
全体的にはスパイク、そしてガソリン車と比べても走りに関してはそれほど大きな違いは感じない。スパイクの不満である電動パワステの感覚とハンドリングは大きくは変わっていないように感じる。とはいえ乗り心地の良さについてはその違いはかなり大きく、ガソリン車と比べても価格なりの価値はあると言ってもいいかも知れない。ただ全体的な演出やイメージ的にあくまで「フツーのクルマ」という感じでしかなく、個人的には内装の質感やロードノイズ、乗車人数と積載性、バッテリーによる足元の狭さなどを総合するとやはりどうしても割高感は拭えないところである。
が、これだけ売れているのだから当然メーカーとしては正解ということになるのだろう。「モビリオ」から始まった新しいコンセプトは自ら市場を切り開いてきたのである。そう考えると、開発陣の姿勢は評価に値すると思う。
しかしここまで売れるということは新しいコンセプトが評価されたと考えるより、まさに「フツーのクルマ」として万人に受け入れられたという考え方の方が自然だろう。価格についてもこれが適正なのだということに当然なるのである。この「フツーのクルマ」に対し価格がどうだの走りがどうだのという事自体、もはや無意味だろう。走りがいいのが希望ならそのようなモデルはちゃんと用意されているのであり、その対価を払って「ModuloX」を買えばいい、それがメーカーの答えである。