
晴れて暖かい。
乳イチョウの盆栽の芽が動き出し、わずかに緑色が見えてる。
この木は前回植え替えたのが4年前なので、水の通りが悪くなってる。
イチョウはそんなに根が張る植物ではない。値が充満してるわけではないけど、用土の状態が悪くなってる。
それで、今日、この
乳イチョウを植え替える。
画像は植え替え後の姿。
樹高(鉢の上面から)は70cm
本当は雑木盆栽は色鉢に入れたい。
が、予算が付かないので、今回もこの泥物の鉢に収める。
以下は植え替え前の足元の状態。
以下は鉢から抜いた状態。

イチョウの根は独特で、他の桜とかモミジのように1本の根が長く伸びず、細かく枝分かれする。
そんな網の目のような根の先端から、すでに白い新根が出てる。
今回、この鉢に固定用の針金を通す穴を開ける。

最近の鉢は予め固定用の針金の穴が開けてあるのが多い。
この鉢にはそれが無く、これまで、排水用の穴に針金を通していた。
しかし、その穴が四隅に近いため、うまく固定出来なかった。穴から穴へ針金を通すと、根の張りにかからないので。
ドリルの刃先は陶器専用のものを使ってるが、さすがに固く、なかなか開かない。1つの穴に10分近くかかってしまった。これが予想外だった。
先に鉢底の穴に網をセットし、開けた穴に固定用の針金を通しておく。
鉢底にはゴロと呼ぶ、荒い粒子の用土を入れておく。

この土は5mm以上のフルイに残ったものを使用してる。
土の配合は赤玉土、桐生砂、富士砂を、2:1:1位の比率に混ぜたものに、炭も混ぜてる。
炭は用土の酸性化の防止と、内部に微細な無数の空間があり、有効な土中微生物(細菌など)の繁殖場ともなる。
用土を中央が高くなるように入れておく。
またカルキットを入れておく。かつて月刊「盆栽世界」で頒布されたもので、これを入れると根の張りがよくなる。

植え土の配合は赤玉土、桐生砂、朝明砂、日向砂(軽石)を、6:2:1:1 位に混ぜたものに、炭を加えてる。
粒子は1.5~5mm位。小さい方の粒子は1mm以上でもよいが、粉状の微塵は必ずフルイにかけて捨
おく。
鉢の準備が出来てから、土をレーキで解していく。
表面(上面)の根は根張りとして見える大事な部分なので、曲付きのピンセットの先で丁寧に処理する。
根を解し終えた状態。特に根を切ってはいないけど、ほぐれた根は崩れて落ちていくので、こんなふうになる。
根を切り詰めた正面の姿。
同じく裏面の姿。
底の状態。底の根はどんな盆栽でも、極力切り詰める。
鉢にセットし、針金で固定する。

この時、よくゆすりこんで、鉢底が中空にならないようにする。その為にも用土は中心部を高く入れておく。
また木の角度や位置を見定める。正面からだけで無く、側面からも、裏面からも見る。
この時、少し離れて見るのがよい。
この木はまっすぐに植えつけるので、予め回転台の水平を取っておく。また背景には物置の縦線がくるようにして、目安にしてる。
用土を入れ、箸で突き入れる。隙間が出来ないように。

十分に突き込んだら、鉢の側面を叩いて、さらに振動で用土を落ち着かせる。
用土を入れ終えたら、シュロホウキで表土をならす。
この時、表面に小根が露出するような箇所には水苔を刻んだものを敷いておく。
化粧土を敷く。

化粧土は赤玉土と富士砂を1:1で配合した1.5~2mmの粒子である。
化粧土は綺麗に見せる為のものであるが、表土を落ち着かせたり、細かい粒子でおおって、内部が乾き過ぎる事を防ぐ意味もある。
表面が荒い粒子だけだと、早く乾いて見えるために、水やりが多過ぎる事もある。
植え付け完了後は、なるべく早く潅水する。
ホースの先に付けたシャワーでたっぷりと水をやり、鉢底の穴から濁り水では無く、透明な水が出るまで水をやる。
この後、植物活力剤のHB-101の1000倍液を潅水する。
ちなみに、以下がこのイチョウを入手した1992年の姿である。
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Posted at
2012/03/29 23:09:45