海上自衛隊所属の南極観測船「しらせ」(1万2650トン、大鋸(おおが)寿宣艦長)が9月9~12日、6年ぶりに稚内に寄港しました。稚内市が中心となって進める南極観測60周年記念事業のメイン行事で、船内の一般公開がされました。しらせ」は4代目の南極観測船として、2009年に就航。全長138メートル、幅28メートル。厚さ1・5メートルの氷を割りながら航行することが可能で、観測のための最新鋭の設備を装備、「しらせ」は2010年に稚内に寄港しています。2011年9月2日に石狩湾新港に初寄港していますが、小樽港には、いまだに立ち寄っていません船体表面は砕氷字に海水の衝撃を受けて、通常の船底塗料では容易に剥離していまうとのことです。塗料の剥離は船体外板の腐食につながり、船体表面粗さが大きくなって船体抵抗が増加燃料消費にも大きな影響を及ぼす。旧 しらせ では エポキシ2液型の氷海塗料を使用していたそうですが、それでも耐氷帯の船首部および船尾部では、塗装が剥離し ドック入りごとの補修を行っていたとの事です。[しらせ]では 氷海塗料に変わりステンレスクラッド鋼を使用して、防食性能の向上と船体表面粗さを小さく保つ工夫を行っているそうです。 喫水付近は一航海の間に極めて厳しい腐食環境にあり喫 水付近にはスーパーステンレス鋼である 25Cr-22Ni-4.5Mo-0.2N オーステナイトステンレス鋼 (商品 名 JSL310Mo)15)を合わせ材としているとの説明です。 室温では粘り強い材料が氷点下の低温になると急激に脆くなる現象を低温脆性といい,寒冷地で使用 する材料はこの低温脆性が起こりにくい材料が必要になるそうです。そこで,ステンレスクラッド鋼は,優れた 耐食性を持つ合わせ材と低温脆性が起こりにくく強度の高い EH36 級の低温用高張力鋼の母材を組み 合わせているるとのことです。 船首部の常時没水部には,合わせ材を SUS317L としたステンレスクラッド鋼が使用されていて 喫水下のその他の部分には,従来の耐氷塗料が塗装されていると説明を受けましたまた,氷片との干渉を考慮した特殊な 電極を配置する外部電源方式の電気防食システムを採用しているとのことです。電気防食用の電極は高い氷圧力を受 ける船首部分を避けて設置されているが,ステンレスクラッド鋼と塗装した炭素鋼の異種金属から成る 船体全体が電気防食できるように電極配置が設計されているそうです。 一日艦長は サンミュージック 札幌オフィス 主将 谷口郁美 さんです。