死ぬまで一緒?
希少なタルガボディのカレラ。
非常に漠然とではあるが、自分と同じ「1974年生まれ」のポルシェに乗ってみたかった。名車と言われる73カレラRSは、その名声ゆえに市場価格も高騰していた。“多少の収入”では手の届かないところに行ってしまっていたし、“想い”は強いものの“造詣”は深くない私のような若輩者に、乗りこなす資格があるのかどうかも怪しいと考えていた。そもそも「73」が示す通り1973年生まれだし…
そんな折に、CB&R WATAHIKIさんから勧められたのがこの「’74 carrera targa」だった。
ポルシェの有力な販売先であったアメリカの連邦自動車安全基準に従って、5マイルバンパー(通称 ビッグバンパー)を装着するべく、911の外観に大幅な変更が加えられたのが1974年のこと。モデルチェンジイヤーであることが影響したのか、1974年は911自体の生産台数が少ない年だった。
そんな74年式の911に最高モデルを示す「carrera」の称号を与えられた“74カレラ”は、外観こそ所謂930型であるものの、搭載されるメカニカルポンプ式2.7Lエンジンは、名車と言われる73カレラRSと全く同じ「91166」型。しかも、生産台数に至っては73カレラRSの1580台に対して、74カレラのタルガトップは630台(クーペボディは1554台)と、マニア垂涎の希少性も申し分無し(?)。
近年のタルガモデルは下位グレードの911にのみ付与され、997タルガも他のモデルに比べると足回りもソフトな方向にセッティングされていると聞き及んだことがある。しかし、この時代のポルシェは、タルガにもcarreraが存在し、立派なオープンスポーツモデルとして存在していたと推察する。
1976年以降の911は、ボディ全体に亜鉛コーティングを施すことで防錆性を得ていたが、1975年モデル迄の911は、錆腐食の酷い個体が多いのが実情である。紹介された個体は、これまで雨の日は全く乗らないというほど25年間大切に乗られていたもの。多少のモディファイは加えられていたが、オリジナルをほぼ保ちつつ、車両状態は良好とのことだった。
この911 carrera targaを、オリジナルに復元していく作業が、私に課せられた使命である(汗)。
エンジン・ミッション周りはひとまずOK。タルガトップも気になる劣化なし。
ボディカラーは、元色がオレンジとのことだったので、オールペイント。
リアフードはウィング無しに。
フロントは(私の好みで?)ダクト、フォグランプ無しのスッキリ仕様。
破れのあったオリジナルのシートをリペアー。
サイドミラーは、carreraのブラックタイプ入手困難で、ひとまず74~75年式の角型メッキタイプに。
ホイールも16インチ→純正サイズの15インチへ
これらの作業は全てCB&R WATAHIKIさんの提案・施工で行われた。
参考サイト:
空冷ポルシェのモデル別生産台数 http://www.prestige-tokyo.jp/air-cooled3.html
Custum Build & Restration WATAHIKI http://www.cbr-watahiki.com/