
以下は昨日6日の事である。
当日の事を午前0時までに書くのは難しい。
晴れ時々曇りで、風も強かった。
認知症の母は朝から反抗的だった。
屁理屈ばかり言って、パジャマを脱ごうとしないのだ。
部屋は事前にエアコンで暖めてあるのに。
朝食後、医者からもらってる高血圧などの薬を飲ませるのも、血圧を測定するのも。
「こんなことせんでええ。アンタが計ればええんや」「こんなもんはいつも飲んでない」
私は食後すぐに洗い物をするけど、母はいつもじっとしてない。
このところ、食後はすぐに「オシッコしたい」だ。
食器洗いを中断して、トイレへ付いていくと、案の定ウンチをして、シャワーでお尻を流せという時も。
さらに私が取って、用意したペーパーで拭けという時も。
「もうええ」「こんなに紙は使わんでええ」
挙げ句はトイレから出て「手を洗え」と言うのに「洗わんでもええ」と玄関の方へ。
そして、そこに用意して入れていた車椅子を見て、
「なんであんなもん置いてるや。出られへんやないか」と。
そんな母の肩を持って方向転換させて、洗面所へ。
いつものハンドソープで手を洗わせようとしても、「そんなんはいらん」
うるさく言って、やっと手に付けたものの、すぐに流そうとして。
私がさらに強引に手にソープを付けるけど、即、流そうとする。
そして「アンタはそうやって、いつも余計な手間ばかりさせる」とのたまう。
私が切れた。もうどうでもええ。発作的に私のパンチが母のこめかみに。
当たる瞬間、ブレーキがかかったけど。
母は以前と同様に「痛い~。マサ○○降りて来て~」と2階へ向けて、私の名を呼ぶ。
私は息子のマサ○○ではないのだ。
今回はしまったというより、もうどうでもええ。殴り殺したいという日頃の衝動が勝っていた。
さらに額にもパンチを入れた。これは突くという感じで、抑えがたい自分への気休め程度。
老人は頭部への強い衝撃があると、空洞が出来てる分、脳がゆすられ、血管が切れて、脳内出血など起こすらしい。それを知ってはいるけど、もう私も「親殺し」で逮捕され、報道されてもええという自暴自棄に近い状況だった。
しかし、台所へ戻って、洗い物の続きをしてる間、少しずつ後悔が。
今日は母を医者へ連れて行く予定だった。
もし顔にアザでも出来てたら、連れては行けない。
4週間か5週間に1度、高血圧などの薬をもらいに、すぐ近くの医院へ行く。
そのために
車椅子も用意した。
歩いて5分ほどのところだから、そこまで車で行くのは、団地の出口の信号にひっかかると余計に時間がかかりそうなくらいだし、私の愛車は座席が低く、母の乗り降りがやっかい。
そして何より、
どこにウンチが付いてるかわからない母を愛車に乗せたくない。
遠方ならば仕方なく、事前に全ての服を着替えさせて、なおかつ、おねしょシーツを座席に敷いて乗せるのだけど。
母は家の中では歩き回るくせに、団地内の歩いて2分ほどの散髪屋へ連れて行くにも、足が痛いと途中で動けなくなる。(最近は室内でも足が痛いと言う事が多い)
足への血流が十分ではないのか、医者でエコー検査した結果は、少しは血管が狭窄してる程度らしいが。
このところずっと車椅子を借りていた。
同じく歩いて2分とかからない団地内に介護用品のレンタルの会社があるから。
車椅子は1日200円で借りられる。但し、最低3日間から。つまり、1回につき600円。但し、その日のうちに返却してる。あると邪魔になるから。
車椅子のほうが楽だ。院内までそのまま入って行けるし。車に対する気遣いも不要だから。
それは医院の駐車場で、他の車のドアに当てられないかと心配する事も不要だし。
行きは下り坂で本当に楽。問題は帰りで登り坂は少々辛い。
この車椅子、介護保険を使うと、月単位で、つまりずっと借りっぱなしで、月額が同じ程度の金額になると言われた。
前日、介護施設のケアマネージャーに電話して確かめると、いつもの担当のケアマネが休日で、代わりの人が言うには「普通は400円」だと言う。
それだったら、ずっと借りてるほうが安くつく。でも実際には月額600円と後にわかる。
用意は前日から出来てる。問題は。
額を軽くとはいえ殴ってしまって、もしアザが出来てたら、そんな状態で医者へ連れて行くのは。
幸い、おでこに少し、たんこぶらしきものが出来ていたが、アザでもない。
台所の洗い物が終わり、スポーツドリンクを暖めて持って行くと、母は当初は「誰かに殴られた」と私に訴えてたけど、飲み終えた時点では、それも忘れてた。
着替えさせ(着替えるのはともかく嫌がる)、今日は肌寒く風も強いので、厚着をさせて。
車椅子に座らせてから、防寒用のアルミシートで体を包んで。
こうしして医者へ行くと、待合室いっぱいの患者。受付では「1時間ほどかかります」と言われて。
母は入るなり「おはようございます。おはようございます。おはようございます」と一人一人に挨拶。
ディサービスと勘違いしてるのだろうか。
そして長椅子の端の空いてるところへ座らせると、すぐに隣の女性に話しかける。
こうしたところは、普通の認知症と違う。外面、愛想がいいというか。
私は自分が座る場所もないので、一旦、外へ出る。
そして家を出る時、戸締りはどうだったか心配になって、家まで帰る。
ついでに2階へ上がって、前日のブログ用のカマキリの動画のアップロードとかしてた。
盆栽の芽摘みも少しして。
それから医院へ戻る。
もう意外とすいていて、母の隣に座ると、私の事を、家から一緒にきた人間とは認識してない。
(普段から息子とは認識してない?)
