おはようございます。
今日のお話は、いすゞ117クーぺです。
「車名博物館」より。
いすゞは製品を国際レベルに引き上げる為に、イタリアの車体のデザインを手掛けるカロッツェリアの一つで「ギア社」に新型のファミリーセダンのデザインを依頼しました。これが小型車ベレットのメカニズムや生産設備を生かして誕生する1.6㍑セダン「フローリアン」です。このクルマはいすゞ社内の開発コードでは「117」と呼ばれました。
その後、ギア社に移籍したカーデザインの巨匠ジョルジェット・ジウジアーロ氏の提案によって製作された、ファミリーセダンのシャシーをベースとした4人乗りのスポーツクーぺの試作車を、1966年3月のジュネーブショーにギア社のブースで展示することになりました。その名は「いすゞ-117スポルト(Ghia-Isuzu117Sport)」。117という名前が初めて表に出たのはこの時でした。
(中略)
1966年秋に開催された第13回東京モーターショーでは、改良を加えた試作車を「117スポーツ」の名前で参考出品(イタリア語の「スポルト」を英語読みの「スポーツ」に変更している)。同時に本命だったファミリーセダンの試作車も、まだ名前が決まっていなかったこともあり「いすゞ117」という名前で公開されました。
翌年秋(1967年)にも「117スポーツ」としてモーターショーで展示されましたが、1968年10月発表の市販モデルでは「117クーぺ」の車名になりました。この当時、117(イチイチナナ)という数字の記号名をそのまま車名として使うケースは極めて異例でした。当初は固有の名前も検討されたそうですが、『モーターショーで公開され知名度が高まっていたこと、また当時ジェームス・ボンドの007シリーズが人気を集めており117とオーバーラップし語呂も良かったこと』(ドライバー誌 1975年1-20号)などの理由で、開発コードがそのまま車名になりました。映画のタイトルが車名に影響を与えるとは、ちょっと意外なことでした。
ちなみに、皆さんはこのことはご存知でした?
一方で、後半の「スポーツ」については「クーぺ」に改められました。クーぺは、馬車に端を発し、自動車では本来「2人乗りで2ドアの乗用車」を指す名前ですが、4~5人乗りでも、後席から後ろにかけて緩やかに傾斜する形状を持つクルマを「クーぺ」と呼びます。スポーツカーは純粋に走りを楽しむクルマとして居住性や快適性が多少犠牲になる場合もありますが、117クーぺは実用性に配慮した4人乗りクーぺを意図して造り上げました。その為、最終的には、゙スポーツ″の名前は避けたようです。記号名はそのまま使いましたが、コンセプトに関わる部分は見直したのです。
いかがだったでしょうか?最後に、117クーぺの市販モデルと、ジュネーブショーに出品された試作車、ギア-いすゞ117スポルトの画像をお見せしてこのお話は終わります。
朝から失礼しました。



Posted at 2017/01/28 09:18:36 | |
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