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2021年03月08日 イイね!

モミジ盆栽の植え替え

モミジ盆栽の植え替え私の愛車は今年で26年目だけど、このモミジは私が
子供の頃に種を撒いて発芽して45年になる。
樹高(鉢の表面から)は63cmほどある。

盆栽は限られた狭い鉢の中で根を張るので、定期的に鉢から抜いて、根を切って、用土を入れ替えなければならない。
根が充満してしまうのと、土の粒子が潰れて水通りが悪くなって、水をかけても中まで入らず、水切れを起こしてしまうのだ。このモミジは2年に1度の植え替えをしてる。

画像は植え替えた後、新葉が展開して来てからのもの。
こんなに葉が出てしまってからでは、植え替えは遅い。
落葉する雑木盆栽では、葉がまだ出ないうちに植え替えないと、根を切るとその分、水揚げが出来なくなり、葉がある状態では蒸散過多で萎れてしまうのだ。
寒いうちでもいいんだけど、通常は春先に行う。植え替え後の管理が楽だから。
植え替えた後に凍てついたりすると、用土が持ち上がってしまったりするので。
芽や根が動き出す直前がベストなのだ。

植え替えはまず、鉢から抜く作業から。
これが容易には抜けない。根が充満して張り付いてるのと、鉢がその構造上、強度を得るために、縁の部分が少しだけ中に膨らんでるから、余計に取り出しにくい。
鉢の種類によっては、もっと内縁とか袋とかの形状があり、それらは非常に抜きにくいので使わないようにしてる。
この鉢は「外縁」と呼ばれる形状なんだけど、少しだけ内側に膨らみがあるのだ。

だから、まずは鉢の周囲をカマで切り、周囲の根や土を掻き出す必要がある。
そして幹の上部を片手で持ち、もう一方は鉢を持って引き起こすようにして抜くのだが、ビクともしない。それでまた周囲を掻く。その繰り返しで、やっと抜ける。
いつもイヤになるほど手間がかかる作業だ。

毎日、欠かせない親の介護があるので、鉢から抜いたら、根をビニールで包んで、植え替え作業は翌日にする。画像は裏面。
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まず表土を掻いて、「根張り」を出して行く。
根張りは放射状に広がる富士の裾野のような形状が理想的。
交差するような根は切除して行くが、この木のように毎回それをやってると、あまり大きな手術は必要無い。
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盆栽を評価する言葉として「いい枝ぶりですね」なんてのがあるが、専門家や本当の愛好家の間で、そんな事を言う奴はまずいない。
極端な事を言うと、枝なんて、整枝でなんとでもなるのだ。
修正が困難だったり、年月がかかるのが、
「根張り」からの「立ち上がり」であったり、「幹模様」だったりする。
それらのいい木は価値が高く、高価だ。
その上で、枝葉が整ってれば、なおいい。
このモミジは、その根張りや立ち上がりは理想的で一級品だと言える。

底の根はほとんど切除するので、レーキで大胆に掻いて切る。
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底はここまで根を切る。中央部はもう幹の一部で、根も無い。
本当はもっと削ってもいいが、もう根張りも出来上がってるし、手間と時間がかかるだけだから。
助手でもおればいいが、片手で傾けながら、片手で切るのは辛いのだ。
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根を切除、整理後の正面
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同じくその裏面
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鉢の準備。
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実際には木を鉢から抜いたら、根をさばく前に鉢の準備はしておく。
鉢穴はネットで塞ぎ、確実に固定しておく。後からズレたりしたら用土が抜け落ち大変な事になる。また木を固定する為の針金も通しておく。
針金は全て着色アルミ線。

