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2022年07月25日

20年の差はやはり大きいか

20年の差はやはり大きいか
レビュー情報
メーカー/モデル名 BMW / 3シリーズ セダン 320d Mスポーツ (2013年)
乗車人数 1人
使用目的 通勤通学
乗車形式 レンタカー
総合評価
おすすめ度
4
満足している点 使い方の問題かもしれませんが、17万km走行・9年落ちとは思えない程度の良さは高品質の裏づけと言ってもよいのではと思います。E36から20年分の進歩を感じるところです。
不満な点 極太小径のステアリングホイールが象徴する、繊細さに欠ける操縦性は残念です。そのステアリングホイールもシート中心線に対して左へ20mmほど明らかにオフセットしているところも(G20型は改善されたようですが)、右ハンドル版軽視の姿勢が見てとれます。
総評 代車として2013年式・走行約172000km(!!)の個体を4日間ほどお借りしました。

以前お借りした初代1シリーズと全体的には似通った印象で、視界の良さなどにBMWの伝統を感じるところはありますが、時代につれて機械としては進歩したものの操縦性の方向性が変わってしまったのは寂しさを感じます。

1台の中型ディーゼル乗用車としては全体的に洗練度も高くてよく出来ていると思いますが、BMW車としてみるなら星を1つは減らしたいところです。
項目別評価
デザイン
☆☆☆☆☆ 3
F系のBMW車に通じることですが、歩行者保護のためエンジンと間隔を開けざるを得ず一段高くなったボンネット中央部は特に横や斜め後ろから見ると非常に違和感があります。
走行性能
☆☆☆☆☆ 3


エンジンは日本仕様3シリーズとして初採用となるディーゼル(2.0L直4DOHC直噴ターボ)のN47D20C型です。
最大出力とトルクはそれぞれ184PS/4000rpm・38.7kgf-m/1750~2750rpmで、1500rpm以上回っていれば1550kgのボディを軽々と加速させる力があり、実用上何ら不足はありません。


組み合わされるのはZF製の8HP型8段ATで、かねてから耳にしていたとおりそのよくできた制御はさすが「BMWの」8HPといえるものです。
変速操作の敏速さはもとより、実は極低回転域では燃焼がうまくいかず力の出ないディーゼルの弱点をうまく隠すべくなるべく1000rpm台前半を使わせない変速スケジュールなどは実にうまく仕付けられています。
4000rpmを超えたあたりで自動シフトアップが起こりますが、ギアを固定してそれ以上回してみてもスペックどおり頭打ちとなるので、設定は当を得たものといえるでしょう。
以前乗った初代1シリーズも同じZFの6段ATを積んでいましたが基本的な変速アルゴリズム自体は似通った感じで、極端に燃費に振らずドライバビリティを担保した印象で好感が持てました。
燃費と性能の間を大振れして時に不器用なところを見せるアウディのSトロニック(DCT)や、はたまた同じ8HPを使いながらも同様なジキルとハイド的な二面性が下品だったジャガーFペイスあるいは変速にやや粗野なところが見えたアルファロメオ・ジュリアとは、洗練度は月とスッポンと言っても過言ではありません。

4段階に設定できる運転モード切り替えも少し試してみました。一番過激?な「SPORT+」でもスロットル開度曲線は常識的な設定でしたが逆の「ECO PRO」でも同様で、エンジンの反応の悪さに苛立つほどではありませんでした。標準設定ではエアコンの効きも弱くなりますが、iDriveでエアコンだけ通常動作にもできるので、これなら我慢はいらないと言えます。

走行性に関しては1つ意外だったことがありました。
ややぬかるんだ砂利の駐車場からそこそこ急な上りでゆっくりと出る途中に大きめの段差を乗りこえるとき、段差に前輪が当たったところで左後輪が空回りして進めなくなりました。ちょっと後退して勢いを付けたらクリアできたのですが、「今どきのクルマはVSCが空回りしたタイヤにブレーキをかけてくれるもの」と思いこんでいたので釈然としないところは残りました。もしかすると低速では無効なのかもしれませんが。


ブレーキは短めのストロークで効きが立ち上がる設定ですが、前述のいたずらに低回転に押さえつけないATのしつけの良さとも相まって特にコントロール性に問題は感じませんでした。


電動パワーステアリングの印象は初代1シリーズ同様で全体的に手応えが薄く、微舵領域で中立に押さえつけようとする人工的な力が感じられます。やや小径のステアリングホイールはリムもやたらと太く(測ってみたら直径方向30mmはまだしも前後方向は40mmほどもありました)、操舵感は「繊細」というしかない私のE36型M3(径はともに30mm前後)とは正反対です。Mスポーツ版だからかとも思いましたが、いろいろ画像を見る限りトリムラインによる差はなかったようです。


前ダブルジョイント・ストラット式/後5リンク(マルチリンク)式のサスペンションはタイヤが極太なこともあってかやたらとリアが踏んばる印象で、コーナーはFWD的にとにかくステアリングで曲げていく感じですし、高速道路の車線変更などは「カニ歩き」のようです。安定しているといえば確かにそうですが、M3のまるでケープかマントを翻すような鮮やかな舞いとはこれまた正反対です。


全長4.6m・幅1.8mのボディの見切りや取り回しは良く、Aピラーが立ち気味で太すぎず前方視界が良好なのも初代1シリーズ同様です。
乗り心地
☆☆☆☆☆ 4
タイヤは前がピレリのCINTURATO P7(225/40R18、2017年35週製造)・後がコンチネンタルのContiSportContact5 SSR(255/40R18、2015年37週製造)でした。前後で銘柄が異なるのはあるいはローテーションできないため前後別々の時点で交換したのかもしれませんが、同じように古いランフラットタイヤを履いていた初代1シリーズとはだいぶ印象が違って、極太サイズにもかかわらず乗り心地に尖ったところはありませんでした。

ブッシュやダンパーの劣化も感じられず(交換歴は聞きそびれました)、およそ17万km走行の代車とは思えないほどしっかりした印象でした。

音については全体的に良く抑えられており、風切り音も気になることはありませんでした。ディーゼルエンジン特有のノック音もジャガーやアルファよりはるかに静かで、ディーゼル車であることを忘れそうになるほどと言ってもよいほどです。

後席は試しに座ってみただけですが空間は十分で、XEやジュリアよりも広く感じられました。
積載性
☆☆☆☆☆ 4
物はほとんど積んでいませんが、トランク容量は標準的で使いやすそうに思われます。室内も収納はあちこちに十分用意されています。
燃費
☆☆☆☆☆ 5
高速(2/3)・市街地(1/3)を延べ233.4km走行して軽油を15.52L消費し、満タン法での燃費は15.04km/Lと出ました(エアコン使用)。ほぼ同じ使い方でXEのディーゼルが13km/L程度だったのと比べるとはっきり優秀に思えます。
燃料タンク容量は57Lと標準的なところです。
価格
☆☆☆☆☆ 4
内容を考えると、当時の新車価格514万円は相対的には高くないようにも思います。
その他
故障経験 3日間の使用にて、ありません。
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Posted at 2022/07/25 14:00:28

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