Grande Violaのブログ一覧

イトマン事件から28年。「戦後最大の黒幕」と呼ばれた男が初めて綴った自叙伝。


成り上がり自慢。犯罪自慢。
自分に都合の良いことだけを都合の良い解釈で紹介するスタイルの自伝で、読んでて眠気がしたなあ。
「日本と韓国の架け橋になりたい」？　その金どっから出てんだよってなハナシ。
昔からずっと政界、経済界と闇社会は表裏一体だってことだけは良くわかりました。ク○だな。

第一部がハピネス
結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。おしゃれなママたちのグループに入るが、隠していることがいくつもあった。

第二部がロンリネス
東京湾岸のタワマンに暮らす岩見有紗は、夫とのトラブルを乗り越している。そんななか、同じマンションに住む高梨と急接近し、ママ友でW不倫中の美雨ママに相談をするうちに、有紗は高梨に強く惹かれていることに気づく――



セレブ（に憧れているけど決してそうではないヒトが多い）ママ御用達雑誌「VERY」の連載小説の手直し版。

2冊通して不倫と嫉妬とすれ違いとコンプレックスとマウントの取り合いがダラダラ続く感じで、読んだからといって学びになる部分は少ないしやり切れないけどそれも人生だよねって内容。

桐野夏生さんが描くオトコって利己的で保身的でヤラシイんだけど、優しくて弱いというね、なんとなく身につまされるところがイイんですよね。

たまには真面目な本も読みます。
ちょっと前にサンデーモーニング（）で紹介されてたのよ。

2002年だからもう20年近く前に発刊されたベルギー人歴史学者による、あらゆる戦争に共通する法則の解説。


「われわれは戦争をしたくはない」
「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
「われわれは領土や覇権のためではなく偉大な使命のために戦う」
「われわれも誤って犠牲を出すことがあるが敵はわざと残虐行為に及んでいる」
「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
「われわれの受けた被害は小さく敵に与えた被害は甚大」
「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
「われわれの大義は神聖なものである」
「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」


・・・と、目次を読むだけでざっくり分かる通り、嘘により正義が作られる過程が浮き彫りにされています。

子供の喧嘩やいじめは私利私欲と保身本能がきっかけなわけで、国家間の争いも同じこと。それをいかに隠して国民を洗脳するかが政治家の腕の見せ所なんでしょうね。

過去の世界大戦の時代ならいざ知らず、これだけ情報に溢れた時代なのに、いやそれだからこそ昨今のコロナ騒動を含めていかに人間が騙されやすい生き物かがよくわかります。


そりゃ戦争なくならないわ。

警察官を定年退職した神場智則は、妻の香代子とお遍路の旅に出た。42年の警察官人生を振り返る旅の途中で、神場は幼女殺害事件の発生を知り、動揺する。16年前、自らも捜査に加わり、犯人逮捕に至った事件に酷似していたのだ。神場の心に深い傷と悔恨を残した、あの事件に―。元警察官が真実を追う、慟哭のミステリー。


どの登場人物も安定して人生に対して息苦しいほど真摯。
四国八十八ヶ所のお遍路さんの風景を事件解決に重ねあわせるように読ませる。
柚月裕子さんも実際に歩いたんだろうな。
たまに鼻筋がキュッと痛くなるほろ苦くて清々しい作品でした。