自分は2L以上の車に乗ることがほとんどない。
自分の車は1.8だったし、カレコでも借りる車全て殆どが2L。
特別大きな車でも結局2Lで収まっている。
そんな自分は夢があった。
生涯で1度で良いから280PS以上の車に乗ることだ。
重量は問わず。
日本でも280PSの壁はあったけれども、その限界領域を操ってみたかった。
もちろんそれはただ280PSで良いわけじゃなく、”確実に”280PSが超えている車に乗りたい。
車は少なからず、カタログ値と実測では大きなふり幅がある。
日本車はその典型だと思っている。
セリカでもカタログ200PSなTRDスポーツMでも実際は180くらい、もっとショックだったのはRX-8が250PSに対して220PSも出ていない玉もある。
レガシィB4でも280PS、規制いっぱいなのに実際は250PSくらいだという。
逆に走りを求めた車はこのカタログ値さえ凌駕する実測をたたき出す強者もあるらしいが、少なからず実測で絶対に280PS以上ある車に乗りたいのだ。
そしてその夢がかなう・・・。
ベンツのAMG A45。
ベンツに乗ること自体生涯無かったろうし、そう思ったからこそ興味さえなかったが、ましてやそのAMGに乗るなど考えてもいなかった。
せめてGT6の中だけだったろう。
この素晴らしきA45の最高出力は360PS/46kg.m。
量産2Lクラスでは世界最強。
ちなみにNA2L最強は、確かホンダのS2000の250PSだったと思うけど、これってもう更新されたのかな?
間違ってたらごめんちぃ。
まぁ世の中2LNAでもレース用フルチューンで300PSはいけるらしいけど、それだけ唐突なブローなんかもあってデメリットも考えるとどうなるか。
ちなみに自分の書いたオリジナルレーシング小説、「G」でセリカのZZT231の2ZZ-GEをフルチューニングしますが、その時のあくまで僕の脳内妄想では、オーバーホールと精密組みで200PS、そこからハイコンプ+ECUで230PS、ストロークアップで250PS、4スロやハイカム&フルコンで275PS、それに排気系見直しとエンジン内チューン(ポート研磨など)で300PS以上と考えた。
NAは1L、150PSくらいが限界じゃないか、今の時代は。
話は戻すが、とにかくターボ付きとノンターボの話は別だ。
360PSだとリッター180PSは出てるってこと。
セリカの良し玉と同じくらい。
これが仮に実測落ちしてるとしても300PSは確実に超えてる。
文句なしだ。
所が困ったのが2つ。
まずカレコでもこのAMGの人気は凄い。
予約がなかなか取れない。
そしてプレミアムクラスだから一番高い。
一番高いって言ってもレンタカーと比べたら断然やすいんだけれども。
それで一番安い夜間パックがドン埋まりしてて数日後を狙って予約しないと取れないという。
ヤバすぎ、でも走る車は人気なだけに86と同様。
そんでそんな中でついにこの予約が取れた!
ちょーうれぴーです。
場所は渋谷のセルリアンタワー。
車も車なだけに、場所も場所なのね~。
そんなこんなでついにご対面~。
一目はただのハッチバック車。
他のA180とかと並んでても知らない人は区別も難しいくらい。
自分でも一瞬、遠目で「あ!あれか!」と思って近づいたらA180だったってことも。
なんかご対面のインパクトはビミョーだなぁ・・・。
中に乗った感じは、まぁ低重心で低いけど他は、A180を連想させるものばかりで、ちょっと期待外れか、と思ってしまった。
しかもハッチバックだぞこれ、ハッチバック。
いわゆる走りもあるけど、結局はちょっと高い乗用車的なやつでしょ。
そう考えるとなんだか落胆してしまった。
しかも最初、フルエアロでリアのスポイラーも付いてるヤツを期待していたのでそれも無く、悲しさ倍増。
これで走りもウンコだったら、泣きもんだよと思っていざエンジン始動。
ピッ、ドゥルルン!ゴォーー。
す、すげぇ。
何この迫力。
まずエンジンを始動した瞬間から、とても2Lとは思えない感覚。
アイドリング音は、地響きに近い音。
下から響いてくる感じがした。
この瞬間、さっきまでの落胆はどこへやら、あぁプレミアムでもスポイラーなしでも、今日予約して良かったぉー!と思える瞬間でした。
