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2022年02月28日 イイね!

クルマの平均使用年数とウクライナ危機とEVシフトについての感想と妄想

業界の実情も経済も全く知らないおっさんの、単なる「感想」と「妄想」である。

2022年1月末、自工会会長が記者会見で現在日本人の新車から廃車までの期間が平均15年超となったことに触れ、「10年になれば市場規模は年間500万台から800万台になる」と発言したというニュースがあったので感想。
元クルマ好きにとっては「またか」という感じであり、すぐにネット上に記事が溢れると思っていたが、実際には全くと言っていいほどメディアの反応はない。
当然このことには理由があるハズであり、その辺も含めてじっくり考えてみる。

ネットによるとこの発言は岸田文雄政権が掲げる「成長と分配の好循環」に対するものである。
同時に自動車関連税制についても自動車関連税の半分を占める燃料に対する課税分が脱炭素化で減少するとし、この分を自動車に振り向けることについて「ユーザーの視点から、絶対に避けていただきたい」と発言したとのことだ。

まずこれは先の見えない日本市場に対して、自工会会長の立場での発言のであることは言うまでもなく、そしてそれは「それしか市場を拡大する方法はない」という事実を述べただけのことである(と思う)。
日本人は少子高齢化に加え、世界と比べ相対的に貧乏になる一方であり、市場は縮小するしかない。そんなことすら認識していないどこかの誰かに向かって「バカなの?」と言っただけだ(と思う)。
今は正に100年に一度の変革期だ。が、その中心であるEVや自動運転と言えど、仮に普及が進むとしても単にこれまでどおり買い替えのタイミングで入れ替わるだけであり、新たな市場となるワケではない。ましてシェアリングなどの「MAAS」が進むことは、おそらくメーカーにとっては密かに最大の脅威だろう。
また税制に関しても今後当然起こるであろうことを言っただけである。
業界側からすれば国内市場だけがその負担を大きく担っているということであり、それは牽いては日本メーカーの競争力の足かせになる、そうなればメーカーはますます日本を離れることになりかねないということなのかもしれないが、こと日本国内に限ってみれば別に今までと変わるワケではない。
どのみち政府にしてみれば自動車関連という大枠の中で取れるところから取るだけのハナシであり、何を言ったところで特に変わることもないだろう。

一方ユーザー側からすれば、貧乏になる一方、年金も医療も先細るのが見え見えの中、クルマを買い換える頻度が上がるハズもない。価格が安くなるのならまだしも、世界はインフレ、クルマの価格は上がる一方であり、それこそ「何言ってんの?」というハナシである。
ましてこれだけ再生エネルギーだのサステナブルだの言っている中、クルマの使用期間をメーカーや政府の施策によって意図的に短くするなど、正当化できる余地は一つもない。過去の例からするとトヨタが案外ホンキで10年で廃車にしようと考えている可能性も充分にあるとは思うが、今の御時世さすがに、常識的にあり得ないだろう。

だとすれば、こんな判りきったことを、なぜ自工会会長は発言したのだろうか。
この発言に対して、誰が、どのように反応すると考えたのだろうか。
自工会会長がなんとなく発言した可能性もゼロではないが、フツーはそんなことはあるハズもない。

タイミング的には、EV絡みであることは容易に想像できる。
昨年12月にはトヨタが大々的にBEV戦略を発表したところである。
EV市場はとにかく政府の補助金次第であり、おそらく現在その辺の業界と政府との攻防が大詰めを迎えている真っ最中なのだろう。
税制のハナシもセットだったことなどを考えれば、JAFからも同じようなタイミングで同じようなハナシが出ていたことからも、政府に対しての圧力であることは間違いなく、使用期間についてはあくまでそういう「ハナシ」でしかないというところだろう。
またEV化によりいずれはクルマの価格が現在の半分になるというハナシもあるが、だとすれば単純計算で保有期間が今の半分になれば市場規模は維持できることになる。BEVであればバッテリー寿命の関係もあるし、その辺のアレコレを全部引っ包めてコントロールしようということなのかも知れないとも思ったりもする。

