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2019年11月30日 イイね!

EVと軽自動車の今後についての感想と妄想

業界の実情も経済も全く知らないおっさんの、単なる「感想」と「妄想」である。

去年の北海道での大停電と今年の千葉県の長期停電で、電気自動車やプラグインハイブリッド、ハイブリッドが停電時の非常用電源として有効だという情報がネットによく出ているので感想。

自分も車載用インバーターで1000Wレベルの炊飯器やポットに対応しようといろいろ検索してみたところ、いくら高出力のインバーターでもそもそもクルマのバッテリーと発電機の限界が低いため、やはりEVやPHV、HVには到底敵わないようだ。バッテリー容量的にはEV、PHVがダントツで、HVではエンジンによる充電が必要となり、車載用インバーターでは3000rpm程度でなければ発電量がバッテリーの電圧低下に追いつかないらしい(もっと詳しい情報には辿りつけなかったのでこれから先は自分で試してみるしかない)。
そこでふと、エンジンがない、つまり発電機がないEVはどうなるのか?という疑問に突き当たったところである。

今回の千葉県のように数週間停電が続いた時はどうなるのだろうか。
というか、うっかり充電切れとなった時どうするのかということすら今まで考えたこともなかったので検索してみたところ、現時点では充電スポットまでロードサービスによりレッカーするしかないということのようである。移動充電器というものもあるにはあるようだがまだまだ実用段階とは言えないようだ。
ということは仮に自宅のすぐそばに充電スポットがあったとしても、自宅が停電している場合は同様に停電している可能性が高く、停電あるいは被災していない区域の充電スポットまで行ける電力を残しておく必要がある。
エンジン車の場合、道路が寸断されることによりタンクローリーによる運搬ができずガソリン等燃料の供給が一時的に止まることはあるが、そもそもガソリンスタンドには一定の貯蔵があるというところが電気とは違う点だ。貯蔵を使いきったとしても道路の仮復旧にかかる時間は通常長くても一週間程度だろう。自家用車においては、仮にその間に燃料を使い果たしてガソリンスタンドまで走行できなくても、数リットルから20リットル程度の燃料を個別に運搬することは容易であり、そうすれば最大200km程度は走行可能である。
そもそも停電時は給油装置が動かないという話もあるが、非常用発動発電機を備えている所もありまた最悪手動でも給油自体可能ということなので、対応の幅はそれなりにあるようだ。ということはEVの場合も発電機を備えた充電スポットが必要だし、またバッテリーをユーザーが運搬、交換できるものにすれば災害時対応の幅は広がるだろう。もちろん、非EVより明らかに優位なレベルまでバッテリー容量が向上すれば問題ないということにはなる。

そう考えると少なくとも現段階でEVを購入することは、クルマを一台しか所有しないごく一般的なユーザーにとってはデメリットしかないといって間違いない。よほど新しもの好きで経済的余裕がある者以外に合理的選択肢であるとは到底言い難い。
今時フツーに使っていてガス欠することなどまずないのだからEVも何ら変わりはないという言い方も見られるが、ガソリンスタンドと充電スポットの数の違いは平時もさることながらやはり災害時には問題が大きいと言わざるを得ないだろう。
となればやはりHVまたはPHVが理想的なのだが、問題は価格である。

現在、軽自動車がこれだけ販売台数を伸ばしているのは、単に大衆の経済力が低下したからだけでなく絶対的にクルマの価格が上がっているためであり、HV化の進行も価格を引き上げている一つの要因かもしれない。コンパクトカーはダウンサイジングの受け皿となり比較的経済力のある者の選択肢となったため、それでもHV化はどんどん進行している。車両が30万円以上高く、現在の燃料価格では年間数万km走行しなければ燃費向上分を回収できないにもかかわらずである。結局現在の電動化の流れは資本側の論理とそれを支持するユーザーによるものであり、そのような方向性から考えれば次に来るのは軽のHV化ということになるだろう。

20年前、軽は燃費が悪かった。マニュアルトランスミッションでも1500ccクラスのコンパクトカーの方が全然良かったのである。これはいくら軽の車体が軽くてもエンジンの排気量が相対的に小さすぎるからだといわれていた。
だが現在、車体は大きく重くなったにも関わらず燃費は比較にならないほど向上した。現実的には20年前のコンパクトカーのMTのレベルだが、それをAT(広い意味)で実現しているのだから、軽以外と比べれば格段に向上したといっていいだろう。これはCVTとコンピュータ制御の進化によるものだそうだが、それ自体は軽以外も同じことであり、軽という規格、条件ではその効果が高かった(逆に言えば元々悪すぎた)ということになるのだろう。ということは、これは完全に素人考えだが、もしこれにモーター制御が加わればさらに燃費が改善するのではないかと思う。
技術的にはバッテリーの搭載スペースと重さが問題となるハズだが、開発手法としてはこれまでのやり方の延長でしかなくそれほど難しい問題ではないだろう。確かに搭載スペースについてはコンパクトカー以上に難しいのかもしれないが、バッテリーそのものもおそらく小型で済むはずであり軽自動車特有の問題という訳ではないハズだ。
重さについてもかつてに比べ明らかに増えており特別な問題だとは言えないし、あったとしてもタイヤのコストの問題だけだろう。
ということは軽のHV化最大の課題は技術ではなくやはりコストであることは間違いない。おそらく軽ユーザーはコンパクトカーユーザーに比べ経済的にシビアなハズであり、燃費改善分を回収できないHVに価値を見出すかどうかは不透明だし、またメーカーにとっても軽は利益率が低くコスト的にはやはりシビアなハズある。

