MiniCar|日産シルビア(S13) K's
投稿日 : 2008年03月08日
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1988年5月、日産の伝統的なスペシャリティクーペ「シルビア」がフルモデルチェンジ。
5代目となったS13型はこのクラスでは少数派となりつつあった後輪駆動(FR)を採用して独自の存在感を発揮しました。
そして何といっても存在感を見せていたのが、それまでの日産車とは比べ物にならないほど高い完成度を誇った美しいデザイン。
デビュー当時のキャッチコピーは「ART FORCE SILVIA」。
シルビア同士で比べてもS12型の直線基調から一転、見事な曲面の組み合わせが魅せる造形美は、力強さと気品ある佇まいを高い次元でバランスさせたものでした。
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当時、このクラスのクーペ市場は景気の上向きとともに盛況を見せており、中でもホンダプレリュードが圧倒的な人気を誇っていました。
1982年に登場した二代目プレリュードで火がついた人気は、1987年の三代目で最高潮に達し、シルビアやトヨタのセリカといったライバル勢を圧倒する勢いでした。
独身の若い男性をオーナー像とし、女性を乗せてドライブなどに出かけることを想定した5ナンバーサイズの2ドアクーペ。こうしたジャンルの車を現す「デートカー」という言葉もいつしか生まれていました。
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デビュー当時のS13型シルビアは排気量1,800ccのエンジンを設定。インタークーラーターボ付きとノンターボの共にDOHCモデルをラインナップし、5速マニュアルもしくは電子制御4速オートマチックと組み合わせました。
ちなみにこのオートマチックも日産はトヨタなどより技術的に遅れをとっていたのですが、S13型の頃から採用された「E-AT」で対等に勝負出来る商品力を得ることが出来ました。
なお、S13型といえばオプションで用意されたプロジェクターヘッドライトが個性的な顔つきを演出していました。
それまではリトラクタブルヘッドライトのプレリュードが圧倒的な人気でしたが、S13シルビアの人気が余りに高まったがゆえにホンダ陣営では固定ヘッドライトを備えた「プレリュード・インクス」を市場導入するに至りました。
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現在の基準からすると小さなボディでしたが、きちんと実用的なトランクを備える3ボックスのクーペボディを、美しいスタイルで実現していたS13型シルビア。
室内もオーガニックなデザインがとても秀逸なものでした。
メカニズム面ではオプションで後輪ステア機構「HICAS」を用意したり、マルチリンク式のリアサスペンションを採用するなど、走りの性能もしっかり磨き上げていました。
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私が所有していたのはノンターボエンジンの「Q's」でオートマチックを組み合わせた仕様。
HICASやアルミホイールを備えない代わりに、プロジェクターヘッドライトやリアスポイラーなどのセットオプションと、フロントガラスにスピードメーターが表示されるヘッドアップディスプレイなどをオプションで注文しました。
また室内の快適性を向上させるためにエアコンをフルオートにして、助手席グローブボックス内にクールボックスを追加装備。
こうして"走り"よりも"快適性"を重視したクーペに仕上げて乗っていました。ちなみにボディカラーはミニチュアと同じ、デビュー当時のイメージカラーであったライムグリーンツートンです。
しかし後輪駆動の走行性能に注目が集まるにつれ、下品な仕様のシルビアが街中に増えてきてしまいました。
それに嫌気が差して、初回車検を受ける前に手放すことを決意。約3.3万kmを走っていましたが、なにしろ人気絶頂期ゆえに高値で売却することが出来たのでした。
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