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イイね!
2016年08月02日

セリカ(ZZT231) VS 86(ZN6) 素人が語る、トヨタスポーツの王道は・・・??

あっづうういいいおおおおうううう~
この間、カートの耐久レースで中度の熱中症になり、幸い帰路には戻れたものの、未だカート酔いと脱水症状&熱中症後遺症(?)の不快感に見舞われ、家でしばらく引きこもっております今日この頃。
思い切って暇な時間、こんなことをしてみました。

セリカ VS 86(BRZ)。
トヨタスポーツの新旧対立。
この2台は本当に似た者同士なのにその差は大きくなっているように感じます。
今やトヨタの86と言えば、あまり車に詳しくない若者の間でも挙げられるくらいにはなっているようですが、対してセリカは。
そうでもないみたい?
それほど特に大きな反応を受けるわけでもなし、ましてや世代違いの大人に言えばあのダルマセリカやデートカーの金字塔と言われた初代あたりを懐かしむようで、最終型ZZT231のセリカがピンとくる人はあまりいないみたいっすね・・・(泣
ですが!
個人的なところ、セリカの受けが悪い訳ではないようです。
むしろ最終型セリカの受けは最初がピンとこないだけであり、現物を前にして急に驚くって反応がむしろ大きい感じがします。
登場から10年以上経った車でも未だ近未来的なデザインは今時でも受けが悪いわけでは無いんですね。
それに、もう一つぶっちゃけちゃいますと、
86とセリカなんて違いありませんから!
・・・とカッコつけて調子乗った素人がほざいてしまいましたw
永遠のライバル、というほどでもないのかもしれませんがこの2台対決。
それは今や86が名車になってきてしまい、その影にうもれつつあるセリカのオーナーである自分からするとまさに夢の夢に感じてなりません。
と、言う訳で、今回は徹底して現実とバーチャルを駆使し、2台の対決をさせたいと思います。
セリカ(ZZT231) VS 86・BRZ(ZN6)。

①カタログから読み取る2台の印象
車にはどれにもカタログが出ます。
カタログは車を紹介するのに無くてはならないもの。
今回はそのカタログから見ていきたいと思います。
まずは敵を知る!というよくある卑劣なパターンで行きたいと思います笑
ってことでまずは86から。

・21世紀理想のスポーツカーの原点
2016年現在でネッツ店からもらった86のカタログ。
その表紙のめくった一つ目にはこうあります。

走れ86。
走り始めた瞬間から、
ドライバーと86は特別な関係になる。
アクセルを踏んだだけで進む。
ステアリングを切っただけ曲がる。
まるで自分のカラダの一部のように反応する感覚は、
愛車というより、相棒と呼ぶに近い。
意のまま操れる快感。
その直後に訪れる、信頼。
そして、1人と1台の絆は、
走りを重ねるほど、手間をかけるほど、深まっていく。
やがて、クルマが自分自身だと感じられるまでに。
「走れ、86」。
駆け出す前、胸の内でつぶやいてみる。
低重心のFRスポーツカーが、軽快なサウンドでこたえる。
手に入れるのは86ではない。86と走る人生だ。
TOYOTA86

その前までのカタログは内容がちょっと違うようですが、基本的には車の顔としてこの文が86原点と考えてよろしいかと思います。
つづいて、セリカ。
こちらはカタログが無いのでトヨタサイトのカタログダウンロードから見ました。
当初のカタログはキメた文句のようなものが無いため、2005年のマイナーチェンジのカタログから抜粋します。

(1ページ目)
思いのまま操れる。人とクルマの一体感が堪能できる。
この、クルマ本来の楽しさを追求し続けてきたセリカ。
加えて、美しいデザインであること。
それがこのクルマに、誰も真似のできない個性をもたらしている。
多くの熱い視線とスポーティクーペとしてのこだわりが磨き上げた
斬新なスタイリング、華麗なる身のこなし。
いま、希有な魅力をひときわ増幅させて、セリカは新たな進化へ。
(2ページ目)
ただ単に、際立つための個性ではない。
流麗にして完成度の高いフォルムは、
美しさという基準において、圧倒的な存在感を主張する。
洗練を極めつつ革新を重ねる中で、
常に未来を予感させるカーデザインへと向かうセリカ。
美しく走るために生まれた個性は、いま新たな輝きを発散する。
(3ページ目)
「走る・曲がる・止まる」―そのすべての瞬間で、
ドライバーの意志を忠実に実行するために鍛え抜かれた
エンジン、ドライブトレーン、サスペンション・・・。
そしていま、新しいセリカが目指したのは、
走りの質感をさらに高める軽快でリニアなフィール。
ここに、かつてないほどに胸躍る
セリカのスポーツドライビングの世界が始まる。

セリカのがちょっと長いですね。
でもそういった点では同じカタログでも86の新車当時のカタログも同じくらいだったと思うのでまぁいいかなと。
このカタログで感じられる点とすると、まず86は走りやそのフィーリング、そしてその一体感などを重視して書き込まれている点。
対してセリカはデザインを重視した評価、加えて走りやフィールは次いで付って感じ。
まぁこの最後の訴え方も悪くはないのですが、走りのフィールをより目を惹くのは86の方が個人的にはリード感があります。

②デザインで感じ取る
セリカのデザインも良いのですが、86が出た時も正直目を惹いた一つでした。
というよりも、元々最初にこの類を初めて見たのは86ではなくBRZの方でした。
スバルのCMでBRZが出てきたときには「なんだこの車は!」と画面に目を近づけました。
まぁデザインの感性は人それぞれなので正直これに関してはなんとも言えないですね。
強いて言えばどっちもカッコイイかなって感じ。
ただ一つ補足すると、ZZT231セリカのデザインをしたのは北米のエクステリアデザインを取り持つCALTY(Calty Design Research Incorporated)で、このデザインスタジオは2007年にトヨタ・FT-HSコンセプト(後の86)のデザインにも携わっています。
日本の限られた国内向けのデザインは日本人がデザインすればだれでも受けますが、やはりアメリカ、海外のデザインであればグローバリティなデザイン受けも良いかもしれません。
その後の86設計の統括はトヨタよスバルですが。
ちなみに個人的には。
セリカかっけぇw
まずつり目と滑らかな流線から後部のテールランプに至るまでコンセプト的、近未来的なデザインは気に入ってます。
86はというとデザインこそ悪くなく、登場当時も目を惹きましたが、セリカと比べると個人的には同等な感じ。
というよりもむしろ86はセリカと比べて少し角ばった感じがあり、この辺セリカの流線型の方が好きになります。
まぁでも同じくらいかな。
ただ同じって言っちゃうと、セリカは10年以上前の車。
対して86は2012年。
10年経ってもデザインがほぼ同じて・・・。
ちょっとこの辺どうなのと我ながら少し考えてしまいました。
まぁ、見方は人それぞれですけどね。