私に敬語で話しかけ、「持って来たバッグがないんですよ」
私がいない間、こうして周囲に迷惑をかけていたのかも。
やっぱり目が離せない。
一旦、気になった事は延々と繰り返し言う。
「私のバッグが盗られた」
「中の財布に20万入れてたんや」
待合室の全員に聞こえるような大きな声で言う。
私がいくら「バッグは持ってきてない」「バッグは家にある」と言ってもダメ。
「そんな事ない。ちゃんと持って来てたんや」
「お袋からもらった4万5千円を入れてたバッグが盗まれた」「誰かが盗りよったんや」
「バッグに2万3千円入れてたんや」
段々、値下がりする。
ちょうど順番が来て、呼ばれて診察室の中へ入る。
母が先に診てもらって、私も。私はコレステロールの薬をもらってる。
コレバインというダイエットのような薬で、しかし、食事の油物が魚だけの時は飲んでいない。
それは医師にも伝えてる。
まだ私の薬は残っているので、今回はもらわない。
母は先に看護師に連れられて、待合室へ戻ってる。
そこでまた騒いでる。声が聞こえる。
私が待合室へ戻って、母の隣に座っても、まだ私が身内だとは認識してない。他人なのだ。
母は何度も立ち上がっては、受付に行き、「私のバッグが盗られたんです」
受付では、会計などをしていて、一人で忙しいそうだから、迷惑極まりない。
私は母の肩を持って、席に戻そうとするが、
「痛い、痛い、骨が折れる~」と大声で叫ぶ。
そして「オタクは関係ないのに、なんでそんな事をするんですか」
さらには「そういう事をするとこ見ると、アンタがバッグ盗ったんやな」
これを何度か繰り返す。
毎回、医者へ連れて行くのは大変だ。
風呂に入れるのが週一の一大イベントならば、医者は月一のイベントだ。
いつもは「こんなところでじっとしてられん。早く(受付に)言って帰りたいわ」
「(受付に)言いにいかな、いつまでたっても呼んでくれへんで」を繰り返してた。
やっと薬をもらって、車椅子に乗せて帰ってきたが、道中もずっと敬語で私に話しかけ、もうディサービスの職員だと思ってるようだ。
帰宅して、家に上がるなり、「布団敷いてへんわ。どこやったんやろ。誰か触ったな」
私が夕食の支度にかかる間、母は勝手に自分の布団を敷いていた。
しかし、いつもと向きが逆。毛布も裏表逆。
夕食の支度が出来たから、母を呼びに行くと、ズボンだけ脱いでスボン下と、上着はそのままで布団の中に入っていた。
それでズボンを履かせようとすると、ズボン下の側面に茶色いものが。
やっぱりウンチだ。
それもウンチが付いた手でズボン下を触ったようだ。何箇所か付いてる。
しかし、朝のウンチは見てるし、いつ付いたのか。
即、ズボン下とズボンも履き替えさせる。他にも、どこかに付いてるかもしれない。
夕食はサバのみぞれ煮。甘辛いしょう油味。冷凍物を湯煎するだけ。
これは一昨日にも食べていた。
ブロッコリーは地元産のを1房では無く、いくつか細かくなったのを袋に入れて安く売っていた。
普段は行かない農協のスーパー、Aコープで。
それとヒジキ入りの大豆の煮たもの。袋から出すだけ。
あとはいつもの汁物。マイタケ、エノキ、ほうれん草、豆腐、卵1個。
母はブロッコリーは食べない。うるさく言って2房ほど食べたけど。
残りは翌朝に食べさせる。
私のブロッコリーはこの倍くらい。
母は他は全て食べた。汁物のほうれん草などは、そばに立って「コレ食べろ。口に入れろ」とうるさく言って。
母に食後の薬とサプリを飲ませると、私はすぐに食器洗いにかかる。
それを終えてから、母に歯を洗わせて、トイレへ行かせて、パジャマに着替えさせる。
が、その段階になって、母は「食べるもんあらへんのか」
私が「さっき食べたとこやろ」と言っても、母は「私は何も食べてない」
これが毎度のパターンだ。
そして、翌7日(今日)の朝、
便器にウンチの跡が。
母が早朝にしたようだ。前の方に座るので、床にオシッコを大量にこぼしてる事もあるし、ウンチをすれば、便器の水の溜まってるところより前に、すり落ちた跡が必ず付く。
つまり、結構な量のウンチが便器に付いてる。
当然のように、シャワーをした痕跡もない。すれば後方のパネルに飛沫の跡がある。
いつものように、ごくわずかな紙で拭いて、手にも付ける。
そして手も洗わない。
無限地獄ならぬ、無限不潔。無限汚い。
毎朝、オムツパンツを替えさせてるが(これが大変)今朝はウンチがベットリと付いてた。
わずかな紙で拭くと書いたけど、オシッコしても拭かない事もあるし、ウンチをしても、その直後にウンチした事すら覚えてない事もある。