そもそも軽自動車は「規格」「規制」によって存在するのであって、業界と行政によって作られたもの、つまりどうにでもなるものである。
元々日本が自動車を基幹産業とするため、更に所得者が低い者にも売るために様々な行政的優遇措置を設けたものであって、あくまで「底辺」の拡大がその存在意義である。また戦後の復興期には自動車メーカーの育成と棲み分けという意味もあったのかもしれない。
メーカー、業界としてはそれで一定の利益を確保し、全体としてみれば当然プラスとなっていたワケだが、軽自動車がそれより上の価格帯のクルマの売上を圧迫し始めると大メーカー、ひいては自動車業界の利益が減ることに繋がる。なぜなら軽は利益率が低いからであり、成熟した資本は利益率の高さを追求しなければならないのだ。
また軽の比率が更に上昇すればそもそも「規格」としての存在意義である「底辺」でもなくなってくるワケで、理屈上行政的にも問題となりかねない。自動車税の問題が正にそうだが、そうなれば規格そのものの「廃止」という議論が浮上してくるのは当然だろう。

軽とそれ以外の両方を生産販売しているメーカーの場合、もし軽を売りたくないのであれば開発費をかける必要はないし、そもそも選択肢としてのコンパクトカーとの差別化を明確にすればいいハズだ。ホンダはN-BOXを売りたくないのであれば品質を下げればいいということになり、もっと言えば撤退すればいいのだ。軽を事業の主体とするダイハツ、スズキについては軽が売れている現状は他メーカーより有利ということになるハズだが、以前から軽以外も生産しているし、またホンダも含め経営の安定性を求めて自社で両方生産しているということになるハズである。またダイハツは以前からトヨタ傘下で資本関係により経営を補完しており、最近完全子会社となった。スズキにしてもグローバル化は既に当然のことであり、国内メーカーにとっては軽という商品、規格が完全にガラパゴス化していることは間違いない。そもそもグローバル市場では規格云々以前にほぼ存在しないカテゴリーであり、縮小市場である日本限定商品にはとてもコストをかけてはいられないハズだ。
ただ現実問題として規格が存在し一定のユーザーがそれを選択するとなれば、付加価値を高めて利益率を上げるのか、市場を捨てるのかというのは難しい判断となる。結局現在は各メーカーとも付加価値を高める戦略をとっているが、おそらくそれは国内ディーラーにとってまだまだ軽が必要だからということになるだろう。
国内ディーラーにとっては安定経営のため商品展開にはある程度幅が必要であり、軽が売れる限りなくなるよりはあったほうが当然いい。利益率が低い軽ばかり売れるのはやはりいいことではないが、それはその上のクラスの魅力がなくなったからではなく価格が上がったせいであり、今後もこの流れが変わることはおそらくないだろう。いずれにせよ今後10年ほどで国内市場が更に縮小しディーラーの淘汰が進めば、メーカーが軽もディーラーも捨て完全に日本を捨てる時が来るハズである。
ただそれまでの間はディーラーを喰わしていくため、特にホンダと日仏連合は現在の高付加価値化の流れを進めるしかないだろう。そうなれば次に来るのはやはりHV化だと思われるが、今の所息を潜めているように見える。もしかすると今後のEV化の流れに伴い一足飛びにEV化を目指しているのかもしれないとも思わなくもないが、やはり廃止も含め将来的な規格上の方向性を探っているのだろう(ただ逆に電動化などではなく成熟した既存の技術で商品性の向上を図っているようにも思われ、かつてのクルマ好きとしてはむしろ魅力的に映ったりもする)。
この辺りはメーカーにとって戦略上大きな問題だと思われるが、これだけマーケティングやバリューエンジニアリングといった情報技術の進んだ時代にあっては、メーカー側としても一定の根拠を持っているのだろう。もしかしたら現在の状況もある程度想定の範囲若しくはコントロールされているのかもしれないと思わなくもない。
とはいえやはり業界にとって軽はもはやジャマな存在でしかなく、仮にダイハツとスズキがトヨタに完全に吸収されれば廃止の方向に進むのは間違いない。ただもし低コスト低価格の軽が生き残るとすれば、逆に今そしてこの先10年が軽主体のメーカーとしてのダイハツとスズキにとって勝負の時なのかもしれない。