③スペックから分析してみる
クルマの性能、これはまずスペックからなります。
走行性能、これの値を比べることで性格が何となくわかってくる感じがします。

・86の場合
ここではウィキペディアの掲示されているスペックとカタログを基に提示します。

駆動方式:FR
エンジン型式:FA20型水平対向4気筒DOHCポート噴射+筒内直噴(D-4S)
排気量:1,998cc
最高出力:147kW(200ps)/7,000rpm
最大トルク:205N・m(20.9kgf・m)/6,400-6,600rpm
ミッション:6速MT/AT
全長:4,240mm
全幅:1,775mm
全高:1,300mm
室内長:1,615mm
室内幅:1,490mm
室内高:1,060mm
乗車定員:4人
ホイルベース:2,570mm
車両重量:1,210kg~1,260kg
燃費:11.8~12.8km/L
ガソリン:無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)

・セリカの場合
ここでは自分が購入検討時にGreeco channelを参考に組んだレポートをそのまま提示します。
駆動方式:FF
エンジン型式:2ZZ-GE
気筒配列:直列4気筒
排気量1800cc(1795cc)
吸気:NA
最高出力:190ps
最大トルク:18.4kgm
ガソリン:ハイオク
燃費:10・15燃費…12.0km/L 28.2mpg
8.3L/100km
車両重量:1090~1180kg
ミッション:6速MT/4速AT
定員数:4人3ドア
サイズ:全長4330x幅1440x高さ1305mm
室内寸法:全長1725x幅1440x高さ1085mm

エンジン本体の性能がまず人によっては分からないので(自分もそうですが)、とりあえず値から比較すると、排気量が200ccほどスケールダウンしている点、馬力も10ps、トルクも2kgm以上下がっている点でエンジン本体の力は86が1歩リード。
逆に重量が50kg程度セリカが軽い。
この点から見ると86が有利に見えるのですが、他のサイトを覗くとセリカの基本重量は1,120kg。
つまり、86とは100kg近い差が生まれているということに。
それもあってかセリカのパワーウェイトレシオは5.89kg/ps、トルクウェイトレシオは60.9kg/kgmに対し、対して86のパワーウェイトレシオは6.05kg/ps、トルクウェイトレシオは57.9kg/kgmという値。
パワーではセリカ有利、トルクでは86有利という結果になりました。
良いとこ勝負かな?
ところでトヨタでもちょっと有名なのは馬力詐称。
実際ここで提示した数値はカタログ上の値であり、実際の値は大きく異なります。
他曰く、トヨタ車で200psと提示したら、実際は180psもあればいい方だとの事。
なのでここではとりあえず、カタログ上での値として考えておくといいでしょう。
と、ここで維持費も考えるとして燃費。
86は約13km/Lとして、対するセリカは12km/L。
1Lほど86有利。
これはやはり21世紀の技術の賜物かもしれません。
・・・と言いたいところですが、・・・後ほど。
車体寸法は長x幅x高で86基準に差を見ると、
-90x335x-5。
長さはセリカが少し長く、幅は86が大幅といった感じ。
逆に室内寸法をセリカ基準で見てみます。
110x-50x20。
幅の影響は確かに表れていますが、長さといい高さといい、居住性はセリカがややリードしています。
ただ、驚くのはまだ早く、さらにトランクの容量。
86は243Lに対し、セリカは365Lとここは大幅にセリカが有利。
というよりこの容量、86おろかそこらのハッチバックの車よりも詰めるんじゃ・・・と思いましたがまたそれも後ほど。
とりあえずスペックの値からすればどっこいどっこいってな感じですね。

④表面評価から読み取る2台
表面評価というのは自分が今作った言葉で、簡単に言えばスペックなどもとに文句にして表しているものです。
速い話、車の解説文のことです。
ここでカタログの評価を長々書くとちょっと難しいので、今回はグランツーリスモ6の車解説文から抜粋することにしました。
まずは86から。

・21世紀のコンパクトFR像を具体化した新世代のハチロク
トヨタとスバルの共同開発による小型FRスポーツカーのコンセプトとして2009年に発表され、ファンの期待をかき立てたFT-86コンセプト。2011年、そのトヨタ版の市販モデルが東京モーターショーでついにデビューした。
FT=Future Toyotaが外れて単に「トヨタ 86」と命名された新世代ハチロクは、2011年のジュネーブショーに展示されたFT-82Ⅱコンセプトにかなり近いシルエット。エアロハンドリングと呼ばれる、前後上下左右の各方面から車体を路面に押さえつける発想でデザインされている。
フロントミッドに搭載される自然吸気の1,998cc 4気筒DOHCボクサーエンジンは200PS/7,000rpmと20,9kgfm/6,600rpmを発揮し、ストロークの短い6速MTまたはパドルシフト付6速ATを経由して後輪に伝えられる。
前後重量配分は53:47で、操舵感とテールの動きのコントロール性を考慮した数値。重心高は460mmとスーパーカー並みの低さだ。車重は最も標準的なグレードのMT仕様で1,230kg。LSDが標準で備わるグレードも用意された。
新世代のハチロクは、俊敏な走りとコントロールを楽しむために、あらゆる部分が徹底的に考え抜かれて専用開発されている。その甲斐あって、まるで手足の延長上にクルマがあるかのような、ダイレクトで一体感のある痛快なハンドリングを心ゆくまで味わい尽くせるスポーツカーに仕上がった。
同時に、モデリスタやTRDのカスタムパーツが多数ラインナップされるほか、競技用のベースに最適なカスタマイズグレードも用意される。クルマ好きの心をどこまでも大切に考えた、新世代のライトウェイトスポーツである。

