「オパールの炎」

1999年に日本でピルが承認される約30年前に、ピル解禁と中絶の自由を訴える一人の女がいた。派手なパフォーマンスで一躍脚光を浴びるも、その激しいやり口から「はしたない」「ただのお騒がせ女」などと奇異の目で見られ、やがて世間から忘れ去られてしまう――。謎多き女をめぐる証言から、世の“理不尽”を抉りだす圧巻の傑作長篇。



桐野夏生さんの最新刊。

「本作品はフィクションであり、実在の個人・団体等とは一切関係ありません」とはあるが、中ピ連の榎美沙子氏をモデルに書かれたことは明らか、、、というか、wikiそのもののノンフィクションでしょーこれは。

中ピ連と言われてもワタシはなんとなくピンクのヘルメットがブラウン管に写ってるのを両親が苦笑しながら見ていた記憶くらいしかないのですが、桐野さんとしては一度ここらで女性運動を通じて過去そして現代の日本社会を斬っておきたかったのでしょうか。

女の言い分もわかるし、男の言い分もわかる。
正しい道を信じて歩んでいても、誰かを傷つけてしまうことや大きな力に潰されてしまうこともある。
ノンフィクションだけにどんでん返しやオチは無く、歴史本を読んだような気分です。