皆さんこんにちわ。
秋の気配を感じる季節、いかがお過ごしでしょうか?
私は先日、愛する息子とショッピングに行ったのですが・・。
イクラが好きな息子が取った強行作戦に、してやられました。
その作戦とは・・。
レストランに一人で勝手に入ってしまい、空いている席に座ってゴネる作戦♪
追いかけた私もそのまま席に座り、おいしくいただく結果になりました(^_^.)
本題に入りまして、今回は、最近読んだ書籍についてです。
講談社
黒澤元治ベストセレクション(Mercedes-Benz New E Class)。
・この本を知った経緯
みんカラ上でメルセデスベンツに大変お詳しい方からご紹介頂いたおかげです。
この場を借りて、改めてお礼を申し上げます!
・本の内容に興味を持った理由
私はスポーツカーが好きですが、家族を載せるためにセダンにも乗っています。
そこで、自分用のSLKの他に、家族用にCかEクラスが欲しいと思っていたために興味を持つに至りました。
・黒澤元治さんについて
ガンさんこと黒澤元治先生は、元レーサー(日産ワークス)、タイヤ開発(ブリジストン)、車両開発(NSX)などに携わり、日本を代表する自動車評論家でもあります。
私は国内のドライバーで最も好きな方で、ガンさんの評論には絶大の信頼を置いています。
ベストモータリングで初めて存在を知り、筑波バトル等で、当時の国内の現役トップドライバー顔負けの見事なドライビング技術を披露されていたことを、鮮明に覚えています。
今回の主役は、メルセデスベンツのEクラス W210。
数台メルセデスを乗り継いでいたガンさんが、当時デビューしたW210の走りに感銘を受け、このように表現されています。
「ようやく私の心を強く揺れ動かす車、それがW210シリーズとの出会い」
「これまで理想と思い続けてきた車が、現実として私の眼の前に現れたのである」
「その気になれば、スポーツカーよりスポーツカーらしい走り」
その素晴らしさを映像では無く、あえて書籍で伝えるために、その舞台として世界一過酷なサーキットであるドイツのニュルブルクリンクに、車両を持ち込んだのです。
有名なために、ご存知の方も沢山いらっしゃるとは思いますが・・。
ニュルブルクリンクの全長は22,835km、コーナーの数170以上。
規模が違い過ぎです・・。
私が驚いたことは、ニュルの誕生は、1927年だという事。
重機が無い時代故、5000人が建設のために動員され、スコップとツルハシを使い手作業で、森を開き山を削ったそうです。
日本ではトヨタや日産もなかった時代に建設された事に、強い感銘を受けます。
そしてアップダウンがあると聞いてましたが、標高差は294mもあるんですね(^_^.)
私はヱビスサーキットの走行経験で、アップダウウンが凄いな・・と感じたことがありますが・・。
ニュルは「0」一つ桁が違います・・。
そして、手作業で建設されたために出来てしまったたアンジュレーションが、これでもかというほど、ボディを捻じり、サスをいじめるのでしょう・・。
ジャンピングスポットもあり、すり鉢状のコーナーもあり。
こんな過酷なコースを走らせたら、ヤワな車ではひとたまりもない事が、想像に難しくありません・・。
足の動きとして。
バンプステア、リバンプステアでのアライメント変化量が大きいと、横力を受けてジャンプして着地した時、急にフロントが逃げたりリアが流れたり、つまり変な動きが出てしまいますが・・。
ガンさんが、W210はスポーツカー並みの走りを披露する車と感じたからこそ、この世界一過酷なコースに持ち込もうとお考えになったのでしょう・・。
そして、W210は音を上げることなく、見事な走りを披露してくれたと語っています。
時間を忘れてしまう感覚・・。
私も初めてメルセデスのステアリングを握った時、そう感じました。
性能もさることながら・・品質と、そして「味」が素晴らしいと♪
自動車の醸し出す味というものは、意識しても創り出すことが難しい要素だと思います。
メーカーの歴史、信念、一貫性・・これが積み重なって初めて、特有のカラーを産み出すのでしょうね。
クラフトマンシップ溢れるドイツで産まれた、世界最古の自動車メーカーだからこそだと思います。
ガンさんが言う、把握しやすい車。
すなわち、車を通じてのステアリングインフォメーションが取りやすく、正確性が高い車というのが条件だと思いますが、それを実現させるためのボディー剛性であり、ブッシュやサスペンションジオメトリーなのでしょう。
全ては、タイヤの性能をいかんなく発揮させるための車作り。
開発とテストに、膨大な時間と費用を徹底して費やすメルセデスだからこそ、誰よりも目立たない部分の大切さを知っており、結果としてドライブしやすく安全で楽しい車が誕生するのでしょう。
「シャーシはエンジンに勝たなければならない」、というメルセデスの言葉。
一見地味な存在になりがちなシャーシの大切さを、一言で体現された、素敵な言葉だなと私は思います。
私も前の愛車でのサーキット走行で、シャシー剛性が低く、そのために車がタイヤの性能をフルに引き出せないため、運転と足のセットアップでかなり苦しんだ経験があります・・。
メルセデスの唄うエンジンに対して足回りやシャーシ性能が高い状態が、限界走行時にはどれだけ心強いかという事が、今は凄く身にしみるようになり、価値観も、エンジン重要→ボディー重要へと変化しました。
長くなってしまいましたが。
結果的に、とても読み応えのある書籍でした。
ですが、ガンさんの深意を感じるためには、私自身もドイツへ行きニュルを走らなければ、ニュルの過酷さも想像の域ですし、本当のW210の素晴らしさは経験を通じた実感として解らないなとも感じました・・。
しかしながら私個人の意見では、あの辛口のガンさんが認める車は、間違いが無いと思っています!
それだけに、セダンなのにニュルでも通用する性能を持つW210が、大変魅力的に感じます。
私も初めはW210の存在を、今となっては年式が古く、そしてボディもCクラスと比べ大柄のために重く、狭い道での取り回しが難点だろう等、ネガティブな要因が目とまっていましたが・・。
この書籍を読んだ結果、大切な家族を載せるための車として、欲しくなってしまいました(^_^.)