とりま評価は後ほどとして次にセリカ。

・WRCから解き放たれクーペ本来の魅力に立ち戻った7代目セリカ
1999年9月、セリカは7代目へとフルチェンジを果たした。トヨタを代表する伝統的スペシャルティ・カーの今回のテーマは「スポーツ・スペシャルティの復権」。つまり原点に立ち返り斬新なスタイル、軽快な走りを追求したのである。
エクステリアはCALTY、つまりトヨタのカリフォルニア・デザインセンターの手によるものだが、そのフォルムは今までのどんな車にも似ていない、個性的なものである。
ボディサイズは、全長4,335mm、全幅1,735mm、全高1,305mm。旧型に比べて大幅に短く、狭く、大胆なウェッジシェイブ。ディテールに関してもヘッドライトは縦長の三角形、リアコンビランプは縦長のほぼ長方形と非常にユニークだ。インテリアはクロスオーバーコックピットと呼ぶレイアウトを採用。運転席と助手席スペースを均等にし、前列重視を明確にした。
いっぽう、パワートレインは従来のWRCベース車だった時代からは完全に脱却。駆動方式はFFのみでエンジンも自然吸気だけとなった。
グレードはSS-ⅠとSS-Ⅱの2種類があり、どちらも1,8Lの直4DOHCエンジンを搭載するが、そのスペックが異なる。SS-ⅠのエンジンはVVT-i、可変バルブタイミング機構つきで145PSを発生。いっぽうのSS-Ⅱのエンジンは可変バルブタイミングにリフト機構を加えたVVTL-iを組み合わせて190PSを発揮する。SS-Ⅱではマニュアルミッションが6速になり、フロントサスがスーパーストラットとなる。
WRCから解き放たれたことで、セリカは肩の力が抜け、本来の魅力を取り戻したように思える。今見ても、そのスタイリッシュさに目を奪われる1台である。

うーん、これもやっぱり86の走行のフィーリングなどが深く切り込まれている感じ。
唯一セリカはVVTL-iエンジンが搭載されていることやスーパーストラットサスペンションが搭載されていることに触れられていますが、やはりスタイリングに関することが多く、スポーツの操縦性といい、走りの質感といい、表現が強いのは86の方に感じられます。

⑤乗って試して比較して
さて、長々と表面上の値や文句に期待せず、早速乗ってみましょうということで。
それぞれ実際に乗った時の感想、素人インプレッションでやってみたいと思います。

・一体感と安定したスポーティな走行に感動
その最初の86ですが・・・実はセリカ前に乗ってみていました。
というのも、お台場のメガウェブで免許習得前に友達の運転の横に、習得後に自分でメガウェブにて乗車した経験がありました。
その後、トヨタレンタカーの方で86を借りて東京~もてぎを往復しました。
まず、乗った感じですが・・・。
友達曰く、車高が低くて、前が見えなかったとのこと。
友達は比較的身長が低く、座高を高くしても前がほとんど見えなかったとのこと。
実際、横で乗ってましたがなんとなく分かる感じがします。
ただ自分で乗ってて分かったのは、それが86の作りだと分かります。
86は低重心のFRスポーツというのもあり、コックピットから低い目の前が広がります。
これは確かに低いわけで。
走った時にも実際、その低重心の感覚が分かります。
そして何よりFR駆動と53:47の重量配分から生まれるコントロール性の気持ち良さ。
これは必ずしもその走る楽しみを生むだけでなく、安全にスポーツカーを楽しむという上で最高の仕上がりだと思います。
それからマフラーから吹け上がるスポーティな音響。
これもまた86の魅力の一つでした。
セリカに乗り始めても未だメガウェブで86に乗ると車との一体感、スポーツカーのワクワク感というのが覚えています。
・・・ところが。
この間唯一86の乗り場だったメガウェブの試乗ラインナップからついに86が消えてしまいました。
やはり安定性も高いスポーツカーなだけあって調子に乗ってしまう輩が増えたのでしょう。
ちなみに自分も最後にメガウェブで乗った86はかなり悲惨な姿になっていました。
マフラーは軽自動車のようにか細く、シフトフィールもブヨブヨ。
86、可哀想に・・・。
恐らくこの86でも乗りなれない人や調子に乗る気分をある程度抑えるために加工した点もあるのかもしれません。
ですがこんな短いコースの中でここまで姿を変えてしまった86には悲しい気持ちでなりませんでした。
ただこういう車というのはなかなか乗りなれていない人が多いらしく、レンタルした時も乗りなれない人が度々事故を起こしたり、高い頻度で部品交換を余儀なくしたりすることが多いそうです。
スペック上は控えめスポーツカー、されどやはりスポーツカー。
恐らくはゲームなどで力中心だった人が実際のフィールをよく理解せずに乗った結果、こんなことが起きるのでしょう。
実際、自分も今まで教習車のパワーと86に乗った時のパワーの違いには驚きました。
というのも、自分もその前まではグランツーリスモばかりでしかもレーシングカーで力でゴリ押し派だったので全く理解できていませんでした。
しかもその時ゲームでやっていたのはLMPやグループCカーでしか走っておらず、逆にツインターボのスポーツカーに乗ると全くパワーを感じず「なんだ、この程度か」と感じていました。
やはり現実を知る!これが大事ですね。
少なくとも86はやはりスポーツカーでした。
加えて数々の名車から引き継がれた技術もあり、この走りの素晴らしさ、フィールを感じさせてくれるのでしょう。
ところが。
まず難点1つ。
リアシート。
はちゃめちゃ狭いw
家族で行ったときはリア側に座るともはや足を折って胡坐体制でないと乗れません。
しかも前のシートもそれでも狭く後ろにするとリア側では足をその下に引き込まれて動けなくなります。
86のリアシートはやっぱり”ついで”で付いてるくらいで基本は2人乗りですね。
まぁトランクに載せきれなかった荷物を置くにはあると良いですね。
ただ、リアシートのリアウインドウがちょっと広めで、んあーと首を伸ばすと目の前に空が広がり、心なしかサンルーフ感が味わえるという。
・・・どうでもいいかw
トランクも243Lとはありましたが、心なしか実際は狭く感じました。
前に父が乗っていたのはカリーナEDのセダンで、その広さがちょっと頭の片隅に残っていたのかもしれません。
それと比べてもしょうがないのでしょうけど。
やっぱり86は走るための車でした・・・。
あ、あとFRだからか後ろ乗っててもあんま酔わなかった・・・(いや関係ないかw

