
年末封切り予定の映画。
ヴィム・ヴェンダース作品なんかロクに観たことないくせに役所広司さんがカンヌで最優秀男優賞獲ったんだってと聞いて、軽い気持ちで応募した試写会に当選。
仕事終わりに(終わってないけど)急ぎ駆けつけたら、地元マスコミの人たちと、暇なGGE&BBAで満席。
役所広司さん演じる平山は公衆トイレ清掃員。
場末のアパートでルーティンを守り続ける毎日。
そうか、このオトコの凄い過去が明かされていくんだろうなと思いますよね、普通の映画なら。
しかし、物語は起承転結の「起」が延々と続いて終盤へ。
「承」がちょっと入ったかと思ったら、ラストは役所広司の顔芸で終ー了ー。
まっっったく予備知識なしで観に行ったワタシ、「はぁ?????」。
それでも、舞台挨拶があると聞いて「役所広司に会えるんかのぉ」とホルホルしていたら、登壇されたのは共同脚本の高崎卓馬さんと仰る方でちょっとガッカリw
そらまあ役所さん、来ませんよね。
しかしながら、この高崎さんのトークショーが素晴らしくて、なぜトイレが題材になったか、巨匠ヴェンダースをどうやって口説いたかから始まり、平山が住むスカイツリーが見える下町のアパートはどうやって探したのか、木漏れ日という単語は英語には無いこと、そして平山がなぜ木漏れ日の写真を撮るのか、、、などなどわかりやすく解説してくださいました。
高崎さん 「犯人が見つかったり、起承転結がはっきりしているような映画も良いですが、そう何度も見直しませんよね。この作品は何度でも味わってほしいのです。なので皆さん3回は観てくださいね(笑)」
即物的な価値観しか持ち合わせていないワタシなんかだと、たぶんお金払っては観ない類の作品だったけど、フィクションなのにドキュメンタリーであり、絵画のようにタイミングによって感じ方が変化する芸術作品なんだということがようやく理解できまして、高崎さんの解説コミコミで大満足。
あとは、ルー・リードやアニマルズ、パティ・スミス、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドなど、平山がずっと聴いてきた音楽が渋かったですね。
なかでも石川さゆりさんfeat.あがた森魚さんの「朝日楼」は最高。
メディア用の非売品パンフと、平山愛飲のBOSSカフェオレのお土産つき。
試写会イイね(笑)
GV評価額1800イェン
Posted at 2023/11/29 18:47:29 | |
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