「ゴロ土」と呼ぶ、大粒の用土を薄く敷く。鉢底にはどうしても水が滞留する。
それを効率良く排水する為に、粗めの用土を底に敷く。
5mm目のフルイに残った用土。つまり、5mm以上の粒子の土だ。
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植え土を敷く。中央は高くしておく。粒子は2~5mm。
それ以下の1~2mmの粒子は「化粧土」として使うが、それ以下は捨てる。
盆栽の用土は基本的に「粒状」のものしか使わない。
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↑用土の配合は、その時の在庫状況により多少は変動する。
数年に一度、まとめて作っておくから。今回の具体的な配合割合は、
硬質赤玉土:7
桐生砂:1
日向土:1
川砂 :1
私はもう雑木盆栽しか所有してないので、上記はそれ用。
松柏類は砂の割合が多くなる。

そして、木を据える。
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中央を高く盛った用土を押し崩すように、少し回転させながら、据え付ける。
地上部の幹模様や枝付きがよく見える「正面」を見据え、同時に鉢の表面から出る根張りの高さなど、三次元的によく吟味する。
ただ、この木はもう何年も同じ事を繰り返してるので、さほど難しくはない。

位置が決まったら、針金で固定する。
1年もすれば、抜こうとしても容易には抜けないが、植え替え後は確実に固定するのが基本。
根が伸び出した時に少しでも動くと、その新根が切断されてしまうし、せっかく決めた正面がズレてしまってはまずいから。

この木も底方向にはまだ余裕(根が伸びるスペース)があるが、周囲はもうギリギリという感じ。幹の太りと共に、根張りも大きくなって、この鉢では限界に近い。かと言って、これ以上、大きな鉢にはしたくない。
現状でも水を吸うと20kg近くあり、これ以上、大きく、重くしたくない。
枝が張ってるから、手を伸ばした状態で持ち上げなくてはならず、移動が辛いから。

周囲の隙間に用土を入れて、箸ですき込む。
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中空な部分が無いように、用土を押し込んで行くというか。
この後、両側から鉢を叩いて、振動を与えて、用土を落ち着かせ、表面をハケでならす。

そして表面に刻んだ水苔を敷いておく。鉢土内を保湿し、表面の乾燥防止の為。
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↑もう暗くなってしまった。

この後、表面に赤玉土と富士砂を1:1で配合した1~2mmの「化粧土」を敷いておく。
見栄えをよくするのと、土の乾き具合がわかりやすいから。
赤玉土は水分の含み具合で色変化が大きいので、水やりのタイミングがわかりやすいのだ。
ただ、赤玉土だけでは潰れやすいので、硬質な黒い富士砂を混ぜておく。

植え替え完了後。翌日の姿。
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こうして見ると、なんかパッとしない。
それもそのハズで、左側の中間の枝が枯れてしまってる。もう何年も前に。
その位置に必要な枝なので、「通し接ぎ」で枝を再生させたいのだが、その為の新芽がまるで伸びてくれないんだ。

遠目に、ちょっと斜め横から見ると、十分に国風展クラスの盆栽に見えるのだが。
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盆栽愛好家はそうした「展示会」に自分の盆栽を出して、自慢したいもの。
その展示会の為に盆栽を買う人もいるくらい。
私はそういう○○会とかが大嫌いなので、一切かかわらない。
ただ、かつて、盆栽の手入れを仕事にしていた時代は、そうも言っておれず、展示会にお客さんの木を並べたり、あるいは町の名士とか、地元出身の議員さんの名で、私の盆栽を展示した事もあったけど。

このモミジの盆栽は種を撒いて45年と先に書いたけど、以前にもこのブログに上げた、一番古い写真は以下の1990年。
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1992年になると、面影が出て来る。
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この植え替え直後、足元の傷の対処をした。
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もう10年ほど前か、右側面の足元に「やけ」が入ってしまった。つまり、樹皮のすぐ下が枯れて、表面からはわかりにくいけど、ある日、その部分がボコボコと柔くなって、ちょうど床が腐って抜けるみたいに。
その枯れた部分を大きく切除して、生きてるところを出して、そこからの肉巻きを期待するのだが、なかなか埋まってくれない。これでも大分小さくなった。