・86の感動とセリカ・・・変化、ある?
それからはメガウェブに通いつつ86に乗って楽しんでた自分ですが、ついに自分で車を買うことに。
無論当初は86を考えていましたが、まず何よりも値段。
中古価格でも100万以上する値段にそうそう金欠の学生が手を出せるほどでもありません。
ただ86と似た者同士とトヨタでセリカに目をつけました。
それからはベスモのセリカ企画の動画などでこき下ろされるセリカをよそ目に、2か月ほど警備関係のバイトをフルで入れ、たまたま田舎の小さい中古車店でセリカTRDスポーツMを見つけ、補助で親からの援助ももらいつつ購入に至りました。
最初セリカのコックピットに乗った感覚、それは”丁度いい”という感覚でした。
86は低重心でこれも魅力でしたがセリカはそこまで低重心ではなくとも、スポーティな感性を引き出す感じがしました。
エンジンを掛けると当初考えていたよりは音が良く、室内までもそのスポーティな音が響いていました。
TRDのスポーツマフラーを元から付けているという点もあるのかもしれませんが、それでもこのマフラーに限らずエンジンの音の響き方には感動を覚えました。
それから購入。
いざ納車日に初めて乗り出した時、クラッチの鋭さにおどろきました。
86でも何度かエンストしたのですが、セリカの時はエンストこそしないよう気を付けていたのですがそれでも発進時、シフトチェンジ時のその度のクラッチの鋭さは86とは違ってまた驚きでした。
ハンドリングもスポーティ車としてはやはりそれなりな重量感があり、同時に操る楽しさも十分にありました。
FFはアンダー車という常識観もセリカは通常で走っている時はそんなに感じず、むしろ高速走行時も安定した走りがあり、まさに86の時と同様に安全に走る楽しさがある感じがしました。
そして何より加速感。
86を覚えたてのその時の加速感は、あれ86と変わんねぇw
・・・っていうか、むしろこっちが強くね?って感じ。
エンジンの吹け上がりも、フィーリングも個人的にセリカの方が良く感じました。
ただ一つ、度々言うとこの車はTRDスポーツMで、モデリスタが専用チューンで出したコンプリートカーであり、ノーマルとはやや違う点もいくつかあるのでご了承ください。
ただ、そうだとすると前述したウェイトレシオの差をつけるとなると86とセリカって変わんないんじゃないの、という感じがしました。
そうなるとそれこそVSの意味がなくなるかもしれませんが、ここで今一度言っておきます。
セリカは1999年生まれ、今から15年以上前のぎりっちょ20世紀の車です。
対して86は2011年。
登場から5年程度しか経ってない21世紀の車です。
その86が10年以上前の車とフィールがこれほどにしか大差ないのはトヨタのスポーツ車の進化ってどうなの・・・と一瞬考えてしまいます。
となると、セリカが良い車なのか。
ここで難点を言うと、まずスーパーストラットの小回り。
これはちょっとでかく、5.7m。
これは4WD車とほぼ互角です。
加えて前のオーナーが車高を落としたらしく、小回りがどれくらい広くなったのか分かりません。
交差点での転回や細道でのクランクはちょっと一苦労です。
それからFFだからもあってか、やはりアンダーも出る時は出る。
峠のワインディングでもちょっと踏み込むとギュオーンとタイヤが鳴ったり、切っても外へはらむ感じもいささかあります。
その点は86有利。
それから後部座席がちょっと酔う。
運転を親父に変わり、峠で後部座席に乗ってましたがガッツリ酔いました。
まぁ親父も調子に乗ってたのもあったのかもしれませんが。
ただ86と比べると実用度の高さもあり、リアシートも狭くとも足は入るし、まだ快適です。
そして何よりトランクの広さ。
旅行では旅行鞄や、ダンボール一つ分の食べ物に加え、ギター1本を積みましたが、まだギリギリ余裕があります。
これもまたFFならではの有利な点ですね。
それから燃費。
86の燃費を体験したことが無いので何とも言えないのですが、みんカラを見ていると11~13、良いときには15km/Lなんて数値も出るので良い方だと思います。
ところでセリカもバラバラで、12~14km/Lくらいで86と同じくらいでしたが、納車の日にガソリンスタンドを転々として計算したところ、最初は満タンと違って5や6km/Lくらいとビビりましたが、改めて満タンにし直して計算したところ、なんと驚異の16km/L超。
無論かなり低燃費走行で回転数も2,500rpmに抑えたりして走りましたが、それでもこの値。
TRDスポーツMが他より少々燃費が良いというのも聞いたことがあったのですが、それでもこの値はクーペのスポーツ車としてはなかなか良いと思いました。
が。
話は変わり、乗り心地についてですが。
正直なところ、86の乗り心地の悪さはあまり感じませんでしたが、むしろセリカは・・・ちょっと激しい。
車高が低いのもあるかもしれませんが、何より地面の物を全て拾う感じで荒い舗装路に入ろうものなら車内がはっちゃかめっちゃかに揺れます。
実際後部に座っていた友達はそれで尻が痛くなったとのこと。
ヤバいっす・・・w
ただノーマルだとどうだろう。
と思いつつ再びみんカラ。
うん、悪そうw
乗り心地はやっぱり悪いですね。
ただやっぱり86と同じくセリカを先輩に乗せた時も「これってやっぱり走るための車だよね!」と言っていましたので、趣旨は同じかなと。
少なくとも結果的に感動的にはどちらも同じ、個人的にはむしろセリカが安定したスポーティさでは有利かなと。

⑥サーキットで試すセリカVS86
車の性能差を明らかに引き立てるのであればやはりサーキットのスポーツ走行。
これが決め手になります。
というところですが、実は既にある程度の結果が出ています。
以下はふな天 Garage及びyahoo!知恵袋からの抜粋です。


・発進加速性能
0-200m(秒)
BRZ 10.04
ZZT 10.19

0-400m
BRZ 15.27
ZZT 15.50

0-60km/h
BRZ 3.66
ZZT 3.6

0-100km/h
BRZ 7.35
ZZT 7.7


・追い越し加速
20-60km/h
2速
BRZ 4.1
ZZT 4.4
3速
BRZ 6.48
ZZT 6.0
4速
BRZ 9.10
ZZT 8.2

40-80km/h
2速
BRZ 4.23
ZZT 4.4
3速
BRZ 5.67
ZZT 5.6
4速
BRZ 7.39
ZZT 7.5

60-100km/h
3速
BRZ 5.6
ZZT 6.0
4速
BRZ 7.25
ZZT 7.6
5速
BRZ 8.73
ZZT 10.4

・筑波サーキットでのノーマル車のラップタイムにて(いずれもドライとのこと)

