
例のチューンドMA09ですが、
故障の内容と考えられる原因について、
報告したいと思います。
オーナー様からエンジンの調子が悪いと言われ、
実際に試乗してみると、
まずアイドリングが非常に不安定で
2千回転位でないとエンストする程でした。
また、エンジンの吹け上がりが非常に悪く、
最大でも5千回転位までしか回りませんでした。
表現としては1発死んだ様な状態と言うのが適当だと思います。
加速時にはマフラーから黒煙も出ていました。
タペット音は以前から出ていましたが、以前よりも大きい事が気になりました。
オーナー自ら部品を交換する事があるので、触った箇所を聞き出し探る事から始めました。
CPUの配線周りやIGコイルを見ましたが、とくに異常は見当たりませんでした。
次に各スパークプラグを点検したところ、1番シリンダのみ黒くすすけていました。
少し前にプラグコードは交換してあるし、あの大きなタペット音といいこれは怪しいと思い、
思い切ってヘッドカバーを開けて見ました。
するとなんと・・・
1番吸排のロッカーアーム先端がバルブ先端からズリ落ちて、
直接リテーナーを叩いている状態でした。
ずれたロッカーアームは偏磨耗しバルブ先端も丸くなり、
リテーナーは割れてしまっていました。
また、フロント側のロッカーシャフトボルトが緩んでねじ山が潰れてしまっていました。
ロッカーアームがロッカーシャフトの軸方向へずれない様にする為、
スプリングやガイドがあるのですが、それが折れてロッカーアームが左右に
動いてしまいバルブ先端からズリ落ちてしまった様です。
これではバルブが十分に開閉せずに1発死んだ様になってしまうのは当然です。
多くのエンジンはコイル状のスプリングでロッカーアームを押さえますが、
MAエンジンは画像左側にある様な板状のスプリングやガイドで押さえます。
コスト面からなのかは判りませんが、コイルスプリングに比べ、
耐久性が高いとは思えません。
それらが折れた直接の原因として考えられる要因は・・・
オイル管理を怠っていた事による磨耗。
バルブクリアランス過大によりロッカーアームの振動が大きくなった。
上記振動もしくは何か他の原因によりロッカーシャフトボルトが緩んだ。
と言った辺りではないかと思います。
実はこのロッカーシャフトのボルトがどうも謎でして、
ボルトは確かに画像の通り緩んで山が削れてしまっていましたが、
このボルトには締付け後にボルトストッパーなる物を叩き込み回転を押さえる為、
振動等で容易に緩んでしまう様な事は考えられません。
ただ、それ以外の要因でボルトに緩みが生じる事も考え難く、
人的要因で緩んだ以外で考えられる要因は未だ見つかっておりません。
不具合が起きる直前にディーラーでタイミングベルトの交換を実施しておりますが、
この作業工程においてロッカーシャフトを外すまたは緩める必要は無い為、
そこに原因があるとは思えません。
今ひとつ釈然としない部分はありますが、
MAエンジンはバルブクリアランスの調整とボルトの締付け点検をしておいた方が、
余計な故障を起こす可能性は低くなるという事は言えると思います。
まぁMA09はヘッドカバー外すの面倒ですけどね・・・
Posted at 2007/02/05 00:40:30 | |
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