29cmしかないナンバープレート下にフロントカメラを取り付けている。

車体の中心にカメラを取り付けるには、ここしかないのだ。
グリル付近では前に大きくせり出したバンパーが画像の半分近く映ってしまうし。
その結果、
前方の画像がハケで履いたように流れ、またフワフワと動く。

↑左側の画像を見ると、右側面と後方のカメラ映像の整合もよくない。
フロントカメラがナンバープレートの下端に取り付けてあり、振動で揺れるのかもしれないが、それにしても動きや歪みが大きいと感じる。
何か、透明なビンの底で見てるようにも思えて、平らな底の部分に映る画像はまだよくても、そのビンの側面に地上が映るので、流れたり、歪んだりするのではないかと。
だから、
ビンの底で地面を映すように、もっとカメラの角度を下げればいいのでは、という考えでキャリブレーションを行う事にした。
フロントカメラの角度(向き)は、以前は以下のような映り。
今回はカメラの角度を少し下げて、以下のような映りになった。
前方の景色の空が狭くなってる。
↑バンパーの下側が全体に映るようになった。
ガレージ内での車の前後の位置が多少は異なるので、厳密な比較は出来ないが。
ちなみに、前方画像が特におかしいとは感じなかった、地上高43cmのナンバープレートネジ穴にカメラを取り付けた時の映りは以下。
結果、ネジ穴取り付けの時よりは少し上向きになってると思われる。
ネジ穴のカメラは、約45度の傾き固定で、前方の合成画像の上部には、映らない黒く表示される部分があった。
キャリブレーションの日取りは、やはり
「風が無い日」でなければならず、ずっと天気予報とにらめっこ。
人出の多い日はイヤなので、基本、土日や祝日はいつも外出はしない。コロナとは関係無く。
決行日は5月10日の月曜日。これまで同様に、ブログの日付とは一致しない。
午前9時過ぎに家を出るので、風の1時間予報は左から、
お天気ナビケータ、お天気.com、ウェザーニュース、tenki.jp

いずれも風速が0~1mで、昼過ぎからは風が出て来るかもしれないので、それまでに終わらせたい。
今回のキャリブレーションシートは、これまで以上に精密に配置したつもり。
前後のシートも白い部分の縁がバンパーに被らないようにした。
左右はツライチのタイヤの接地位置から
左右ともに10cm離した。
結果、前後のシート間の長さ Length=437cm。左右のシート間の幅 Width=190cmとなった。
この状態で、振動を避けて、エンジンを止めたまま「Lenz Correct」を行うと。
フロントカメラは以下で、この時、すでに風が出て来て、シートが煽られていた。
フロントカメラの結果は

↑この時は気付かなかったが、下のほうの赤で囲った部分に、バンパーが映ってるではないか。
リアカメラは以下。シートの白い部分の縁もハッキリと映ってる。
リアカメラの結果は

フロントカメラのようなバンバーの影は見られないが、黒い■が少し歪んでる。
この状態での4つのカメラの映りは以下。
次に「Manual Adjust」を行う。

↑シートは車体に対して測ってまっすぐに配置してても、カメラの取り付け角度によってか、左右の■シート(段ボール)の上下のズレが見られる。
これは補正範囲内で問題無いと思われる。
しかし、キャリブレーション結果は以下。
相変わらず前方映像がザワザワとして、左右の■シートも引っ張られるような歪みが。
しかも、
前方に「大きな黒い影」も出来てる。
これでは、フロントカメラの角度を下げる前と変わらないどころが、かえって前方の影の分、悪くなってるではないか。
前回は(フロントカメラの角度を下げる前は)シートの白い部分の縁が完全に見えるようにして、黒い影は発生しなかったのに。
今回はフロントカメラの角度を下向きに下げた分、シートにバンパーが被るように見えたのだろうか。
しかし、
前回まであった後方の影は無くなってる。
後で考えれば、前方画像の歪みは同じなので、カメラの角度を元のように上げてもよかったのだが、(可変ステーに取り付けてあるので、いつでも変更出来る)
カメラの角度はそのままに、
前方シートをより離す事にした。
もう既に、かなり風が出ていたので、再配置に時間と労力を費やした。
今度は前後のシート間の長さ Length=440cmに変更。
そして、新たに「Lenz Correct」を行う。
フロントカメラは以下で、シートを十分に離してる。
結果は以下で、まだ少しバンパーが下に映ってるようだが。
4つのカメラの映りは以下。
「Manual Adjust」は以下。
その結果は以下。
前方の黒い影は無くなったが、
後方にはまた影が出てきた。もうイタチごっこか。
前方のシートだけを車体から少し離して、後方のシートは同じなのに。
前後のシート間の長さ Lengthを437から440に長くしたから?
この後、Lengthを短くしてManual Adjustをやり直す事を何度かしてみたが、結果は同じだった。
白線がハッキリした駐車場に移動してみると、右側の
上方に映らない部分が出来た。
↑後方は前回よりも横の白線の歪み(ズレ)が少なくなってる。
地上高が43cmのナンバープレートネジ穴にカメラを付けた時の映像は、スマホでモニターを撮影した以下ものしかないのだが。

