
オイルリングに指では動かない程度の固着有り
シリンダー内面それぞれは目立った傷は無し
X:クランク軸方向 Y:回転方向
ボア内径実測値
#1 上 X: 86.09 Y: 86.07 下 X: 86.10 Y:86.08
#2 上 X: 86.09 Y: 86.07 下 X: 86.10 Y:86.08
#3 上 X: 86.08 Y: 86.07 下 X: 86.09 Y:86.08
#4 上 X: 86.10 Y: 86.07 下 X: 86.09 Y:86.08
通常はシリンダー内の回転方向が摩耗しがちなのですが、このENGは逆・・・
グレード2のピストンが入っていたので新車時は86.01~88.02だったはずなので、大きいところで0.8㎜もの摩耗が起きています。
すべてはオイルメンテナンスの悪さによるものだと考えられます。
従って新品G3のS15ピストンに交換し、シリンダーはホーニング加工を外注依頼することにしました。
ピストンはモリブデン焼き付け加工がなされていて且つ重量が軽いSR20VET用の物に魅力を感じましたが、その場合
・ピストンかコンロッド小端部に加工を施さねばならず強度が落ちること
・ピストン上面の形状が変わってしまい、DETの燃焼室との相性に疑問が残ること
すなわちVETヘッドありきのピストンであるだろう事から、今回はS15ピストンでいくことにしました。

シリンダー上面に歪み無し

クランクも目視上問題なしでしたが、念のため曲がり点検とダイナミックバランス取りを外注依頼

オイルポンプに方当たり有り 10万㎞走行している事もあり新品に交換

メインベアリングにも問題なし
ヘッドボルトは強化品を用いず、純正をそのまま使用します。
強化ヘッドボルトを用いる主な理由はガスケット抜けを起きにくくするためだと考えられます。
強化というのはボルトの外径を大きくして締め付け時の面圧を高めることにより標準より大きなトルクをかけられるようにする事だと思うのですが、
・SR20はアルミブロックであり過大なトルクにネジ山が耐えられなくなるリスクが高まります。
一旦ネジをなめてしまうとヘリサートを挿入しなければならず標準でも低めのトルクしかかけられません。従って当初の目的が本末転倒と言うことになりかねません。
・規定から外れたボルトが混入していたりすると、それを締めこんでいくことでシリンダー内面に歪みが出ることがあります。
これを防止するためにダミーヘッドを取り付けてボーリングホーニングを行うのですが、歪むリスクを全て取り除くことは出来ません。
一言で言えば、強化ヘッドボルトはガスケット抜けを防ぐための必要悪ということになります。
まあこの辺はSHOPさんそれぞれの考えもあるでしょうし異論もあるでしょうが、今回はブーストも過度に上げる予定も無いようですし、ヘッドボルトは純正仕様でいこうと思います。
ざっと点検した内容は以上です。次回からは組み付けに入りたいと思います。
Posted at 2016/03/15 12:06:44 | |
トラックバック(0) |
S14 シルビア | クルマ