しかし、生まれた直後から共食いするわけでは無く、自然界でも孵化してしばらくは「密」な状態で一緒にいるのだ。
この後、自然界では散り散りになって、「密」は解消し、それぞれ孤立して生きて行く。
が、ケースの中で、
生まれてからずっと「密」の状態が持続すると、

↑これはもう既に
一度、脱皮して、大きくなってる。
さらに、大きくなっても、
もっと大きくなっても、
共食いはしないのだ。
生まれてからずっと一緒にいると、そして餌が十分にあると、小競り合いはあっても、共食いはしない。
これは、あまり知られていない事実だと思う。
また、
同じ1つの卵から孵化しても、緑色と茶色のカマキリが混じる事になる。
もちろん、大きくなるにつれ、ケースの中の数は減らす(ケースを増やす)ようにしていくのだが。

↑木の皮(原木シイタケの残り木)を立て掛けてあるのは、カマキリは下にはおりず、下にいるコオロギが登って来た時に捕食出来るように。
ケース内で脱皮中。
ただ、まれに
偶発的に共食いが発生する事もある。
カマキリはそのカマで相手を捉えると、
反射的に食い付くのだ。
それは、蜂などの毒虫とは異なり、一撃で相手に致命傷を与えるような武器が無く、カマで相手の動きを封じておいて、後は鋭い牙で食い付いて、相手の運動神経を破壊するしか手段が無いからだ。
餌のコオロギも繁殖を繰り返す。
コオロギも大きくなる。
私はこれを
何年も繰り返してきた。
5月になって、自然界でも餌が取れるようになるまで、ケースの中で飼育して来た。仕方なく。
自然界では1つの卵から孵化した幼虫が成虫になれる確率はかなり低いと思うが、飼育下では7割ほどがかなりの大きさになるので、60坪の自宅の庭だけで無く、周囲の野原にも返した。
この飼育下で死ぬのは、たいてい、
脱皮に失敗した場合。
脱皮に失敗すると、即、死を意味する。失敗の程度にもよるが、動けなくなってしまうのだ。
手(カマ)が変形し、狩りが出来ないカマキリに、ずっと餌を与えて年を越すまで飼育した事もある。
上のカマキリは動く事が出来ず、「寝たきり状態」だが、それでも餌をやり、もう1度脱皮した後の状態。
私の親も「寝たきり」の状態で世話してるが、このカマキリも口元に餌を持って行って、食べていたのだが、

次の脱皮で死んでしまった。
自宅の庭に放したカマキリは、まだ成虫では無いので、その後、目が止まれば、飼育して大きくなったコオロギを与えたりして来た。
カマキリが何回脱皮するのか、数えた事が無い。(いつも途中でわからなくなる)
が、香川照之さんによると、
卵から孵化した直後、すでに1回脱皮してるらしい。
前の孵化する画像を見ても、卵から出た瞬間は手足が無いオタマジャクシみたいな形をしていて、ぶら下がってる間に細い足が出来てる。
そして、孵化後の卵に何かのカスのようなのがぶら下がってる。あれが脱皮した皮なのか。
脱皮を繰り返して、最後に
羽が揃うと成虫で、以降の脱皮は無い。
脱皮する時は、たいてい(必ず)逆さまになって、重力の助けで抜け出すが、
出てからは、頭を上にして、
羽を下方へ広げる必要がある。

左側の縮んだ羽が、右のように広がる。
それが、何らかの理由で、正立にならずに、逆さまのまま羽が広がると、以下のような逆に羽が伸びた状態になってしまうようだ。まるでガルウィング!

↑これはコカマキリという名のカマキリ。
このカマキリは
ミルワームを食べてる。
コオロギを飼育する前は、ミルワームを与えていた時期がある。イモムシのような形態の、要するに幼虫なのだ。成虫になると黒い甲虫になる。
ミルワームはペットショップやホームセンターでも売られてる。
カマキリがミルワームのような細長い虫をカマで捉えて食べてると、やがて口がカマの際まで来てしまう。そのまま自分のカマを噛じってしまう、なんてドジをするわけが無い。

カマを一瞬、ゆるめて、口でミルワームを引き出し、
持ち替えるのだ。続きをそのまま食べる。
またカマの際まで来ると、同じように持ち替える。起用なんだ。
カマキリは片手で獲物を保持したまま、移動する事も出来る。
2月頃に孵化して、飼育下で大きくなり、5月には外へ放し、成虫になった6月頃。
自然界で孵化したカマキリとの大きさの差は以下。

↑6月なので、右側の自然界で孵化して育ったカマキリも既に何回か脱皮してる。
育てたカマキリを自然に放すと、餌だったハエが余ってしまう。
それで自然に孵化した上の画像の右側よりももっと小さな、まだ黒いカマキリを1匹、また1匹と捕らえてケースに入れて、ハエを食べさせてやろうとした事があった。
すると、10匹ほど入れたケースなのに、翌日は1匹になっていた。
つまり、
既に孤立してるカマキリは、どんなに小さくても「共食い」するのだ。
カマキリを手に取る時、
上から掴んだりするのは絶対によくない。
当然、必死に抵抗し、逃れようとする。カマを後ろ側まで回して、指にかけてくる。
そうして挙げ句は噛まれてしまう。
私はそんな事をしたわけではないのだが、何度か噛まれた事がある。
鋭い牙なので、
一瞬にして皮膚は食い破られて出血する。
カマキリを手に取るには、
そっと下から両手ですくい上げるようにして、手に乗ってくれるようにするのが一番。
それでも、慣れないカマキリは、違和感を感じて、即、飛び降りようとする。
カマキリにも
性格の個体差がハッキリとある。
どうしても懐つかない、攻撃的な凶暴性?の強いものや、
臆病で逃げる事しか対応しないものや、
おっとりとして、最初から手に乗り、体に触れても動じないものもいる。
手の上でグルーミング(手足の掃除)をするようになると、リラックスしてる証。
ただ、
オスのほうが臆病で、懐かない。