セリカSS-Ⅱ(ZZT231・6MT)1分10秒20
セリカSS-Ⅱ・スーパーストラット仕様(ZZT231・6MT)1分10秒20

TOYOTA 86 G (6MT) 1'09"776
TOYOTA 86 GT Limited (6AT) 1'10"856
SUBARU BRZ S(6MT) 1'09"820
SUBARU BRZ R(6AT) 1'10"791

これを見ると86の方がやや上、セリカはやや下といった感じでしょうか。
やっぱりスポーツ車では本格FRのスポーツカーが上なんだろうなぁ・・・と思いつつ、やはり納得いかないのは10年以上の差が結果的にこの差ということです。
これだけではイマイチ納得がいかないので自分で実際に試してみることにしました。
とはいえ、自分のはノーマルじゃないし、86持ってないし。
かといって実際にサーキット走ろうにもお金とリスクが掛る。
ここで利用するのが、現実誤差が数%と言われるグランツーリスモ6。
こちらでノーマルのZZT231セリカと86、BRZを走行させてみたいと思い、同じタイヤと環境条件下で筑波を5周、ニュル北を3周した中でのベストタイムを比べてみようと思います。
コントローラーはLogitech G27、
どれも購入当初のノーマル状態、タイヤはコンフォート・ソフトに統一。
走行はBRZ、86、ZZT231の順でそれぞれのベストタイムからゴーストを後追いする形で行います。
ゲーム内ではPPと呼ばれる車の総合評価数が与えられています。
その中で86とBRZはそれぞれ407、セリカは395でした。
まずはBRZから。
86とBRZの違いは、簡単に言えば86はドリフト志向、BRZはグリップ志向の違いということです。
自分はグリップ志向なのでBRZも86もそれぞれグリップで走らせます。
アシストはABS以外はOFF/0、コース設定は15:30で天候は晴れ、グリップ低下リアル、開始気温27℃で開始しました。

・BRZの結果
1:1'09.865
2:1'09.619
3:1'09.353
4:1'09.981
5:1'09.673

Best Lap:1'09.353

BRZはやはりグリップ重視というのも納得できる足回り、というかトラクション?でした。
踏んで行っても滑ったりはせず、適度なグリップがしっかりとしていました。
むしろ、あまりに踏んでもオーバーが出ないため、むしろアンダーか?と思わせる節も。
5周全て1分10秒台を切る安定したタイムだったのでかなり良かったと思います。
続いては86。
時間天候変わらず、気温だけ25℃でのスタートです。

・86の結果
1:1'11.364
2:1'10.939
3:1'09.640
4:1'10.051
5:1'09.784

Best Lap:1'09.640

両者ともコンマ3秒ほどでほとんど変わらないなっていうのが感じ。
ただ、BRZと比べると86の方が少々扱いが難しく感じました。
BRZは最初から安定しており、グリップ派には最初から扱いやすかったのですが、86の場合トラクションのかかり方が理解できず、やや踏み込みが過ぎるとオーバーでした。
これを見極めるのに多少時間がかかりました。
でもノーマルだと考えたほど変わりがありませんでした。
続いてはお待ちかねZZT231セリカ。
気温は26℃からのスタートです。

・セリカの結果
1:1'10.340
2:1'10.300
3:1'10.269
4:1'10.998
5:1'10.697

Best Lap:1'10.269

BRZの最速タイムから1秒弱ほど。
ただそのフィーリングはもはや厳しいものでした。
一言でいうと、まさにアンダーと格闘。
ただFRとは違って踏み込んで行ってもオーバーが出ないので個人的には安心でした。
アンダーの強さはFF独特で仕方がないとしても、安定したコーナーリングは出来ており、比較的に1分10秒台で安定は出来ていたと思います。
ただ1秒差でも86の安定とセリカの安定はやはり違いました。
低重心の安定した走りに対し、アンダー気味の安定した走り。
アクセルとブレーキでぶん回せるのはセリカ、ハンドルでぶん回すのは86といった感じでしょうか。
ただ86の安定に対してやはりセリカはFRのようにオーバー流しとは対照的に、常にアンダー垂れ流しで走っているような感じがしました。

結局筑波では1秒弱の差で86の有利。
ただ1秒の差です。
仮に86側が不安定な走りを行った際にはそのタイムの変動は分かりません。
ここで舞台を変え、ニュル北に移ります。
今度は逆にセリカから先行、続いて86、BRZと走ります。
アシスト変わらず、天候晴れ、15:00で気温23℃からのスタートです。

・セリカの結果
1:8'54.620
2:8'50.894
3:8'51.357

Best Lap:8'50.894

変わらずアンダー。
ただ比較的ぶん回しても安定した走りが出来ていたんじゃないかなと感じます。
でも正直なところ先ほどと変わらずアンダーと格闘という形が変わりませんでした。
直進やストレートを抜けた所での安定は良くかったです。
次に86。
天候、気温変わらずのスタートです。

・86の結果
1:8'56'146
2:8'51.222
3:8'48'319

Best Lap:8'48.319

とりあえず感想は後ほど、BRZへ。

・BRZの結果
1:8'46.437
2:8'45.540
3:8'43.417

Best Lap:8'43.417

最初86を終えてからその差はいいとこ勝負かと思いきや、結果的にはBRZのタイムによってその差は圧倒。
ただ86とBRZのこの差はどうやって生まれたのか。
恐らく考えられるのは86慣れして更にアタックした結果が出たか、もしくはBRZのグリップ志向の足回りが表に出たかと。
もし後者だとしたら、86とBRZを選ぶチョイスが決まったものとなりそうです。
実際筑波でもコンマ秒差ですがグリップでBRZが速かったですし。
でも気になった点として、86やBRZはアンダーこそ出なかったもののセリカが全開で行けたポイントが全開では難しかったり、挙動がズレるとすぐにリアが流れたりといったちょっと気になる点もありました。
車でよく起こる事故でオーバーステアでリアが流れるという事故が多発していますが、これもFR独特の事故であり、これはむしろFFでは配慮するのは少ないでしょう。
ただ、やはりBRZを基準としてもセリカとは7秒の差ができたので、この点、やはり86とセリカの進化の差が明確に現れた点と言えるでしょう。
やはり86は速かった・・・。
というまえに!
こちらは最終兵器を利用します。

⑦チューンセリカで走ってみる
セリカは現在多く出回りの多いのは前のオーナーによって手の入れられた車両です。
特に多いのはマフラーやエアロパーツなどが多くでしょう。
そこでそれを配慮したうえで、改めて同じセリカでも別セリカで比べてみたいと思います。
それはわが愛車こと、セリカTRDスポーツMです。
GT6でもこの車は収録されており、PPはBRZ/86よりわずかに上回る409の値となっています。
次いでなのでセリカのカタログもこの場を借りてある程度提示しておきたいと思います。

