MiniCar|日産レパードUltima(1986)
投稿日 : 2007年12月24日
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日産レパードの誕生は1980年。2ドアハードトップと4ドアハードトップ、ふたつのボディを初代はラインナップしていました。
ともに直線的なウェッジシェイプで、個人オーナー向けの新たな高級車というジャンルを開拓しようとしたモデル。
しかし中期型まではエンジンなどメカニズム面の古さが目立ち、先進性を謳うデザインやインテリア、装備とのアンバランスさが人気をスポイルしてしまいました。
そうしているうちに1981年にデビューしたトヨタソアラが高級2ドアクーペとして高い人気を博することに。
日産陣営はソアラと真っ向勝負をするべく、1986年に二代目レパードを投入、直線的で大人びたデザインの2ドアクーペボディに的を絞ってきたのです。
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1986年はソアラも二代目に代替わりを果たした年。直接対決となったのですが、基本的なボディディメンションは共通項も多く、5ナンバー枠を基本にしていました。
しかしソアラが曲面を用いたデザインに進化したのに対して、レパードは直線基調のデザインを採用。
軽快さやスポーティさよりも上級感を強く訴求していましたが、デビューした1986年当時のセドリック/グロリア(Y30型)との共通性ももしかしたら持たせる意図があったのかもしれません。
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エンジンは日産が1983年にY30型でデビューさせた日本初のV6を搭載。デビュー時には排気量3000cc/2000ccターボ/2000ccの三種類をラインナップしました。
「Ultima(アルティマ)」は3000ccエンジンを搭載した最上級グレードの名称。
1987年には更にTVを含めたAVシステムなどの装備を充実させた「Ultima Grand Selection」が追加設定されています。
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先進性を語る装備といえば、やはりレパードでもデジタルメーターが欠かせません。
二代目ソアラは初代で好評だったデジタル式を進化発展させ、虚像を用いて見易さを追求する方式を採用。
対するレパードはなんとメーターパネルを全面液晶化してきたのです。
ブルー地に白のデジタル数字やバーグラフが表現される「グラフィカルデジタルメーター」は、その存在感としてはソアラのデジタルメーターを遥かに上回っていました。
しかし実際の見易さがどうたったのかは疑問もあるところ。
1988年のマイナーチェンジで絶壁型インパネのデザイン変更にあわせ、このド派手なメーターも消滅してしまいました。
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1988年のマイナーチェンジではエクステリア/インテリアともにデザインの角が落とされることになりました。
そしてエンジンには3000ccターボを追加、2000ccターボはそれまでのSOHCからDOHCへとグレードアップされました。
しかし販売実績はソアラに大きく水をあけられてしまったのです。テレビドラマでの活躍で人気は高まった時期もありましたが、新車販売にはなかなか結びつかず、中古車市場で価値が高騰するというメーカーには皮肉な結果となりました。
この後、レパードというブランドは混迷の時代を迎えることとなり、最後は1999年にひっそりと歴史の幕を閉じました。
思えば二代目レパードの頃は日本が急激な好景気を迎え、日産では初代シーマ(1988年デビュー)が大人気で好調な販売を記録していました。
そのような背景から、レパードには余り営業力を注がなくなってしまった面もあったかもしれません。
個人的にはちょっと硬派な感じもあり、端正な高級感を持つ二代目レパードの前期型は好きなタイプであり、実は購入を考えたこともあったりします。
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