↑オス、メスの違いは、羽の揃った成虫になるとよくわかる。
オスの方がホッソリとして、羽に光沢があって長いのだ。そしてよく飛ぶ。
もちろん、お尻の先の産卵管?の形状でもわかるのだが、裏返して押さえつけないと見えないし。
ついでに交尾シーンも。背中に乗ってるのがオス。
カマキリが人の手に馴れる、手を理解してる?とわかるのは、

↑手でさすっても、平然としてるのに、
ある事をした手で近づくと、威嚇のポーズ。
それは
手袋をした手には警戒して近づけようとしないのだ。
冬になって、室内に保護したカマキリは、天上にまで移動する事がある。
台所なんかで、食卓の上に落ちて来たり、糞をされたら困るので、天上に張り付いたカマキリを捕獲するのに、
私は椅子に乗って、カマキリの上からそっと手を被せる。すると、何の抵抗も無く、
スッと手に乗り移ってくれるのだ。
カーテンに止まってるカマキリを移動させる時もそう。手に馴れてると、手を被せるだけで、すぐに乗り移ってくれる。
手で軽く包み込むようにすると、身を委ねて、足をカーテンなどから離し、手の中に背中から落ちるようになるので、次の瞬間、カマの先や足先が手を保持するようになる。
そんな馴れたカマキリも、一度、イヤな事をされると、次回からは手を拒否するようになる。
産卵後、お尻にウレタン状のものが付いたままだったので、それを取ってやろうと、ちょっと押さえ付けてしまったのだ。すると、もう手を近づけるだけで、怒るようになった。
冬になると、カマキリも老体化してくる。足の付根なんかが黒くなる。
これは多分、出血した(当然、赤くはないが体液が出た)跡ではないかと思われる。そこにオロナインを綿棒で塗ってやった。
すると、犬や猫がするように、自分で舐め取るのだ。

それほど、
首の可動範囲が大きい。
冬の間、餌は生きたコオロギだが(かつてはミルワームだったが)、
水は時々、ストローなんかで与える。

スーッと目に見える勢いでストローの中の水が無くなる。
水だけで無く、ヨーグルトのR-1なんかも飲ませた!
カマキリはあまり水を飲まず、糞もコロっとした乾燥した玉だが、水は飲める時に飲んでおこうとするのか、一度にかなり大量に飲む。
つい
飲ませ過ぎると、てきめん、下痢便になってしまう。
そして、羽のそろった成虫が糞をする時は、
お尻を横に突き出し、糞が羽に付かないようにする。
だから、糞をする瞬間は察知出来るのだ。
オシッコというのはしないが、ただ、水を飲み過ぎた時など、勢いよく小便状のものを出す事があり、顔にかけられた事もある。
以下は私の手の平に下痢気味の糞をする動画だが、顔の動かし方が、もはや虫では無く、犬猫レベルと感じるのは私だけだろうか。
カマキリは後方を確認するのに「振り返る」のだ。そんなテレビコマーシャルがあった。
ポルシェのCMにカマキリが登場。
道路脇のカマキリの横を疾走するポルシェのカイエンだったか?(縁のない高級車なのでよくわからない)
すると、「今のは何だ」とカマキリが振り返る。

↑まるでカマキリが主役?
テレビと言えば、
カマキリはテレビを凝視する。
以下は以前にも紹介した動画だが、
手の上で
ダンスするカマキリ。
実は、テレビに興奮して威嚇していたのだ。
カマキリの「威嚇モード」には大別して3パターンある。
一つは前の画像のように、両手(カマ)を広げた状態で、羽も同時に広げる事がある。
これは正面からの自分より大きな相手に対する威嚇モード。
もう一つは、側面からの相手に、羽を縦に広げた威嚇モード。
羽と共に、腹も鎌首を上げたベビのように見せてるのだろうか。
3つ目は上体だけを持ち上げて、カマを引き付けている。

↑これ以上、近寄るなという状態で、さらに近寄ると、カマを高速で動かして、
カマパンチを繰り出してくる。
実は、餌をやろうして、ピンセットでコオロギを持って行ったのだが、この有様。
カマキリも寝る。寝ると、頭が重力で下がる。死んだ時も同様になるけど。
以下はその動画。気付いて目が覚めると、こっちを見るのがカワイイ。
また、馴れたカマキリは羽を引っ張っても平然としてる動画は以下。
馴れてないカマキリだったら、後方からちょっと触れただけで、キッと振り返って、攻撃モードになる。
最後に、数年に一度、庭に現れる、
ごく小さなヒメカマキリを紹介する。
これで成虫。
なんかアニメみたい。
カマキリならではの
後方の「振り返り」
こうして、
カマキリを室内で育てるのは2018年までだった。
カマキリより餌のコオロギなどの飼育繁殖が大変だから。
コオロギは脱走して、履物の中に入り、それを知らずに足を入れて踏み潰してしまったり、布団の中に入ってた事もあった。
それで、2018年の冬に保護して産んだ卵は屋外へ移動させた。引っ付いてるのを剥がして。
そして、2019年の冬からは、カマキリを見ても保護しないようにした。
すると不思議なもので、11月になると、もうカマキリの姿は見なくなった。
また翌年から、庭でカマキリの姿はめっきり少なくなったように思う。
次回は、これより後ろに、つまり
これより過去の日付で、
2018年に購入した
ハナカマキリについて書くつもり。