リアドアのまわりには初乗り料金や自動ドア表示などの細かい表示もプリントされています。
なお特定の現車を再現したというわけではなく、今回もあくまで"フィクション"という設定。
ゆえに「(個人) 佐藤TAXI」という記載はされていますが、営業拠点区域の表示などは省略されています。
今回は528台の限定販売でしたが、3,675円という比較的安価な価格設定。それは嬉しいポイントかもしれませんが、「個人タクシー」という購入層を絞るモチーフの場合は、多少高価になっても、より細部までしっかり煮詰めて完成度を高めてほしいような気がします。
2月にリリースされた前作よりは少しはマシになりましたが、まだまだ"コレクターズアイテム"とまで呼べるほどのものではないように思えます。
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