池の上に建てられた家／過去の地形から

私はかつて、航空写真から地図を作成する仕事をしてた事もあるので、不動産の広告を見ると、ついその土地を航空写真で確かめたくなる。

今はGoogleマップなんてものがあるので、誰でも簡単に航空写真を見る事ができる。

同時に、その土地の過去の地形を確かめたくなる。

自宅や、これから購入しようとする土地や家がある場合は、そこが過去に何であったか、確認しておく必要があると思う。

以下は先日、新聞の折り込み広告に入っていた、市内某所の売家の周囲の航空写真である。
現在のGoogleマップで見てみると、ごくありふれた住宅地である。


ところが、同じこの土地の1975年の航空写真では、以下のような地形なのだ。


こうした昔の航空写真は「国土地理院」のサイトの「国土変遷アーカイブ」で見る事ができる。

上の1975年の写真で、中央付近にある大きな池に着目して欲しい。
以下のように、現在の宅地の写真と、過去の写真の縮尺を調整して、合成してみると、よくわかる。


さらに透過率を変えてみると。


一部の宅地（家）は、元の池の上に建てられてるのだ。

1975年の航空写真は測量に使う為の精度の高い1枚の画像で、Googleマップは複数の航空写真を継ぎ接ぎしてるので、多少のズレはあると思われるが、少なくとも中央の住宅団地の周辺の池や、ほ場整備される前の田と山の境界線などは一致してる。
（合うように、縮尺や傾きを調整した）

こうした、ある程度以上の規模の住宅団地は、山を削り、田や池を埋めて、造成されてる事が多い。
それは今、私が住んでる住宅団地でも同じだ。小高い丘になってるので、津波の心配は無いと思われるが、単に山を削っただけでは無く、山の間に入り込んだ田んぼを埋め立ててもいる。
昔の航空写真で見ると、我が家はちょうど、田と山の境付近で、かろうじて山側であるが、田へ向かって傾斜がある地面を水平に埋め立ててる可能性がある。

当然、山を削ったような場所より、田や池を埋めた土地の方が地盤が軟弱で、
地震による揺れが大きくなったり、液状化が発生しやすいと思われる。