仮に軽自動車という規格がなくなったとしたら一体どうなるだろう。

規格がなくなるということは、行政的メリットがなくなるということである。
逆に言えば規格そのものを完全に廃止しなくても、行政的メリットがなくなれば事実上の廃止となる。
行政的メリットが全て失われるとしたら少なくとも我々下級国民からはかなりの反発があることは間違いない。軽自動車の価格自体は既に20年前のコンパクトカー並に上昇しているため、税金の安さがその存在価値の全てといっても過言ではないからだ。また運送業界でも軽は一定の役割を担っていると考えられそちらからの反発もあるかもしれない。
だとすれば、軽に全ての行政的水準を合わせる、つまり車庫証明を廃止し自動車税を大幅に下げるということがユーザーにとっては納得できる形ということになる。税金で言えば軽の10,800円との差は、10月から減税されたとはいえ1000cc以下で25,000円と大きい。軽の水準と現行の段階設定に当てはめれば、1000cc以下15,000円、1500cc以下20,000円というのが妥当な線だろう。であればより純粋にクルマとしての価値観と価格のバランスでクルマの大きさを選択するだけのことである。
あとは業界と行政との勝負ということになり自工会がどう動くのかということになるが、軽自動車税が増税されたのはつい数年前のことであり、どうやら自工会としてはやはり軽がこれ以上売れてほしくない、であれば増税すればいいという考え方のようである。当然行政にとってもその方がいいのは言うまでもなく、ということはやはり今後は軽自体廃止という方向でしかないのだろう。
大衆にとっては自動車の税が減ろうが増えようがトータルで取れるところから取られるだけのことであり、どのみち同じことではある。おそらく酒税法の改正と同じような感じで高税率帯を下げ、低税率帯を上げて間を取るような形で落ち着くことになるのかもしれない。

そもそも軽というクルマ自体、主にその大きさにどこまで需要があるかも問題である。もちろんこの大きさが日本の事情に適していることは現在でも間違いないが、必須ということでもなくなっているのは事実である。ユーザー側からすれば既にコンパクトカーとそこまで大差はないし、エンジンが小さいほうがいいということは当然なく、税金と価格が選択理由の大部分を占めているハズである。となれば軽がなくなれば単純に現在の1000ccクラスのコンパクトカーに置き換わるだけということになるのかもしれない。
そもそもメーカーにとってはその日本が重要でなくなったのであり、コストカットのために軽を廃止したいのであって、新たな市場として前向きに捉えているワケではないのだから、ユーザーの動向を見極めつつ生産を縮小していくハズである。
おっさん個人としては、クルマとしての開発の自由度が上がるワケでもしかしたらそこに有意性が潜んでいるかもしれないし、これまで悪かった車重とエンジンのバランスを最適化することができるかもしれないし、更にはHV化も進むかもしれないし、そうなればこれまでは全く考えられなかったグローバル市場への展開も可能なのではないかと思ったりはする。世界はエコブームであり今後小型車の需要が増えるかもしれない。それが現在の軽(クラスの小型車)が生き残る唯一の方法だと思うのだが、おそらく相当希望的観測なのだろう。

ホンダが予てから話題の小型EVの市販を発表したが、価格は350万円だそうである。
またほぼ同時に軽トラからの撤退も発表された。
電動化は、現時点では高所得者の趣味でしかない。
言うまでもなく大多数の軽ユーザーは、これ以上値上がりすることは一切望んでいないハズだ。コンパクトカーとは違いHV、電動であるということだけで付加価値を得られるような経済感覚の者は少数だろう。
とは言え今後さらに日本の大衆の所得が低下すれば、現在のコンパクトカーがそうであるように、相対的に軽が比較的経済力のある者の受け皿となる、というか既にそうなっていると言ってもいいだろう。軽は廃止され、小型車の価格は上昇することになり、経済力のない者はいよいよ行き場を失うことになりそうだ。そうなれば極端な話むしろ軽より更に下のカテゴリーが求めらることになるが、日本の自動車メーカーにとっては捨てるべき市場であることはもはや明確である。

そうなったとき、例えばセグウェイのようなアメリカ、中国もしくはアジア諸国製の全く新しい低コストの電動「乗物」、ニューネクスト日本製じゃない乗物が軽自動車に代わり大衆の足となる時代が来るのかもしれない。
そうすれば、というかそのような形でのみ、現在声高に叫ばれる「電動化」が末端まで浸透することになるのだろう。
Posted at 2019/11/30 04:12:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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