
1月5日(土)曇りのち晴れ。
盆栽に石灰硫黄合剤の8倍液を散布した。
石灰硫黄合剤はその名の通り、硫黄分で黄色い液体。強いアルカリ性で、金属なども腐食させる。
乾くと石灰分で白くなる。
盆栽では、真柏や杜松などの幹が白く枯れて、それ自体が見所となってる舎利や神に、防腐と、白く化粧する目的で塗る他、冬季に木全体に散布して、春からの病害虫の防止効果があるとされる。
新芽が伸びてる時期では、使えないような高濃度でも、冬の葉が落ちてる時期なら散布出来る。
私自身、冬季の散布は慣習で行なっていたし、その効果については、おまじない程度に考えていた。
しかし、数年間、散布しない時期があり、その間に山桜に穿孔細菌病と思われる病気が発生。
春に新芽が出て、葉が展開した時点から、葉に穴が空いたりして、バラバラと落葉し、いろんな農薬を試すものの、効果が無く、困り果てた事があった。
冬季にこの石灰硫黄合剤を散布すると、春先からの病気が抑えられるようになった。
穿孔細菌病自体は発生するものの、夏以降で、マイシンなどの抗生物質の農薬を散布する事もあり、症状は軽微で済んでる。
やはり、
冬季の石灰硫黄合剤は必要なんだと、実感した。
私は今は、雑木類の盆栽しか持ってないので、8倍に希薄した溶液を散布してるが、冬でも葉がある
松柏類などは、もう少し濃度を控えたほうがいいと思う。
私が松柏盆栽を持ってた時は、15倍で散布していた。
現在、この石灰硫黄合剤の500cc入りのボトルが廃止されて、私のような盆栽愛好家は困ってる。
ホームセンターなどの園芸品売り場で普通に並んでいたのだが、今は見られない。
何でも、この石灰硫黄合剤から硫化水素を発生させる方法がネット上に出て、自殺に利用する人が出て来たらしく、その防止策として、姿を消した。
プロの農家が使うような10L入りは売られてる。手持ちの500ccのはとっくに有効期限が切れてるので、仕方なく、その10L入りを買って来た。
私が1回に使う量は250ccもあればいいので、500ccでも使い切る前に有効期限が切れてしまう事があるのに、10Lもあると、それを処分するのがやっかいだ。
石灰硫黄合剤は強アルカリなので、
散布後はなるべく早く乾いたほうがいい。
その為、天気のいい日に散布し、すぐに日光に当てたほうがいい。
いつまでも濡れたままだと、薬害の発生があり得る。特に松柏など葉のある木の場合は注意が必要だ。
またこの石灰硫黄合剤は
日射が当たる事で殺菌作用が高まると聞いてる。
だから、天気がよくて、風が無い日を選ぶ。
散布液が飛散して、
車の塗装にかかるのも避けたい。
この日は、予想天気図から、小さな高気圧の中心に覆われ、晴れる筈だと、前日から用意していた。
ところが、ウェザーニュースが曇り勝ちの天気と予報。他のお天気ナビゲーターやお天気.com、気象協会は晴れの予報だった。
はたして当日は、朝から一面の雲に覆われ、もうこれはダメだと思った。
しかし、午後から日差しが出て来て、どうするか思案したものの、午後2時から散布を決行した。
冬の角度の低い日差しは、もう午後3時を過ぎると、南側の家の影が落ちてくるから、散布後、日射が当たって、乾くギリギリの時刻だった。
散布すると、どうしても服や髪の毛にも飛散して、硫黄臭くなるから、服は洗濯し、シャワーして洗髪もしたいから、この日のうちに済ませておきたかったのた。
散布は北西の角にある半坪ハウスの中で行う。
今は盆栽は全て室内に取り込んでるので、それを持ち出して、家の周囲を半周して、ハウスの中に持ち込む。イチョウやモミジは20kgを超すので、やっかいだ。おまけに室内や玄関のドアの開口部に枝張りがギリギリで、斜めにしたりしないと通過出来ない。
ハウスは閉めきって中に入るには狭すぎるので、前方は開けたままで、3方が囲われた中でする。
またハウス内の鉄パイプにはかからないよう、ビニールで覆っておく。
散布には鉢数が少ないので、1Lのスプレーを使用した。私は石灰硫黄合剤専用のを用意してる。
ノズルなど金属部分がどうしても腐食するから。
そして、
マスクもしておく。他の農薬のような毒性は少ないと思われるが、マスクなしで大量に散布してると、喉が痛くなる。
また、
目もゴーグルなどで保護したほうがいいかもしれない。メガネをしてても、目が沁みてくる。また、そのメガネも古いものを使ってる。そうでないと、レンズに細かい点々が出来て、取れにくくなったりする。
どうしても手にも付くので、
薄いゴム手袋をしてる。
そして、
鉢にもかからないようする。鉢にかかったり、滴が落ちると、すぐに拭き取らないと、乾くと白い染みになって、取れなくなる。
それは強力なイオンデポジットそのものだ。
同様に車などにかかった場合も注意が必要だ。放置すると、塗膜そのものが侵されたり、サビが発生したりする可能性がある。
私は
濡れタオルで鉢を覆う。そして1鉢散布すると、そのタオルを洗って、次の鉢を覆う。鉢数が少ないからこのようにする。ハウスのすぐ脇には温水の出る蛇口があるので、洗うにも好都合だし。
通常はビニールか、新聞紙で鉢を覆う事になるが、テープで留めたりしないと開いてくる。その点、濡れタオルはそれだけで張り付くのでやりやすい。
鉢は回転させながら、まんべんなく散布する。
鉢土内に大量に入るのも避けたい。
イチョウなどは垂直な幹と枝だけで構成されるから、根本にどんどん落ちてくる。それらはティッシュなどで吸い取るようにしてる。
一鉢散布し終えたら、枝の滴が落ちるまで待つか、ティッシュなどで吸い取り、タオルを取って、持ち出して、表の南側のテラスの棚に乗せて、陽に当てる。
これを全ての鉢に対して、繰り返す。
以下はモミジの散布後。
散布直後は真っ黄色だが、
乾くと白くなる。
まさに盆栽を石灰でコーティングするようなものだ。
アケビや山桜にも散布し、ミニバラなども散布しておいた。
散布に使ったスプレーは、すぐに水で洗っておく。ノズル内も繰り返し水を通すようにする。つまり、水を入れて、十分に噴霧しておく。
かつては酢を入れた水で洗浄して、アルカリを中和させてたけど、今はそこまでしてない。
散布した盆栽は、なんとか乾いて、陽が陰ってくると、今度はまた室内に取り込む。
翌日に日差しがあると、また外へ持ち出して、霧吹きかじょうろで、木の表面を少し濡らして、日光に当てるつもり。
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Posted at
2013/01/06 19:38:39