今回も周囲を削って、新たな傷を作り、それを癒合しようとする力を借りて、この穴を埋めるように進めたい。
傷の中央は腐りが進行しないよう、エポキシで固めてある。
周囲からの肉盛りは、木自体の太りを伴うので、傷跡が段々と陥没して深くなる。そうなると、なかなか穴がふさがらないので、またエポキシなどで穴埋めをするという繰り返し。
この後、この上から「カットパスター」という粘土状の癒合剤を貼り付けておく。
その製品はこちらから。この使い方や効果は、このモミジでの私のレビューを参照して欲しい。

モミジはこの後、新芽が出て来ると、極力早く「芽摘み」をする。
葉と葉の間、つまりそれは芽と芽の間である「節間」を極力短くするため。
放置すると、軸の部分が間延びしてしまうからだ。
しかし、私のモミジは前述の「通し接ぎ」の為に芽を伸ばしたくても、もう伸びてくれない。
だから、慌てて「芽摘み」する必要はないが、代わりに大量の「花」が咲く。
これも、木の成熟化というのか、老化というのか、若くは無い証なのだ。
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この花を拡大すると、
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鑑賞用でもないし、この花はなるべく早く摘み取る。
植物は全て、花を咲かせるのにも体力を消耗する。まして花の後に実を付ければ、それだけ体力を奪われる。
実も鑑賞の対象となる「実物盆栽」(みもの)なら別だが、モミジは「葉物盆栽」(はもの)なので、花は必要無い。
私のモミジの場合は、そうして余計な体力を消耗すると、それはイコール枝枯れにつながる。

この春も、新芽が吹かずに、枯れてしまった枝が散見される。
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どうしても懐の(内部の)枝は枯れやすいのだが、幹の付け根から丸ごと枯れられると痛い。
管理が行き届かないとか、夏の水切れとかは無いのだが、樹齢から来るものなのか、つまりもう歳なのか、このモミジも山桜もそういう事が多くなって来た。

以下の黄色の丸印の部分が、もう何年も前に枯れてしまった枝で、まだこの付け根は生きてるので、なんとか「通し接ぎ」で枝を再生したいのだが。
赤の楕円で囲った枝が、かつて「通し接ぎ」をしたもの。
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「通し接ぎ」とは、伸ばした枝を幹にドリルで穴を開けて通す接ぎ木法。
癒着したら、通した反対側を切断する。
これ以外の呼び接ぎなどの接ぎ木法だと、後に元からポロっと取れてしまう事があるんだ。
その通し接ぎをしたいのだが、新芽が伸びてくれない。
それで、「取り木」をかけて、根を出させて、それを通そうかと考えてるのだが、その「取り木」自体も成功しない。枯れてしまうのだ。
モミジは根が出やすい樹種なんだが、それだけ古くなって、枝の代謝が悪いのだろうか。

ついでにその「取り木」を紹介すると、
樹皮を環状に剥皮する。
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そこに発根促進剤を塗る。
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水苔をあてがい、ビニール袋で包んで保湿する。
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樹木は樹皮のすぐ下に「師管」と呼ばれる葉で作った養分が送られてくる部分があり、そこを遮断する事で、養分が葉のある側(画像で左側)に溜まり、そこが膨らんで、やがて発根する。
樹皮と師管が切除されても、その下にある「道管」により、根からの水分などが補給されるので、枝葉が枯れる事はないのだが。

枝先を切って、土に挿す「挿し木」では発根しづらい樹種でも、取り木だと発根する例は多い。たとえば松など。
それだけ容易な発根法なんだが。

なお、モミジのこの後の手入れは、枝があまりに混み過ぎてるので、葉が完全に展開してかたくなった5月頃、一節から2枚の葉が出てるのを、片方を切り落とす「葉透かし」をする。
そうしないと、懐枝が蒸れて、枯れてしまうのだ。

Posted at 2021/04/08 21:48:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 盆栽 | 趣味

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