疾走へと駆り立て、限界へと誘惑するスペック。
このマシンには、トヨタの走りへの情熱が宿っている。

・ワークスチューニングの香りが漂うモデリスタのコンプリートカー
控えめながら、ノーマルとは異なるエアロパーツによってスポーティなルックスを得ているこのセリカは、TRDのコンプリートカーとして発売されたマシンだ。1.8LクラスのFFスポーツモデルとして、高いレベルの運動性能を発揮するために、フットワークを中心にチューニングが施されている。
生産ラインから一度ボディを抜き取り、スポット増しを施して再びラインに戻すという、ワークスチューニングならではの手法により、まずボディ剛性が引き上げられている。
スポーツ性能を重視した車両にもかかわらず、車高調節式サスペンションを採用していないのは、スーパーストラット車のセッティングが非常にシビアだからである。一歩間違えるとセッティングが出なくなってしまうため、あえてノーマル形状のスプリングとショックを採用し、TRDが考えるベストセッティングから外れないように設定している。
エンジン本体はノーマルだが、オリジナルのマフラーによってアクセルレスポンスを向上させるとともに10PSのパワーアップも果たしている。フロントバンパーやリアウィングなどのエアロパーツは、高速直進性やコーナリングの安定性の向上に貢献するデザインだ。
クイックシフトやオリジナルのステアリング、コンビネーションメーターなど、スポーティな演出も巧みに盛り込まれたこのセリカは、乗り手を選ばず、誰でも安全にスポーツ走行を楽しめるマシンに仕上がっている。

今回はこのセリカTRDスポーツMで筑波を3周、ニュル北を2周して結果を見てみます。
まずは筑波から。
天候、時間変わらず気温は25℃でスタート。

・セリカTRDスポーツMの結果
1:1'09.813
2:1'08.858
3:1'08.722

Best Lap:1'08.722

一発目から1分10秒を切ったと思えば2発目からは9秒台を切るタイムを続。
86の約1秒差、BRZのさらにコンマ5秒ほど早いタイムとなりました。
次にニュル北。

・セリカTRDスポーツMの結果
1:8'35.296
2:8'34.222

もはや大きな差が付いた決定的な点と言えます。
BRZのベストタイムをおよそ9秒近くの差をつけ圧勝しました。
ここで見えてきたのはセリカと86の似た者同士な点です。
それは、手を加えることによって車が大きく変わるということです。
セリカも登場当時からはカスタムパーツ、足回りやや吸気系のパーツが多く出回り、オーナーの自由自在に変えて楽しむ点がありました。
その点86とセリカも似ています。
ただそれよりも86とセリカ、それぞれに速さの方向が違います。
上記のタイム結果は先述しておくと、ゲーム、バーチャルの結果を元にしています。
ライトウェイトスポーツを極めた走りは、コンパクトサーキットでの結果がそれを生みます。
そう言った意味では筑波サーキットでの結果が強く生まれています。
それはセリカと86では1秒の差でしか生まれていないという点です。
何度も繰り返しますが、セリカは10年以上前の車、対して86は近年生まれた車。
セリカはスペシャリティカーに対し、86はスポーツカーです。
その結果が、このようにして生まれました。
しかもこの筑波での1秒の差というのは乗り手によって大きく変化します。
たかが1秒、されど1秒。
仮に86の性能が良かったとしてもスポーツ走行初心者やアマチュアが乗り、セリカにプロが乗った時にその結果はどうなるか。
場合によっては86のオーバー志向の挙動が裏目に出て、セリカのグリップが優勢だった時はどうなるか。
恐らくこの立場は逆転するでしょう。


⑧セリカと86とは?
・セリカはやっぱり速かった
これでもう分かると思いますが、セリカと86。
もはや2台ともほぼ大きな違いは無く、むしろ扱い方によってはセリカの方が速い場合もあるというわけにもなるのです。
ただ、度々繰り返しになりますが、登場年代が10年以上離れたにもかかわらず、既に10年以上前にセリカのように86級のスポーティカーが生まれていたのです。
それが現代になり、ライトウェイトスポーツ、日本のスポーツカーの原点として新たに生み出された86。
ところが結果そのスペックの現実は、10年前のスペシャリティカーと同等ということでした。
現在、86は新車価格で約300万、中古市場は安いと150万~あります。
一方のセリカは150万を基準にしても修復歴も無い程度の良いセリカが沢山あります。
ましてや上記したTRDスポーツMの方では同じ値段でかつ走行距離も短い良程度のセリカがあります。
そうなると、フィーリングや感覚は別として性能を中心として考えるとしたら、むしろそっち買った方が断然得じゃね!?って思えてならないのです。
ただトヨタも最近は考えているらしく、頭金に加えて月々の定額ローンを組みながら新車を数年間乗れるようにするシステムなどもあります。
ですが、さすがに金利もかかり、何より年数が経つと事実上は車を返すことになり、手を入れることもできません。
セリカは中古でも優秀な車であり、かつ車によっては86を超える性能も保持する車両を86以下の低価格で手に入れることも出来る車でもあります。
この辺はもはや選択は人それぞれにゆだねられます。
ただ、一つ言っておきたいこと。
それは、セリカは優秀な車であったということです。

・最終型セリカはなぜ速いのか?
最終型セリカの速さが分かった所で、今度はなぜセリカは速いのか?という点を挙げてみたいと思います。
86とセリカの違い。
それは走りの方向性の違いにあったのかもしれません。
86はというと、乗り手との一体感や走る事への喜びや嬉しさを重点に置いた点。
対して登場当時のセリカは、「スポーツスペシャリティの復権」。
当時のスペシャリティーと言えば本田勢のシビック/インテグラ、日産のシルビア、マツダのロードスターや三菱FTOといった車。
まさにライトウェイトスポーツを極めた頂点ということになります。
当時にとってこのスポーツスペシャリティの復権というのはこのライトウェイトスポーツを極めた王道という点。
つまりは本田テンロク勢などと肩を並べるにふさわしいライトウェイトを極めるため、といった意味で生まれたのがこの最終型ZZTセリカだったと個人勝手に解釈します。
結果的にセリカが本田のタイプRなどに至りませんでしたがそれでもその当時、トヨタがここまで本気になってライトウェイトスポーツを作り出したということではその意味が86が出たときよりも少し強かったのかもしれません。
だから登場から10年前後でもセリカは86とほぼ同等の性能を保持していたということになります。
(逆に悪く言うとトヨタは10年もの月日の結果、セリカとほぼ進化の無い車をスポーツカーとして出したということに。もっというとトヨタのスポーツ車への力はこの最終型セリカで止まっていたのかもしれません・・・)
また、それでもセリカがスポーツカーと語れなかった理由。
それはやはり上記した本田のテンロク/タイプR勢が居たからという理由も辻褄が合う気がします。
そう考えると、逆に現代86が出てきてこれがスポーツカーと語れるとなると、果たしてセリカはどう表現できるのか。
スポーツカーを超えてしまったスペシャリティカー。
この存在はまさにトヨタの隠れた名車の一つとして数えてもおかしくないはずです。