↑これでも前方画像が綺麗とは言えないけど、左側の真上からの2D画像も含め、白線や右側の側溝の蓋の並びもまだマシに思える。
つまり、今回のこの日のキャリブレーションはあまり意味が無いのか?
シートの配置やカメラの向き(車体の位置)を変えずに、「Manual Adjust」をやり直すと、■シートの角に十字カーソルを移動して合わせる必要がほとんど無く、ただ「OK」を押すだけで済むので、何度もやり直すのは早く終る。
が、「Lenz Correct」も結果が微妙に異なる。それは全てをキャプチャーしててて、後から見るとわかる事だが、■の形状が前回は歪みが多かったのに、次回はマシになってるとか。
風でシート煽られて動く事もあるが、何度かやり直すと、結果が少しずつ違ってくるかもしれない。
ただ、この「Lenz Correct」の結果というのは、そのレンズの中心座標を測定してるだけなのかも。
「System Setting」→「Export PARM」で出力される avm_para.dat のファイルには、それぞれのレンズが修正済みか否かと、その中心座標のデータしか無いのだ。
para_front_camera_is_corrected=1.0000 ← 1か0のフラグだが、実数で出力。
para_front_camera_center_x=0.4856
para_front_camera_center_y=0.4896
後は「Manual Adjust」での左右の■シートの4隅×2枚分の8点の座標があるのみ。
para_avm_calibrate_mode=1.0000
para_avm_front_calibrate_point:
220.0000,290.0000
297.0000,280.0000
115.0000,372.0000
163.0000,378.0000
963.0000,266.0000
1042.0000,279.0000
1101.0000,367.0000
1148.0000,360.0000
0.0000,0.0000
0.0000,0.0000
だから、サイドカメラの傾きの補正などは、この■シートの測定座標を元に行ってると思える。
中国では似たような製品が売られてるが、日本からも注文出来るWishのサイトには、商品説明の一部に、以下のようなカメラの高さの指定がある。
上の製品のカメラの場合は地上30cm以上という指定なのだが、愛車に取り付けてるフロントカメラは29cmで、製品説明には40cm以上と指定がある。
だから、このような製品のカメラは、それほどに
地上高の指定は重要なのかもしれない。
前述の
■シートの8点座標のリアカメラの測定データを、フロントカメラに入れてみたらどうなるのか。
リアカメラの地上高は84cmもある!
そのパラメタを「System Setting」→「Import PARM」で読み込んでみたら。

なんと
前方画像がマトモになる。
ただし、当然ながら、
側面のカメラ画像との整合性は無くなる。
比較で、元のキャリブレーション結果の画像は、
↑前方の地面から塀の立ち上がりまでの画像が流れておかしいのだ。
Width=170と狭くしてるので、車体が細く見えるが。
逆にカメラをもっと上向きにしてみたらとか思うのだが、
ともかく、キャリブレーションが辛い。
シートが風に煽られるのと、立ったり座ったりとスクワットの連続で、翌日は足が張ってしまった。
もう、これで、諦めるしかないのかと思う。