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2022年02月17日

車遍歴を巡って ~アバルト595 コンペティツィオーネに乗ったよ~

最後の投稿から3年以上経ち、久々の車遍歴シリーズ。
長らく語らなかったアバルト595を、そろそろ機会に挙げようと思う。
それまで教習車以外は純国産車、トヨタ車ばかり乗ってきた中での初外車、それも壊れやすいで評判のイタリアンの車。
こんな、大丈夫かよ・・・と思ってても結局、そんな不安や印象も出し抜けるほどのこのイタリアン車の魅力には勝てませぬ・・・。
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琵琶湖畔にて

初めて乗ったのは、まだ出会う数年前。
アバルト店にて試乗させてもらった時、エンジンを掛けた瞬間のレコードモンツァマフラーの一吹きにやられてしまった。
車の大きさはコンパクトカーのヴィッツやフィットよりもまた一回り小さく、軽自動車並み。
それがアクセルひと踏みで、その大きさに似合わない2本ストレートを抱える4本マフラーから咆哮のごとく響き渡る。
インパネから伸びるシフトはEP3のおチOポシフトを連想させるが、乗りはじめれば何の気にもならない。
5ナンバーでも更に小さいボディはそのマフラーや足の硬さと動きとは似あわず、運転のしやすさは抜群であり、路駐天国の東京でもすり抜けはお手の物。
そしてハンドルを切ったと同時に車体ごとロールを感じさせずハンドルではなく、車がコーナーに”入力される”感覚は、長年ゴーカートフィーリングを極めたジョンクーパーよりも、よりゴーカートしてた。

そしてそれから数年後。
社会人となり、Giallo Modenaのイエローを自殺行為の10年ローンを組んで購入。
でもそれは正直、それだけ乗っても良いと思えるような、そんな車だった。
ぶっちゃけ、20代前半とはいえ人生最後のガソリン車は、この595で決まり!とさえ思ったくらいだった。
それくらい、この595コンペの衝撃は車人生に及ぼすほど強かったのだ。
ちなみにトランスミッションはAMT。
いわゆる、オートマだけど機構はマニュアルと一緒、ってやつ。
意外とマニュアルではなくAMTにした理由は、これ以前から自分はAT車での左足ブレーキでまかり通っていた。
その理由として、最初は普段ゴーカートを嗜むため、その左足ブレーキの感覚を養っておきたいというのがあった。
そしていざ、無理意地で店にも色んな裏ワザを使ってローン審査を通してもらい、無事納車。
その日は会社を早上がりさせてもらった。
月極の駐車場に収まった車をまじまじと見る。
黄色いボディと黒とサソリエンブレムのホイール、その裏に見せる赤いブレンボキャリパーが何ともいえぬ、昇天させてくれるわ。
エンジンを掛ける。
”なめてかかると痛い目にあうぞ”、そう車が言ってきたような気がして「上等じゃ」と思わず零れる

話は変わるが、マルチパフォーマンスカーとはどんなものだろうか。

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例えばセリカの場合、あれはスポーツカーと言うほどでもないが、実際はスポーツカーを所有するような感覚、そして走った時の気持ちよさがある。
そうでありながら扱いにくさも無く、積載能力や利便性も兼ね備えているのは日常生活も尊重してくれる車であったことだ。
これがType Rだった場合、そうはいかないだろう。
それはEP3で十分に経験済みである。
でもそれは逆に限界域での絶対的なスポーツ性能を保有しているわけではない。
Type Rのような妥協の無さではないのだ。
ではType Rはどうか。

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極限までのエンジン・コーナーリング性能とスポーツ・サーキットユースに着眼されていた点、これはスポーツカーとしての究極である。
だが、それは逆にたとえメーカーが「タウンユースでの使いやすさも・・・」とは言っても、結局現実評価は顧客のするもの。
そしてその一人である自分がその評価をするなら、否だ。
鋭いエンジンと引き締められた足回りは最上の乗り心地の悪さとタウンユースでの使いにくさを提供する。
もちろんそれはスポーツカーを所有することの嬉しさと考えればむしろ、最高である。
乗り心地の悪さ上等、使いにくさ上等だ。
では、ここでまた一つ新たな疑問点が出てくる。
官能性はどうか、ということだ。
車に対する官能性。
それは街道沿いでばーばばばーばばばーばーばーとコールを響かせる単車の暴走族は単純に「事故って死ね」って思うのに、それよりも音量も音質もドデカいランボルギーニ アヴェンタドールの空ぶかしは「もっとREVまで吹かして、聞かせろ!」と思える違いである。
そう考えると、Type Rにはそういった官能性があるのか。
残念ながら、自分のには五次元の砲弾マフラーは付いていたが、それが官能性の魅力とは言えなかった。
勿論野太いスポーティな音は好きだったが、アバルトのレコモンのような魅力は無い。
環状族のようなストレートは逆に下品なので、上の単車族と同じ感想である。
デザイン性も保守的でセリカにも至らない。
つまりセリカは所詮スポーティーカーであり、シビックRも所詮はスポーツカーなんだ、ってことなのだ。
ではマルチパフォーマンスカーに相応しい車は何か。
”マルチパフォーマンスカー”を検索すると真っ先にGT-Rが出てきた。
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いわゆる誰もが普段使いでもサーキットでも使いやすく、なおかつスーパーカーを持つ所有感を楽しめる、という意味。
所が、自分はGT-Rは本当のマルチパフォーマンスカーではないと思っている。
確かにGT-Rはスーパーカーを凌駕するに近い高いスポーツ能力と、タウンユースの能力を持っているだろう。
所が、細かい事を言わせてもらうと、性能の高さは正直スーパースポーツの域であって、スポーツカーとはかけ離れているように思える。
また、スーパーカーを所有するに至っても、その官能性は正直魅力が湧かないのだ。
横を通り過ぎても音は静かだし、純正色のボディカラーには自己主張能力もあまり感じられない。
つまり自分にとってGT-Rは、ただのスーパーカー(あるいはスポーツカー)ってわけだ。

