2008 D1グランプリ 第1戦
投稿日 : 2008年04月02日
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新世代のモータースポーツエンターテイメントとして産声を上げた「D1グランプリ」も、早いもので8年目のシーズンに突入しました。
3月30日、桜前線も福島県への上陸が発表される中でエビスサーキットを会場として開催された開幕戦。
29日(土)に行われた予選でトップ通過を果たしたのは、AE86の小師賢作選手。
戦いの舞台となったエビス南コースはシーズンオフ中に路面改修が施されたことでグリップレベルが大幅にアップ。
しかし錚々たる顔ぶれの中でトップをマークしたのは、ドリフトの原点とも言えるAE86でした。
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予選トップ通過を果たした小師選手は残念ながら日曜日の1回戦で敗退、ベスト16追走トーナメントには進出出来ませんでした。
しかし、ベスト16では二人のAE86使いによる直接対決が実現。日比野哲也選手と吉岡稔記選手、審査員からは「ハチロク世界一決定戦」と称された注目のカードです。
その戦いは見応えある好勝負でしたが、僅かに角度で勝った日比野選手がベスト8への勝ち残りを決めました。
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今やトーナメントの常連にもなったピンク色のS15を駆るのは岡村和義選手。
「岡ちゃん」の愛称で親しまれ、SRエンジンを得意とするヤシオファクトリーにお世話になったというシルビア乗りの方も多いことでしょう。
その走りは年齢を感じさせないアグレッシブなもの。ドリフトを始めて以来、走る毎にそのテクニックを上達させてD1にまで至りましたが、今でも年下の選手を相手に一歩も引かない走りを見せています。
しかし今回は残念ながら勢い余ったか1コーナー手前でコースオフ、まっすぐクラッシュバリアに突っ込んでしまいました。
岡村選手に怪我などがなかったことは不幸中の幸いでした。
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今大会で最も注目を集めたマシンが、時田雅義選手のトヨタクラウン。
"ゼロ・クラウン"と俗に呼ばれるGSR180型、大柄なボディではありますが精悍なマスクでドリフトマシンとしても思ったよりは違和感のない仕上がりでした。
ベスト16での対戦相手は、野村謙選手。期せずしてER34日産スカイラインとのセダン対決となりました。
結果は野村選手の貫祿勝ちとなりましたが、デビュー戦からなかなかのパフォーマンスを見せてくれたゼロ・クラウン。
これからの戦いぶりが楽しみなところです。
ちなみにこのクラウン、テールランプ形状からベースはロイヤルシリーズのようです。しかもなんと、ムーンルーフまで備わっている"豪華仕様"です。
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こちらはFRスポーツ同士、昔ながらの"正統派"とでも言えそうなドリフト対決。
先行する赤いシルビアは今村陽一選手、後追いのRX-7は末永正雄選手。
末永選手が所属するRE雨宮は、先のSUPER GT開幕戦でGT300を制しています。このことは審査員からも紹介され、戦いを見守る「雨さん」こと雨宮勇美代表にD1でも優勝をプレゼント出来るか注目の的となりました。
期待に応えて末永選手は写真の勝負を制してベスト4に進出。しかし川畑真人選手と対戦した準決勝では僅差で敗退を喫して4位という成績に終わりました。
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開幕戦で3位を獲得したのは、エビスをホームコースとする「チーム・オレンジ」の田中一弘選手。
実はベスト16で最初に対戦した相手は、同じチーム・オレンジの熊久保信重選手という、興味深いカードでした。
これは1回戦通過順位に応じて対戦カードが自動的に決まる規則によるもの。偶然の産物なのですが、戦い本番での競演に会場を埋めたファンはとても盛り上がりました。
熊久保選手を下した田中選手はその後も勝ち続け、準決勝まで勝ち残り。ここでは野村謙選手と対戦、戦いはサドンデス持ち越しとなりましたが惜しくも僅差で敗退、3位となりました。
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時田選手のクラウン投入で、ドリフト界のセダン勢はますます注目を集めています。
マークIIやチェイサー、ローレルなどのラグジュアリー系サルーンにはじまり、最近はインプレッサやランサーエボリューションといったスポーツ系も台数を増やしています。
そんな中でセダン・ドリフトの先駆者といえば、ER34日産スカイラインを駆る野村謙選手。
大柄で重い4ドアセダンはドリフトそのものには不利な面もありますが、豪快な走りと見た目の迫力などエンターテイメント性では2ドア勢を時に凌ぎます。
今回の開幕戦、野村選手は準優勝を飾り、セダン健在を改めてアピールしました。
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2008年の開幕戦を制したのは、前年の覇者・川畑真人選手。
2007年は最終戦で早々に敗退を喫してチャンピオン獲得に黄信号が灯る中、首の皮一枚がつながった状態で僅かに1点差で悲願のタイトル獲得を実現。
2008年はその実力がさらに試されるシーズンとなりますが、順調に角度とスピードのバランスに優れたドリフトでトーナメントを勝ち進んで決勝に至りました。
幸先よい1勝を飾って2年連続のチャンピオン獲得を目指す川畑選手。実はこれまでのD1史上においてタイトルを2回獲得した選手は皆無。当然、2連覇という記録もありませんので、史上初の快挙なるか楽しみなところです。
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