オートマ車だけれども、発進する時動き始め瞬間にクラッチミートさせるグォーーンという一瞬回転が上がるあの瞬間、たまりませんのぉ~。
スーパーカーみたい。
そう、スーパーカーだ、これは。
もちろんこれをスーパーカーと断言したらどっかが騒ぐけれど、感覚はまさにスーパーカーに乗っている感覚だ。
とてもスポーツカーでは収まらない。
さて、246出たら一度転回しないと。
とはいえ、高価な車傷つけたらやっべぇなぁ~と恐る恐る運転しながらも結局道玄坂方面を越えて神泉町も越えてしまいました。
その先で適当に転回・・・。
うーん、周りはぇえ。
やっぱり深夜のタクシーは深夜の顔。
こっちも制限速度より+αで走ってるのに左右からビュンビュン抜かれます。
転回しようにも向かいが・・・。
ここは車を推し進めるためにも一気に転回しないと。
やはり街乗り、都内を走るにも0-加速は重要です。
そんな意味ではこれは良い機会。
タイミングを見ていざ発進、アクセルオン。
ギュゥオーン!オヨヨヨヨ・・・。
これは今までの車とは全く違う、4輪がしっかりと地面をとらえながら曲がって行ってる。
しかもそれぞれが働いて推し進めるから加速も変わらない。
カート?とも違う、フォーミュラーカーに近いかも。(乗ったことないけど)
ターボって出足にラグがあるでしょってのに、それを殆ど感じない。
これは・・・凄すぎる。
所詮は高級車と思ってたのに剛性感も凄い。
ちなみにルートは前回ハリアーで紹介したのと同じ。
最初は慣れのためにひたすらまっすぐ走るだけ、その後峠に行って、シメは都内で吹っ飛ぶ。
一つ一つ拾っても面倒なので、とりあえず感想から言うと、この手の車にしては文句なし。
素晴らしいに尽きる。
運転してる方からするとスーパーカーを運転している感覚だ。
ただそうなだけになぜかどうしても周囲に配慮しがちな感じになる。
大垂水では思う存分楽しんだが。
ゲートブリッジ超えて新木場で一度、セダンのAMGに加速見せつけられたり横目になんか指してきたけど。
恐らく凡人が扱える程度のパワーには限界があると思う。
アクセルをグシャッと踏んだ瞬間、目ん玉が置いてかれるような加速をする車も世の中ある。
AMGも上になってくればそんな車はゴロゴロあるだろうけど、ようはそれを扱うにしてもその加速慣れしてる人ならまだしも、サンデーや紙ドラが乗ったところで上手く制御できるとは思わないし、ましてやあんな短距離でブイブイやられて「オマエ所詮レンタカー、オレッチハエー」ってされてもピンとこない。
100歩譲ってじゃぁそんな加速がいいんなら、そのアクセルべた踏みを新木場から数百メートルじゃなくて、その更にさきの湾岸合流して、305号の交差くぐってまた更に先まで我慢して行けるか?
あれくらいの車なら恐らく余裕であの道なら170km/h以上は出せると思うが、問題はそれを制御する側がチキンじゃ結局話にならない。
何を言いたいのかというと、その点でのA45の場合だ。
2Lの車というのは、結局のところ2Lらしい加速を見せる。
それが大排気量の車とは違って制御する側に一種の余裕を与えてくれるのだ。
だから大垂水で走った時も攻めてる感覚は無かった。
速いけど、それも安心できる速さだ。
これだけ扱いやすければ普段乗りも良い。
まぁサーキットも全開で走るのにも対応せるべく作られてるんだろうけれど、ブレーキはちょっと微妙で重さに負けてない?って感じが少なからずした。
最初外見からしてかなりな巨大なキャリパーに見えただけにも実際のストッピングパワーはそれほどでもなかった。
踏んだ瞬間からクンッ!と減速するのとは違って、じわじわ~と来るブレーキ。
多分もしかしたら、カーシェアってこれまでもいろんな人が乗ってきたからそれに違いがあるのかもしれないけれど。
シフトアップ/ダウンに関して、これも良い。
F1マチックのように変速ラグが切り詰められて、ポンと押してすぐ反応する。
これくらい速いのが好き。
本当にMT車を運転してるような感じだけれどもオートマだからシフトミスが無い。
これも利点の一つ。
エボ10はSSTでこれまたよろしいけれども、A45はデュアルクラッチで7速まで刻まれてるからこれも広範囲で使えて気持ちいい。
またSSTはミッショントラブルが多いらしいけれど、A45に関してはあまり聞かない。
良いじゃない。
あれあれ~もしかしての~?
