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2021年09月30日 イイね!

日本のIT化についての感想と妄想(その4)

業界の実情も経済も全く知らないおっさんの、単なる「感想」と「妄想」である。

みずほ銀行のシステム障害に対する業務改善命令において、金融庁がそのシステムを直接的に管理するという趣旨のニュースがあったので感想。

今回のニュースの最大のポイントである「システムを直接管理」するということについて、詳しい中身についてはよく判らないが実際「直接」管理するなどということはまずありえずその意味ではこれまでと同じことであるのは間違いないだろう。
金融庁が監督、指導を強化するという事自体考え方としては当然であり、従来と何ら変わりはなく、その中身としては単にあーしろこーしろ、あれはダメこれはダメ、あれもこれも報告しろということでしかない。
役所が考える「監督」「指導」の類はそもそもそれしかなく、実際これによって何かが変わるということでは全くない、あくまで形式上のモノであり、そのことに意味があるというか、それしか意味はない。
結果として現場は余計な事務と縛りが増えるだけ、組織は忖度が増えるだけで、現場は萎縮し、余計に隠蔽などが増えることもよくあるハナシだ。
ただここまで障害が続くと当然金融庁としても今まで何をやってたのかと言われる側の立場でもあり、もはやこの「直接管理」という形しかなかったということなのかもしれない。
フツーに考えればその分金融庁の責任は重くなり今度システム障害が発生すれば矢面に立たされることになる、正に火中の栗を拾うというハナシなのだが、実際何らかの形で責任を取らされることもなければ、そもそも責任を取るつもりなど全くないというのが今の政府、行政、組織のスタンダードであり何ら支障はないだろう。
実際にシステムが正常化するなどとは金融庁側もみずほ銀行側もその他の誰も思っていないし、そもそもどうなろうと関係ない、つまり全ては「やってる感」である。
みずほ銀行にとってこのシステム障害が問題となるのは、信用の低下による顧客の流出という一点でありその点において顧客にアピールするにはこの形以外ないだろう。つまり金融庁がみずほ銀行のためにやっているのは言うまでもなく、みずほ銀行側から申し出たことかもしれない。それが行政と業界の関係であり省庁のビジネスモデルである。

もう一つ、「システムを直接管理」となれば、金融業界だけでなくIT業界をも「直接管理」することになるとも言える。
件のシステムは日本の最大大手4社が手がけているということだが、これらの大手ベンダーに対しても金融庁が自らの影響力を「直接」行使しようとしているということになるだろう。そう考えるといま何かと話題の「デジタル庁」に自らの縄張りを荒らされないよう、事前に各省庁が動きを強めているということなのかもしれないとも思わないでもない。
少なくともIT敗戦後のこの20年、役所が口を出してうまくいったことなど一つもないし、今後もそうなのは間違いないだろうが、当の役人達自身にとっては立派な行動原理であり、ビジネスモデルである。今回の障害に対するみずほ銀行側の報告が「原因不明」ということもあり、だからこそ金融庁がそこに切り込んで原因を究明するのだという理屈も成立はするが、実際にそのようなことができるハズもなくあくまで大義名分、体のいい口実に過ぎない。

今回の障害の原因は不明ということなので、おそらく同じようなシステム障害は起こり続けるだろう。
本当に不明かどうかも判らないが、みずほ銀行が、というかシステムベンダー4社が不明と言えば、他の誰も原因を究明することはできない。
実際問題このシステム障害がこれだけニュースになったとして、それが彼らにとってダメージとなるかと言えば、そういうことでもない。
大手ベンダーですら、というか大手であれば尚更、実際の業務は無数の下請が行っているということであり、ベンダー本社に中身を分かっている人間などいないというハナシもある。
ただシステム障害自体はたとえ世界の巨大ベンダーであっても避けることはできないものであり、要は程度問題である。
世界的に見てこのシステム障害がどの程度の水準なのかは正直全くわからないが、もしかしたら殊更騒ぐほどのものでもないのかも知れない。
みずほ銀行にとっても、顧客が流出したとして経営全体における一定の範囲内であれば特段問題はなく、今の所一般の顧客もわざわざ別な銀行に乗り換えるほど大きな問題として認識している者は実際そこまで多くはなさそうである。というかみずほ銀行のシステム障害はもはや誰もが知るほど有名であり、最初の発生から既に10年近く立っているのだから、これが致命的問題であるのならとっくにそうなっているハズだ。つまりみずほ銀行としてはこの程度のシステム障害は現実的にほとんど問題ではないのである(今回の障害はATM関係ということだが、今後はATMがどんどんなくなっていくとハナシもあり、実際既に影響がそれほど大きくないという判断もあるのかもしれない)。
そもそも巨額の費用を投じて新しいシステムを作ったばかりで、もう一度一から作り直すなどということは誰も考えないだろう。
どのみちいつかはシステム自体が完全に古くなり新しいものに置き換える時が来るし、もはやみずほ銀行自体がなくなるのとどちらが早いかという問題である(とはいえ銀行本体がなくなったのにシステムだけ生き残った結果がこの問題の原因だったのだが)。

これは日本の組織、あるいは日本人そのものを象徴するかのようである。
不具合を抱えたまま巨大化したためもはや修正することはできない。
不具合を修正しなくても当面はそれほど実害はない。
実害が大きくなって初めて本気で原因を調べたところで、本当に判らない。
原因が判らないので対応できず、時代、環境によって淘汰される。
淘汰とは生物の進化と人類の歴史そのものであり、絶滅と生き残りの結果でしかない。
我々日本人は、日本の組織は、もはやその時が来るのを待つだけなのである。

組織を動かす立場の人間にとって、組織がどうなろうと大した問題ではない。
大半の者は既に相当の利益を得ているし、危険を察知すれば逃げ出すこともできる。
よほどのことがなければ責任問題になることもないし、その対策も随分進んだ。
もう随分順番待ちの長い列に並んできたのだから、何とか順番どおり上がりを目指す以外考えられない、正に「ババ抜き」のようなものだ。
そもそも組織とはそういうものであり、いいも悪いもない。
そして全てが組織の論理に収斂した今の日本社会そのものなのだ。
少数の有能な人間はそのことをとっくに理解している。
大多数の愚かな大衆はそのことを今からでも理解するだけでいい。
自らの利益を求めゲームに参加するか、そもそも無駄なゲームに参加しないか、どちらか選べばいいだけである。
Posted at 2021/10/03 07:05:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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