モミジの盆栽の葉を透かした
ついでに、
針金整枝も行った。
このモミジは私が子供頃に種を撒いて、
発芽した苗から
47年になるが、
近年、懐枝(ふところえだ)が次々と枯れてくる。
左右に出る形を作る上で重要な役枝の「内側」が枯れてくる。
そうすると、幹筋が見えすぎるというか。
人間で言うと、スーツの前を開き過ぎたような感じに見えてくるのだ。
昨年の12月のブログの
記事で紹介した、
右側の二の枝(下から二番目の枝)の懐枝が枯れた跡。
これに太い針金をかけて、手前へ枝を振った。ここまでが昨年。
以下は今年の3月であるが、「赤矢印」部分がまだ開いて見え過ぎるので、
今回はこの枝にさらに針金をかけて、以下のように「こんもり」として、懐が空き過ぎない枝にした。
この針金整枝を少し下から見ると、
さらに下から見ると、
次は、右側のもっと上の枝も「赤矢印」の部分が枯れたので、
この枝も整枝した。
上から見ると、
この枝はその出口がまだ大きく空いて見えるが、右斜め後方へ伸びるので、手前の枝が被って、あまり気にならない。という事にしよう。
今度は、左側の二の枝(下から二番目の枝)も、
前のほうが下がり過ぎて、その下の枝に被り過ぎる。
下の枝に陽が当たりにくくなり、そうすると、またその枝が弱る。
この枝にも針金をかけて、整枝すると、
下の枝との間が空いた。
この整枝後を横から見ると、
同じく、下から見ると、
なお、今回は以下のような
「葉透かし」を全体に行ってる。
葉が密生してると、内部に陽が当たらず、蒸れて枯れて来てしまうのだ。
それで、
1節から2枚ずつ出てる葉の一方を切り取る。

↑但し、
弱いところや、下の方の枝ほど、葉透かしは行わない。
以下の赤丸の枝は、もう
何年も前に元から枯れてしまった。
まだ、元の方は生きてるので、何とか枝を接ぎ込みたい。

↑反対の右側の矢印の枝は、
幹を貫通させて後から接ぎ込んだ枝。
同じように、新芽を伸ばしておいて、幹にドリルで穴を開けて、その枝を通して接ぐ(通し接ぎ)をしたいのだが、まるで新芽が伸びない。芽摘みしなくても伸びないのだ。
それで、枝に「取り木」をして、発根させて使おうと考えてるのだが、その取り木さえも、なぜか成功しない。

↑「取り木」は樹皮を環状に剥皮して、水苔などを当てがって発根させる方法。
過去の
こちらの記事で紹介してるが。
以下は過去に枯れ枝を処理した跡。かなり肉巻きして来て、後もう少し。
この傷は2019年9月に以下のように処理した。

↑やはりこの部分から出ていた枝が枯れてしまい、切除したのだが、元が膨らんでいて、大きく削り取る必要があった。
傷口には「カットパスター」という粘土状の被覆剤を使う。
それは
こちらから。私のレビューで詳しく肉巻き進行状態などを書いている。
足元の右側面の傷はまだふさがらない。
肉巻きを促進させる為、あえて周囲を削り直しておく。
ここも、この後、カットパスターで密閉しておく。

↑ここはもう10年以上前に、ヤケ込みで幹から根にかけて枯れてしまい、その部分を削り取ったのだが。
幹だけは随分と太くなったものだが。

↑鉢上の丸いのは
「玉肥」(たまひ)と呼ぶ、油かすを丸めて固めた肥料。
この
盆栽も近年は枝枯れなどの修正に追われるばかり。
人も車も古くなると、悪くなった箇所の修復に追われるのと同じか。
樹木としての寿命はまだまだあるのだが、新陳代謝で不要なところ、弱いところを自ら枯らして行くように思われる。
若い木のうちは、伸びようとするのを抑えて、小さく作る事に苦労するのだが。
この
モミジの盆栽は樹高が65cmほどなのだが、
下から見上げると、針金がかかっていて無粋ではあるが、
登って行きたくなるほどの
「大木感」がある。

↑こうした「大木感」を盆上に再現するのが盆栽の醍醐味である。
次は
山桜の盆栽。これも整枝した。

↑小さな赤いサクランボが出来ている。
この山桜も、空き地に芽生えた
苗を引いて来て47年になるのだが、
モミジと同様に、
左側の枝が次々と枯れてくる。
左の一の枝(一番下の枝)は、それより下の枝が枯れた為に、
昨年、太い針金をかけて引き下げてる。
それはモミジ同様に、昨年の12月のブログの
記事で紹介した、
以下の写真は4月の開花時のものだが、今回の
整枝前の左一の枝。

↑主枝にのみ針金をかけただけなので、小枝がツンツンと立ってる。
この小枝に針金をかけて、全体を整えた。
下から見ると、
上から見ると、こうして全体に枝を広げてるのがわかる。
次に、
右の二の枝(下から二番目の枝)は、ただ、だらりと下がっていたので、
この枝にも針金をかけて、
枝先が水平になるようにした。

↑だらりと下がりっぱなしでは無く、先を引き起こす事で、力強さが出る。
この枝を下から覗くと、
この枝を上から見ると、間延びした枝なので、針金もゆったりとした螺旋で巻いてる。
この
山桜の盆栽も樹高は約65cmだが、下から見上げると、

↑小枝が多く広がってる。
ちょうど孔雀サボテンが咲いてる。これはほぼ24時間で萎んでしまう。

↑鮮やかな黄色の花も咲いていたけど、撮り忘れた。
Posted at 2022/05/29 12:12:03 | |
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