また、これもタイミング的には政府の賃上げ要求に対して「何言ってんの?」的なことだった可能性もある。
日本市場はとっくに終わっている中、ましてコロナ、半導体不足といった混乱の中グローバルで利益を出し続けてきたトヨタ、自工会が、日本政府あるいは我々下々に対し「あ?」「賃上げ?」ということなのかもしれないとも思わないでもない。経団連としても、モゴモゴとではあるが「賃上げ」と言ってしまってる以上、自工会があまり直接的な言い方する訳にもいかないのだろう(とここまで書いた後でトヨタが春闘で満額回答というニュースがあったので念の為注釈を入れておくが、これはこれでいろいろある)。
マスコミも、そもそもその程度の中身であればどう反応していいのか判らない、反応しようがない、特に中身もないし何も言わないほうが無難という、まさに忖度そのものといったところだろう。
ニュースを見た時はまた騒ぎになるだろうと思ったのだが、よくよく考えてみると大したことはない、結局おっさん的にもこのハナシはここで終わりである。

ところで2月末現在、ガソリン価格の高騰はおっさん的に最悪だった2008年(平成20年)をついに超えたようだ。が、基本的にはいずれは下がるものであることは間違いない。
個人的にはそれよりはるかに問題なのは、電気代である。
どう考えてもここ最近の上がり方のほうが割合的には大きいし、その割にニュースでも取り上げられていないというのが個人的な印象である。
また20年前くらい前から流行りだした「オール電化」住宅にまんまと乗せられ後悔している者は、自分の周りには結構いる。
これは少し大げさに言えば、エネルギーという重要な要素にあって何か一つにコミットすることの経済的リスクを顕していると言える。
おっさんが子供の頃から、電力会社は常に「水力、火力、原子力のバランスが重要だ」とPRしていた記憶がある。その頃はまだ「オイルショック」が人々の記憶に鮮烈に残っていたことだろう(さすがのおっさんも記憶にはないが)。ちょっと前に世界から槍玉に上がっていた「石炭」から、現在フランスドイツで混乱している「原子力」に至るまで、要するに「いざ」というときに備えるにはとにかく「バランスが重要だ」という、理屈としては至極もっともなものだった(もちろんホントかどうかは知らないが)。
ただその電力会社が「オール電化」を客に売りつけるのだからタチが悪いとしかいいようがない。その当時はいろいろ優遇料金などもあったようだが、いつの間にかなくなったようだ(ちなみにこれは「日産リーフ」も同様である)。まして電気代は(石油ほど急激な変動はないものの)上がる一方だ。
そう考えるとEVについても、とりあえず購入補助金の増額やもしかしたら電気代まで何らかの優遇制度が設けられるかもしれないが、しばらくしたら剥ぎ取られるのは何となく予想できる。
ガソリン代が高騰してるからこれからはEVだなどという人間もネット上にはいるが、少なくともおっさんの周りにはそこまでのバカはほとんどいない。
フツーに行けば、電気代がこの先安くなる可能性はたぶんない。ただし欧州のように政府がコントロールする、できるものだと考えれば別である、というかそれがまさに今、これからの日本の方向性を大きく握っていると言えるだろう。

アメリカや欧州ではごく最近のインフレで電気代もかなり上がっているという。特に欧州では再生エネルギーへの移行を急激に行った結果電力不安が生じているというし、今回のウクライナ危機でこれらの動きが巨大なエネルギー利権、地政学的リスクとも直接関係していたことが、どシロウトのおっさんでも判るほど明らかとなった(逆に言えばこれまではマスコミも政府もこのようなことは一言もクチにしてこなかった)。だとすればここ数年世界で力を増してきた環境業界(という名の謎の勢力)がその力を失うのか、逆に力を増すのかという点でも状況の変化をもたらすのかも知れないとも思う。
つまりエネルギーとはインフラであり、経済であり、牽いては国防だという、環境問題などとは全く別の次元のハナシなのだ。
まあ所詮何が本当の原因なのかなどおっさんには知る由もないのだが、一つ言えることは、やはり重要なものほど何か一つに依存することは危険であるということだ。
だとすれば、仮に欧州の脱炭素と電力不安の原因がカネと権力のパワーゲームだとしても、EV絶対説はやはり詭弁だったと言っていいだろう(今までが石油にコミットし過ぎていたのだという基本的な認識は当然あるとして)。
もちろん少なくとも自動車市場としての欧米と中国は絶対であり、メーカーはそこのルールで闘う以外にない。が、逆に日本市場はメーカーと政府がコントロールできるのだから、それこそEV絶対化というコミットメントのリスクを回避する存在としての重要性を認識するべきだろう。
単なるユーザーとしても、結局後で取り返される一時的な経済的メリット以外に魅力がないBEVより、ガソリンもディーゼルもハイブリッドも含めた多様な選択肢がある方が断然いいのは言うまでもない(そう考えるとPHVが最強なのかもしれない))。ましてそんなことよりも日本の国防にまで及びかねない重大な問題なのだ、というのはちょっとハナシがトビ過ぎかも知れないのでこの辺でヤメておく。

