
アケビの盆栽の植え替えた。
アケビは春の芽出しが早く、もう蕾が出かかってる。
葉が展開してくる前に、植え替えたい。
新葉が出て、芽が伸びる時期は、水の吸上げも多くなるので、その時に根を切るのは避けたいから。
画像は植え替え後。樹高(鉢の上面からの樹の高さ)は36cm
鉢を一回り大きなものに替えた。鉢の左右が尺2寸(36cm)の鉢で、鉢の高さが11cmほどある。
前の鉢が小さくなったのだけど、新しい鉢は少し深過ぎたのではないかと思える。
捜したものの、適当な鉢が無くて。アケビの大きめの葉が出ると、また印象が変わると思うけど。
なお、この鉢は月刊「近代盆栽」が販売してる中国鉢である。
こちらを参照。
植え替え前の姿は

この鉢は左右が31cm。
植え替え前の正面足元
植え替え前の裏面足元

このように、鉢の縁にギリギリまで根が張ってる。
細い小根は切り詰める事が出来るけど、このような土表面の「根張り」は見せるものなので、なるべく広く張らせたいし、太い根を切断するわけにもいかない。
周囲にもう少し余裕が欲しい。
鉢から抜いた状態。

小根が充満してる。これでも、昨年に植え替えてる。1年でこれだけ根が張った。
外縁の鉢しか使わないようにしてるので、簡単に鉢から抜けるが、これが内縁だったり切立の鉢だと、まず鉢から抜くのに一苦労する。
その場合は、鎌などで鉢の周囲を深く切って、土を掻き出していかなくてはならない。
小根を専用のレーキでほぐして行く。

土表面の根張りは、先の曲がったピンセットなどを使って、丁寧に表土を掻いて行く必要がある。
根を切除した後の正面。
根を切除した後の裏面。
根を切除した後の底面。
このように充満した小根を切り詰める事で、新たな根が新しい土の中に伸びる。
植物(樹木)を鉢の中で育てる場合、こうして根の新陳代謝を定期的に行う事で、木の寿命も地植えより長くなると言われる。
根の座が大きいと、幹の真下の底面に水が回りにくくなるので、こうして根の間に穴を開けて、ここにも新しい土を入れておく。
これまで、浅い鉢に入っていた事もあり、根の張りも薄く作って来た。
盆栽の場合、横方向への根の張りは必要だが、底面への根は極力、切り詰める。
新しい鉢の底の穴に網をセットして、それも針金で固定しておく。

底穴の網がズレたり浮いたりすると、土がこぼれ出てしまうので、横着せずにしっかり固定しておく。
また木を鉢に固定する為の針金も通しておく。
鉢の底にゴロ土と呼ぶ、荒い粒子の土を入れる。

この土は5mm以上のフルイに残ったものを使用してる。
土の配合は赤玉土、桐生砂、富士砂を、2:1:1位の比率に混ぜたものに、炭も混ぜてる。
炭は用土の酸性化の防止と、内部に微細な無数の空間があり、有効な土中微生物(細菌など)の繁殖場ともなる。
植え土を中央に小高く盛る。

植え土の配合は赤玉土、桐生砂、朝明砂、日向砂(軽石)を、6:2:1:1 位に混ぜたものに、炭を加えてる。
粒子は2~5mm位。小さい方の粒子は1mm以上でもよいが、粉状の微塵は必ずフルイにかけて捨てておく。
なお、朝明砂には、関西に住んでた頃に入手した六甲砂も混ぜてる。
こうした花崗岩系の砂を混ぜると、その角によって根が刺激され、根の張りがよくなるので、松類だけでは無く、雑木盆栽にも混ぜる。
と言われて来たが、今、話題の「放射能」が花崗岩から出ており、根が活性化されるのは、その影響かもしれない。
カルシウム活性剤のCALKITOを入れる。

もうこれは発売されてないみたい。かつて月刊「盆栽世界」で頒布していた。
これを入れるようになって、根の張りが良くなったように感じてる。残りもわずかになってしまった。
木を据える。

少し回転させるように、揺すり込んで、底面に空洞が出来ないようにする。
同時に植え付け角度を決定する。正面に対する左右への回転だけではなく、左右前後の位置、
また前後への角度など、多角的に判断する必要がある。
少し離れて見るのがよい。また正面だけでは無く、側面からも見る。
けど、後から、もう少し、こうすればよかったとか、よく思うものである。
角度がよければ、針金で木を固定する。
植え付け後、木が動けば、伸び出した新根が切断される事にもなり、よくない。
用土を入れ、箸でつついて、空洞がないようにする。
特に根の間に開けた穴にも、入念に土の粒子を突き込む。

用土を入れ終わったら、鉢の側面を手で叩いて、振動を与えて、用土を落ち着かせる。
そして表面をシュロホウキなどで平らにならす。
表面に化粧土を薄く敷く。

化粧土は赤玉土と富士砂を1:1で配合した1~2mmの粒子である。
この前に、小根が表面に出てるような箇所には、水苔を刻んたものを敷いて保護しておく。
今回は深めの鉢に入れるので、無理して表面に出るような小根はないから、水苔は敷かない。
化粧土は本来、綺麗に見せる為のものであるが、表土を落ち着かせたり、細かい粒子でおおって、内部が乾き過ぎる事を防ぐ意味もある。
表面が荒い粒子だけだと、早く乾いて見えるために、水やりが多過ぎるようになる事もある。
植え付け完了後は、なるべく早く潅水する。
ホースの先に付けたシャワーでたっぷりと水をやり、鉢底の穴から濁り水では無く、透明な水が出るまで水をやる。
この後、植物活力剤のHB-101の1000倍液を潅水して終わり。
今回、切除した小根
植え替えの間隔は樹種により異なる。
松柏類は3~5年に1度。雑木類は1~2年に一度という感じか。
桜などは根の張り(伸び)が早く、毎年の植え替えが必要になる。
しかし、根を切り詰めると、その年は根の回復に樹勢が費やされるので、出来れば隔年にしたい。
根が充満して、水の通りが悪くなったり、あるいは経年変化で用土の酸性化や、粒子が潰れて、それによって水の通りが悪くなったりすると、植え替えは必要になる。
この後、用土を新たに作った。数年前に作ったものを毎年使ってきたが、もう残りが少なくなったので。
赤玉土、桐生砂、朝明砂、日向砂、炭などを混ぜあわせて、フルイで微塵(粉)を抜くので、ホコリまみれになる。
5時頃までかかり、雨がパラ付いて来たので、慌てて後片付けした。
夕食は以下のとおり。

豆腐ハンバーグ、肉団子(いずれもレンジでチンするだけ) 豆腐ハンバーグにはポン酢をかけてる。
それに毎日、定番の汁物。マイタケ、エノキ、豆腐、ほうれん草、卵が入ってる。
さらに私はモヤシを一袋、ツユをかけてレンジでチン。
母はモヤシは全く食べないので、仕方ない。