MiniCar|MINICHAMPS Aston Martin Lagonda (1982)
投稿日 : 2010年03月01日
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イギリスの名門高級車メーカーであるアストン・マーティン。
レーシングカー製作会社を源流とするブランドは、世界の自動車史に栄光のページを刻んでいます。
方や1906年に発足したラゴンダ社は小型軽量車の生産から歩みを始めました。年を追って技術力を向上させ、1930年代にはロールス-ロイスと肩を並べるV型12気筒エンジンを搭載する高級車が人気を博し、ル・マン24時間レース優勝などモータースポーツ界でも活躍。
しかし戦争の影響などもあって1947年にラゴンダ社はアストン・マーティン・グループへと吸収されたのです。
この伝統あるブランド名が復活を遂げたのは1961年。アストン・マーティン・ラゴンダ・ラピードという名で優雅な大型4ドアサルーンが誕生しましたが、これは僅かに4年間で50台ほどが製作されたに過ぎませんでした。
その後、1974年にアストン・マーティン・ラゴンダとして再び4ドアセダンが登場しますが、こちらに至っては一桁の生産台数に留まってしまいました。
そして1982年、名称としては二台目となるアストン・マーティン・ラゴンダが登場。
その姿形は独自性が高く、孤高の高級4ドアセダンという存在が際立つ一台です。
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当時のアストン・マーティンにおけるメイン車種だった1969年デビューの「V8」という2ドアクーペのコンポーネンツをベースとしたラゴンダ。
全長5,280mm×全幅1,790mm×全高1,300mmという巨大にしてロー&ワイドなプロポーションが特徴的。
エンジンはV型8気筒DOHCで排気量は5,341cc。これにクライスラー製の3速オートマチックを組み合わせたFRレイアウトです。
年ごとに細かい改良が加えられましたが、参考までに1987年のデータでは最高出力300ps/5000rpm、最大トルクは43.3kg-m/4000rpmというスペックを謳っています。
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イギリス人デザイナー、ウィリアム・タウンズ氏の手によると言われるデザインは、まるでウェッジシェイプの見本とも言うべき直線基調。
一般的な"高級車"の概念を覆すスタイリングは賛否両論だったようですが、アストン・マーティンという高級スポーツカーメーカーが生み出した4ドアセダンなのですから、少々"異端児"的なデザインも積極的に採用されたのでしょう。
ミニカーでも良く再現されているのが広大なエンジンフード。前述の通りこの下にはV8エンジンが納まっているのですが、ノーズが低いことも相まってボンネットの大きさが強調される形になっています。
また、前期モデルではリトラクタブルヘッドライトが採用されていたのも大きな特徴。後期型では廃されましたが、個性的な顔つきは他に似た存在がありません。
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リアもあくまで直線基調のスタイル。車格に対してかなりシンプルな感じを受けますが、実際にはロー&ワイドな佇まいが"ただ者"ではないことを感じさせます。
なお、このラゴンダは室内装備で世界初のLED式デジタルメーターを採用しました。
もちろんインテリアはイギリス高級車の王道とも言える、最高級コノリー・レザーとウッドパネルがふんだんにあしらわれています。
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日本にも輸入されていたアストン・マーティン・ラゴンダ。
折しもバブル景気に国中が沸いた時期に後期型の販売時期は重なるのですが、それでも東京都心ですら滅多にお目にかかれない稀少車でした。
何故なら販売網が限られていたこともありますが、とにかく高価な車だったのです。
1990年の資料では、メルセデス-ベンツ560SELが1,265万円。ベントレー・ターボRが2,850万円だったのに対して、このラゴンダは3,900万円という値札をつけていたのですから。
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