ではマルチパフォーマンスカーの定義とは何か。
それはこれだ。
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あれ、小っちゃくなっちゃった。
つまり、高いスポーツ性能とタウンユースでの使い勝手、そしてスーパーカーに匹敵するような高い魅力と官能性を併せ持っている事である。
そしてその車は。
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コンパクトカーながらのデザインは所詮はフィアット500のプラットフォームからの継承・・・と思いながらも、純正色との存在感は抜群であり、レコモンマフラーも迫力はスーパーカーに匹敵するくらいの迫力はあると思っている。
それでいて、1.4Lながら180PSという排気量に見合わない高出力とライトウェイトボディを持つスポーツ性能、そして5ナンバーサイズと軽自動車並みのすり抜け能力と普通車並の使い勝手を保有している。
自分はこの595コンペこそ、マルチパフォーマンスカーの名にふさわしいと思っている。

話はそれたが、続けていく。
レコモンの魅力は十分に伝えたが、ではこの車の魅力はそういった官能性だけなのか?
口だけに180PS、1140kgとだけで、スポーツ面はどんな性能を秘めているのか。
一つあるエピソードを添えておけば十分だと思うので上げておく。
この話は自分はいつも仕事が終わってからこの595で大垂水を流して帰るのが週末の日課であったそんなある日のことである。
また甲州街道を上り、高尾山を越えて大垂水に差し掛かる。
山中には見合わないラブホ街を超え、山に差し掛かる。
後ろには車が2、3台付いてきていた。
その車を携えて山へと向かうが、その更に後ろから一台の車が上がってくる。
そしてそれまで付いてきていた2、3台を後ろから1台、また1台と抜いて来た。
最後に自分の後ろの車の後ろに付いた時、シルエットとナンバー位置でランエボ6と分かった。
その車はその自分の車の後ろも抜くと、ついに自分の車の後ろに付いて煽り始めた。
ちなみに大垂水は全線追い越し禁止である。
昔苦い思い出に、フィットで同じ大垂水を走っててキューブにビダ付け煽られた思い出がある。
また中腹は駐停車も出来ないので、途中停車も出来ない。
つまり、煽られるしかないということだ。
そのエボ6も暫く煽っていたが、ついに対向車線に車を開いた。
うーんばばん!とアンチラグを散らしながら、抜き去ったエボ6に自分の頭の奥の奥底で眠っていた峠根性(んなもんあったんか)に火が付いた。
スポーツモードに入れ、追いかけはじめる。
アクセルオンが続く初回はコーナーを抜ける度差が開くが、コーナー毎のど根性ブレーキで食い止めた。
後半セッションになると、コーナーが続く中ではどんどん詰めていき、ついに連続するシケインではビタ付けに煽り返せた。
むしろ驚いたのが、エボがギューッと減速して進入するコーナー毎にこっちでは「そんなに減速しないと曲がれないの??」と思えるほどコーナーリングに余裕があることだ。
自分でも峠の王者ランエボに勝てないとは思うのに、「なんでこんなに付いていけるんだ?」と感心してしまうほどだ。
もしかしたら、ランエボの方は本気じゃないのかもしれない・・・と思ったが、コーナーの立ち上がりがイヤに鋭い点、多分相手も本気だったと思っている。
ミニランボルギーニ、そう誰か上手い事を言ったものだ。
そして後半セッションでは常にカメラカー状態でビッタビタに煽り倒しながら、山を抜け、千木良小学校の信号で負け犬の遠吠え、ならぬ負け犬のフル加速を後ろ目に、迂回して戻ったものだ。
エボ6のオーナーはどう思っただろう。
まさか四駆ツインターボの峠王者がちっこいFFコンパクトカーに煽られるとは思いもしなかっただろう。
それは別に自分の運転技術だけの賜物ではないと思う。
これが俗にいう、「像をも倒すサソリの毒」「アバルトマジック」と言われる物なんだろう。

その後も、週末の下道旅を込めて北は東北岩手・福島から北陸富山、西は名古屋から京都まで、様々な所に行き、今の嫁と出会った初デートもこの車だった。
"バナナ"と付けられた愛称をつけられて、嫁も度々街中でこの車を見かけるとすぐにわかるほど思い出のつまった車だったが、納車から約10か月後。
交差点での単独事故により手放し。
外車はやっぱり修理費も高いもんでして・・・。
ランエボより速い分、その代償も高い。
何はともあれ、今の所本気で好きになって所有した車はこの595位。
なんなら、また乗りなおしたいとさえ思っている所だ。
今もなお、街中で走る595コンペと並走すると、思わず窓をちょっと開けてレコモンの音を聞きたくなる。
もしまたお金があるなら、ランボやらフェラーリやら、そんなのはあまり興味がない。
またあのGiallo Modenaイエローの595を買戻し、今度こそできなかった事いろんなことをやりたい。
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富山、おおかみこどもの花の家 花の30シムニーと2ショット



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Posted at 2022/02/17 12:50:27

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