いえ、それはありません。
だってベンツだものwAMGだものw
そしてやっぱハッチバックだものw
スポーツカーでもデザインだって大切なのです。
燃費はあまりよろしくない模様。
メーターが素直なのか、実際酷いのかはまだしも、一度ガソリンを入れてから一回りしてきたときにはゲージが少し減っている。
こりゃちょっと酷いな。
何となく予感はしてたけれど、これほどひどいとは。
まぁ基本街乗りメインで走行は常にSモードだったから多分リッター10も行ってないんじゃないかな。
でもカタログだと13.1km/lってあるから、意外と燃費走りすると良い感じなのかな。
個人的に10km/lはボーダーです。
もう一つ気持ちよかったのはシフトダウンの時、ブリッピングがまた気持ちいい。
まるでヒール&トゥをしたようにグォンと上がるからすごい良い音。
それからマフラーからこぼれるゴッフォという音もかなり気分が上がる。
ワインディングでは本当にたまらなかった。
一般道でもこの音が漏れるとかなりテンションが上がる。
ただ一度ドライブでSモードでやるとシフトが落ちてほしくないタイミングで落としたりして、一気にエンジン音が響いたりしたときにはどうも頭の下がる思い。
やはり気になったのはそういう点も一つだ。
自分はなにも特別な車に乗ってるわけでもないだろうけれど、自分ではそう感じる。
だから他の車にどうしてもいつもとは違う意識的なものが生まれるのだ。
これがノートやフィットの時は全く違う。
別に普通に走ってればなにも無いけれど、周りの流れによって時には敵意丸出しで前に前に吹っ飛ぼうとする。
自分は最低限の配慮はしてるつもりだけれども、そんな配慮も無い人はゴマンと居る。
ただそんな中には逆にサンデーや紙ドラや高齢も居る訳だ。
ようはそんな周りの車にも不快な走りを魅せないことだ。
もしこれが自分ではなく他のチョーシな輩が乗ってぶっ飛んでれば「あーやっぱりね」ってのと不快なのも言うまでもない。
掲示板の中ではこれで200km/h以上出してカレコを退会させられたって輩もいるみたいだけれども。
やろうとすればやれるだろうけど、だが少なからず自分はこの車に乗っててそんなことをする気にはならなかった。
多分自分の車として乗ってたとしてもならないだろうし、むしろせっかく借りただけ思う存分吹っ飛んでも良かっただろうけれども、でも自分は峠を軽く流した程度だった。
さっき言ったようにブリッピングで高回転に回ったとたんになんだか気が引ける気がしたのも同じ。
サンデーも初心者も懸命に練習し、頑張って走っているのであって、高齢だって年を取ってからの少ない楽しみの一つかもしれない、タクシーもハンドルを握ってこそ自分の生活をしているんだ。
そんなのに支障をきたせるのは気の毒だ。
そんな中で少し良い車に乗ったからって気取ってブンブン振り回す気には、自分はとてもなれなかった。
むしろいつものようにコンパクトカーでタクシーと競り合った方がよほどマシだ。
多分本物のスーパーカーなんかもこんな気分なのかもしれない。
よく都心でもスーパーカーをちょいちょい見るが、いつも他車に迫った運転をしたりするのを滅多に見たことが無い。
ワイドボディなだけに運転しにくいのもあるかもしれないが、多分それ以上に自分が乗っている車を意識しているだけに他車への気配りも忘れないことだろうと思う。
自分はA45を乗ってそんな感覚が分かった気がする。
でも良く考えると、自分がよくコンパクトに乗ってても、街乗りの中でもA45だけではないけれど、良い車がとてつもなくマナーの悪く酷い運転をしているのをちょいちょい見る。
これは多分車に罪はないだろう、運転者に問題があるんだろう。
他の人を悪く言うのは自分がもっとも好きじゃないのだがそれでも言わせてもらうと、たとえ乗ってる車がベンツだろうとBMだろうとポルシェだろうと関係ない。
そんな運転をする輩を、”クズ”って言うんだろうな。
ま、自分も車こそ安物いえど、晴海通り入ったとたんにブッ飛ぶくらいだから、そのクズの一人なんだろうけど。
A45はこの日本で使うには、オーバースペック極まりない。
ハッキリって、この国では必要ない。
もっとも本国ドイツでアウトバーンなんかを高速で走ったり、ニュルを攻め抜けるのに向いてる方だろう。
ただそれでも大切なのは、ようはそのオーバースペックを他への不快をまき散らさずに自分で制御できるかだと思う。
それはスポーツカーでも同じことが言えると思う。
単に自分が制御できれば良い訳じゃない。
自分以外へも物理的にも精神的にも影響を及ぼさないように制御できるようにすることだ。
それができないのであれば、ハッキリ言ってもう一度日本は馬力規制を戻した方が良い。
それが出来るだけ、自分はむしろ別な新しい価値が見えてくる気がする。
まぁそんな話でもA45に乗ったことで自分が得たものはかなりなものだ。
同時に将来乗る車、それによって乗るスタイルも考えられる。
燃費さえ気にしなければぶっちゃけ自分の車としても・・・いやデザインがな。
やっぱスポーツカーが良い。
でもこういう車もなかなか良いのよね。
また乗って、今度はヤビツ峠・・・と思ったのにある日突然車種の一斉入れ替えでラインアップから消えてしまった!のだ!
最初、カレコが新車種登場!ということばかり謳ってたので、多分どっか移されるのかな~と思ったらそのまま無くなっていた。
せめて終了って言ってよ・・・。
これで今のところ280PSだす車は3.5Lのヴェルファイアのみとなった。
でもこれで夢はかなえられたからまだ嬉しい。