・最終型セリカの人気が落ちた理由
そんな車にもかかわらず86の影に埋もれ、中古でかなりな低価格にまで陥ってしまったセリカ。
なぜここまで落ちたのか。
理由をいくつか考えると1つ目にライトウェイトでは優秀でも1番には成りえなかったこと。
それは結果的にライトウェイトの頂点とも言われる本田勢を破れなかった点も一つに挙げられます。
一番影響だったのは、個人的にはベストモータリングの検証動画。
1999年の12月号のベスモで新型の最終型セリカが登場しましたが、エビスサーキットでものの見事にタイプR勢にちぎられるという展開となりました。
車好きの多くが愛読するベスモでセリカがタイプR勢にちぎられるというこのシーンがセリカの人気低下につながった一つともいえます。
無論、ベスモが悪者とは言いません。
まして後に出たインテRなんかが筑波でR32のスカGと差を広げた点もありました。
つまりはライトウェイトスポーツでもパワーだけがその速さを極める要因ではないということが明らかになるものでもあるのでむしろ分かりやすいでしょう。
ただ、こういったライトウェイトスポーツの頂点までは届かなかったという最終型セリカのレッテルが人気の低下を生んだ可能性もゼロとは言えません。
さらに言うと、21世紀に入ると若者の車離れが原因となっています。
今でもその車離れの現状は変わっておらず、セリカの人気が落ちている一つとも考えられます。
そんな中で出たのが最終型セリカ。
恐らくそのタイミングが悪く、2005年の生産終了からまた数年後の現在。
今もなお中古価格が安価になっている理由の一つとも言えます。
加えて。
現在はそのセリカと同等の86が"スポーツカー"という名の下、世間に出回っています。
もはやスポーツカーの名の強さはスペシャリティーという言葉よりも強く、それが86の人気に拍車をかけたことになったともいえます。
結果、86が未だ老若男女に受けのある車として出されているという点があるかもしれません。


・86は21世紀のスポーツカー
ではスペシャリティーカー同等の86が果たして21世紀のスポーツカーにふさわしいか。
スペシャリティーとほぼ同格ならば、むしろそちら側となるのか。
これも正直なところ、白黒つけにくいところではあります。
でも私個人としてここはふさわしいと考えます。
やはりセリカとはわずかながらでもノーマルからではリードしている点もあります。
結果的にノーマルではわずかながらでも86の方が良いのは否定できません。
仮に2台が環境や現象を無視してレースした場合、単純に考えて1秒の差と考えると、5周で5秒、10周で10秒もの差がつくという考えにもなります。
つまりノーマルでの86の性能は、気付かないようでも実際は違いはある、そしてその違いは86が有利という意味で違いが出ているということになります。
もう一つはスポーツカーと呼べるか呼べないかという点。
プロドライバー土屋圭市氏の言葉でこんなのがあります。
「スポーツカーの定義っていうのは、速いとか性能が良いとかだけじゃなくて、乗っていていかに楽しいか。それが大切だと思う」
もしこれがスポーツカーの”定義”であれば、86は十分に21世紀のスポーツカーにふさわしい車です。
小型・軽量・低重心・低慣性そして後輪駆動の回し分。
86はそれを上手に表現できており、運転する楽しさを十分に伝えることができる車です。
もっとサーキットで86&BRZとセリカで大きく違うのはアンダーと格闘して速いタイムを出す、というものではなく、運転を続け、試行錯誤しながら走り込んで、「もっと行ける、もっと出来る」と自分なりに新しい走りを見つけ出すことができる。
それがこのFRスポーツの醍醐味であり、86の面白い所でもあります。

・86はセリカの後継と言えるか?
これは本当に微妙なところです。
もし白か黒か、どちらかと言われたら僕はあえて自分で絵具で白と黒を混ぜてそれを塗って挙げると思います。
ただそれもナシとするならば、悩みつつ”言えない”という答えを出します。
なぜか。
第1に挙げたい例として2台に殆どの差が生まれなかったことを上げたいと思います。
ニュルではBRZが圧倒しましたが、今回は国内限定として考え、上記した筑波の例を中心に考えるとわずか1秒前後の差。
チューンドではむしろそれを上回っています。
上記で例をした2台レースとしてもそこに環境現象や乗り手の違いが含まれれば状況は大きく変わることでしょう。
86もセリカも手を入れて楽しむという点ではどちらも違いはなく、またそれぞれ乗り手が違う状況などを考慮すると基本変わらないという結果になるからです。
ここまでの差の狭さ、これでセリカの後継と語れるにはまだまだという所でしょう。
もう一つの点、それは開発・製造に関連した関係。
86はスバルとの完全な共同開発であり、ましてエンジンなどはスバル伝統の水平対向ボクサーエンジン。
そのほかにもいたるところにスバル、トヨタの技術が組み込まれています。
対してセリカは。
エンジンこそヤマハ発動機が製造を行っていましたが、いってもそれからの供給が中心となったのはトヨタ。
加えてエンジン以外の技術も基本全てトヨタオリジナルです。
唯一とすればそのセリカのエンジン2ZZ-GEがAE86の4A-GEの後継という形であるくらい。
でも2つのエンジンとも方向性はそんなに関係ありません。
もっとも4A-GEはトヨタ独自の開発なのも一つです。
この点注目すると、86の前代は既に決まっていると思います。
それはこの86という名前が全てを物語っているのです。
この86という名前、これはトヨタが83年に発売されたAE86トレノ/レビンから継承されたものです。
この2台の共通点としてはさまざまある中に大きく分けて2つあり、一つは駆動方式が同じFRである点であり、後輪駆動から回す楽しみが同じ86で継承されているという点。
もう一つは名前の由来でもあるAE86の手を入れて楽しむ点。
これはセリカも同じなのかもしれませんが、セリカの場合はAE86や現在の86ほど部品の供給が高かったわけでは無かったでしょう。
そういった意味でもAE86と86の兄弟関係の強さが見えてきます。
あとは繰り返しになりますが、FRとFF。
後輪駆動で回す楽しみと前輪駆動で回す性能。
ここだけでも大きな違いになります。
そういった意味ではセリカの後継とはちょっと言い難い点でもあります。