今回の自工会会長の会見では、BEVへの本格参入を発表したソニーに対して「お待ちしている」と発言したそうだが、既存の自動車メーカーからすれば、EV化で参入障壁が下がるとすれば、それは悪いことでしかないハズだ。
だとすれば、安全性や耐久性、部品の供給年数や整備体制を厳格にすることで技術的に参入障壁を維持するということは、充分正攻法だろうと思う。ユーザーからしても、クルマは命を預けるモノであり、単に安ければいいというものでもない。
近い将来、大衆はスマホとバッテリーにタイヤが付いたような、電動カートに毛が生えたような安物EVしか乗れなくなるとすれば、極端に言えば命の格差と言っても過言ではないだろう(もちろん安全性の規制は別のハナシであり、少なくとも現時点ではそれが緩むワケではないが)。そういう意味では、ヘタに耐久性を下げる方向に市場、制度を誘導することは、既存メーカーにとっても自分の首を絞めることになるのではないかと思ったりもする。
「ソニータイマー」でその製品力が地に落ちたかつての名門企業は、凋落した電機産業を切捨て、金融、コンテンツなどの虚業に乗り換えることでグローバル資本主義で見事に復活したということのようだ(言うまでもなく相当のリストラも行っているハズである)。おそらく彼らが作るEVも、しっかりとタイマーが作動することだろう。
やはりBEV化でクルマの寿命は相当短くなる方向に向かうと考えられる、つまりここでもSDG'Sだのなんだのという環境問題とEVシフトの真実は真逆であり、詭弁であるといって間違いない。

元クルマ好きとしては、少なくとも30年前から普通車NAで20年20万キロが一つの目標だったし、若者はさておき当時でもファミリーカーであれば10年くらいは乗ってそれから買い替えを考えるという感じだったと思う。
日本車は当時から、修理して乗るものと思ってさえいれば15年くらいは当たり前に乗れたし、外車に比べればそれでさえ定期的な部品交換くらいの感覚のものだった(金額的にはそこそこ大きいものもあったが)。
ネットによるとクルマの平均使用年数は昭和50年、1979年で6.72年、1996年でようやく9年を超えた程度だが、90年代終わり頃から一方的に伸びている。このことからも容易に判るように、これは偏に消費者の経済問題、つまり所得の減少が原因であることは言うまでもない。
おっさん個人としてはこの数字、30年前で10年に届いていないこと自体が驚きではあるが、確かに「みんカラ」を見始めた頃(5、6年前)は、例えばモデルチェンジごとに乗り換えるというような人間がまだまだ大勢いることに呆然とした記憶がある。
多くの日本人は、15年も乗り続けるなんて時代は変わったなあと思っているのであり、20年は全然乗れると胸を張ったかつてのトヨタ車も今は昔かあなどと郷愁に浸っているのは自分だけのようだ。そう考えれば、ネットのニュースでこの件についてほとんど反応がないのも全く不思議ではないのだろう。

それはさておき、いずれにせよ将来的にはやはりEVが主流となるのではないかと思う。
そしてガソリン車もしばらくはなくならないと思う(ガソリンスタンド次第だが)。
どのみちこれからはただただ「彼ら」のパワーゲームに振り回されるだけのことだ。
貧乏人はEV、金持ちはガソリン車、そういう時代がある程度続くだろう(ガソリンスタンド次第だが)。
どのみちクルマ好きにとっては、クルマの時代は終わったのである。
Posted at 2022/03/01 06:20:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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