2016年12月09日
こんばんは~
今日の車名ネタは、昨日に引き続き、トヨタからソアラの車名にまつわる話です。
今は、トヨタ車のラインナップから車名がなくなったソアラですが、実は、この名前に決まる前に、二つの名前があったことはご存知でしたか?
「フェニックス」と「キメラ」という名前が上がっていたそうです。
ただ、フェニックスは英語で「不死鳥」の意味で゙死″の言葉が入りますので、ふさわしくないとのことでボツになりました。
また、「メキラ」は、仏教の十二神将(じゅうにしんしょう=薬師如来に付き添う12の武将)のひとつ「迷企羅大将」に由来します。これは、デザイナーからの提案で、クリーン&シンプルな車両の外観に似合うように、仏像をモチーフにしたエンブレムを選んだそうです。
日本的な名前は海外に持って行った場合にアピール出来るという意図もあったようですが、モスラやゴジラのように響きが怪獣のように感じられるということでボツとなり、結果的に、「ソアラ」に白羽の矢が立ったのでした。
さて、このソアラですが、正確に発音すると「ソーラー」ですが、他社が所有する「SOLA(ソーラ)」、「SOLAR(ソーラー)」という商標との類似を避けて、より日本語の響きがいい「ソアラ」と読ませた。トヨタの特許部では意味も違うし、スペルも発音も異なるので大丈夫だろうと判断して、「SOARER」を特許庁に申請したそうです。
ところが、すでに類似した商標がすでに存在しているということでNGになってしまったそうです。
通常は、ラインオフの約1年前までには車名が決まっていなくてはならないので、あまり時間がなかった。そこで、抵触する商標を購入してしまえば、SOARER(ソアラ)が登録できるということで、担当者が某社に赴き交渉するもあっさりと断られてしまったそうです。
そこで、当時の開発責任者であった岡田 稔弘氏自らがその某社に向かった。
「来年発売する新車にソアラという名前を付けたいのですが、類似商標を売って欲しい」と言ったそうです。
今現在ではあり得ませんが、新車の写真や資料をすべて、相手に見せてしまった。
その熱意が相手に通じたのか、類似商標を入手したそうです。
岡田氏はこう言っています。
「もし、商標を譲渡してくれなかったら、ソアラはメキラになっていましたね」
岡田氏の熱意と他社の粋な計らいによってトヨタから名実とともに、「SOARER」という名前が誕生したということです。
ちなみに、特許庁への商標の申請は1979年7月でした。
これが、ソアラという名前がなかったらメキラになっていたというお話でした。
※お断り
これも昨日と同様に車名博物館という本から一部変更して引用しました。
以上です。

Posted at 2016/12/09 22:36:17 | |
トラックバック(0) | モブログ