・86の入門車にふさわしいのは?
どこかの中古のネット広告でセリカは86の入門として掲示されていました。
恐らくは前述したように市場関係的に86の人気ばかりが伸びてセリカの売りが縮んでしまっている点もっと伸ばすためにやっているのかもしれませんが。
ここでまた私個人的には、セリカは86の入門にはふさわしくないと考えます。
なぜか、それは単純で性能が良すぎるから。
86と同等の車は入門とはなりません。
パワーもトルクもあり、スポーティーな運転感覚として素人からすればセリカは86同様硬派だからです。
言ってしまえば、86入門車=セリカ入門車でもある、そう考えると分かりやすいかもしれません。
では本当にふさわしいのは何か。
もし車市場を無視して例に挙げるとしたら、一番良いのは先ほど例に挙げたAE86トレノ/レビン。
軽量とエンジンパワーの両立したスポーツ入門としてはふさわしいでしょう。
ただし、AE86は現在の中古市場ではかなり高値になっており、そう簡単に手に入りません。
もしそういった市場でも安定して現実的に考えるとしたら。
同じトヨタの軽量とエンジンパフォーマンスの両立と考えると、同じセリカでもZZT230などは入門に向く1つかもしれません。
スケールダウンした1ZZ-GEエンジン、それに1090kgの軽量ボディーを合わせたパフォーマンスは十分入門者には運転しやすく、同時に軽快な運転も楽しめるはずです。
または、もう少し抑えるとするならば、同じVVT-iエンジンのパフォーマンスと軽量ボディーを持ち合わせ、同時に軽快で初心者にはスポーティな走りも提供できる点を踏まえてヴィッツ RSなどもおすすめできないことはないかもしれません。
比べるならセリカZZT230>ヴィッツRSという感じ。
最近はちょっとしっかりもののG'sのヴィッツもあります。
ただG'sは市場の価格から考えるとあまりお勧めできません。
むしろそのお金ならばセリカのZZT230の方がいいかな、って感じ。
所で2台とも問題があり、FFであるという点があります。
86はFRの後輪駆動です。
つまり後輪駆動車で回す楽しさ、そしてその入門という点。
それにふさわしいとするならば、初期型AW11の1.6LのMR2、あるいはセリカのZZT230同様1ZZ-GEエンジンのMR-Sという選択もあります。
ただこれはミッドシップなため、FRと比べるとかなり動きがピーキーになりそう。
そこで同じFRという点でアルテッツァのAS200という選択も現れます。
同じFRで重量とエンジンの両立関係が86と似てかつスケールアップする前の入門に乗るとしてふさわしい車でしょう。
この時、間違ってRS200を取らない事。
後者は重量分、エンジンパワーも高いのでちょっとぶん回し志向です。
所でこれはあくまでもトヨタ中心で見てきたので、同じようなもので他の会社を挙げるとすると。
正直、これはお勧めしません。
なぜかというと、他会社の車とトヨタの車は走りのフィーリングが違うのだというらしいです。
その話は実はこの間、アクアに公道試乗したときに向こうの店員から教えてもらったもので、日産や本田の乗用車に乗っていたオーナーがトヨタに乗り換えるとフィーリングの違いが出てちょっと戸惑うことがあるんだそう。
逆にトヨタオーナーでも他の会社の車に乗るのとでは感覚も違うとのことです。
これは結果論から言うと、たとえば本田とトヨタ。
同じハイブリッド目線をそろえると、トヨタは経済性、ホンダは走りのフィーリングの違いです。
そこでインサイトに乗るか、プリウスに乗るかで違いがあるんだとか。
そんな感じです。
というように話が逸れそうになりましたが、他の会社の車と現トヨタとでは乗る感覚が違うということがあり、それを踏まえると他の会社の車をトヨタ車の前段階として乗るのはお勧めできません。
仮にそれを無視するとしたら、まず一つ挙がるのはマツダのロードスター。
ライトウェイトスポーツとFRで回す楽しさ、かつ86のような若干1クラス上の車の入門として乗るなら近いかもしれません。
ただ、ロードスターだけでもちょっとスポーティー志向が高いのが1つです。
それから本田とすると、CR-Z。
こちらもスポーツクーペですが、ライトスポーツとi-VTECの両立、加速は86ほどでなくともハイブリッドの力で安定した加速も得られ、丁度いいスポーツ感覚が得られる点、おすすめできるかもしれません。
他にもここで挙げたものに限らず、もっとしっくりと来る車があるかもしれません。
一番分かりやすいのは、86のスペックともう一つの車のスペックを見比べてややスケールが落ちている点を見ると分かり易いです。

⑨最後に~トヨタスポーツの道~
今回検証した結果、駆動方式、フィーリングの違いはあれど、結果的に性能からすると86とセリカに大きな違いは無かったということになります。
つまり、セリカ=86。
ただ忘れたくないのは、今回の性能の比較から見えてくるのは、セリカの時からトヨタのスポーツ車への力がほぼ止まっていたという点。
そう言った意味では、この比較はむしろ今後のトヨタ車のスポーツカーの進化に何かを与えてほしいと期待をしたくなるものになります。
逆にあえて前向きな考えをすると、トヨタは過去と現在を合わせて二つの道を与えてくれたとも考えられます。
86のように自ら走りを考え、追い求めて結果を生み出す。
あるいはセリカのように安定した回し、そこから限界を引き出して走るフィーリング。
どちらもそれぞれの楽しみ方があり、それが現代のセリカと86がある理由かもしれません。
トヨタスポーツ。
是非これからも絶えない走る進化を続けてほしいものです。

以上、素人がお伝えしました。
なお以下、それぞれ参考にしたサイトURLになります。
http://greeco-channel.com/car/toyota/celica-21/
http://greeco-channel.com/car/toyota/tyt_86-4/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%82%AB
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB86
http://www.toyota-catalog.jp/catalog/
http://www.carsensor.net/contents/market/category_1491/_24038.html
https://minkara.carview.co.jp/userid/425666/blog/26237882/
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10103072010

※こちらも繰り返しになりますが、この内容は全て素人中の素人による個人勝手な解釈に基づいています。全てを鵜呑みにした際の保証は致しかねますので予めご了承ください。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2016/08/02 21:14:34

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