3,000km ほど諸々足回り変更しながら走行したので初期の状況を忘れたり慣れで自分が最適化してしまう前にレビュー。
♢乗り換えの動機
・家族構成により6人乗車が必要になった。
・以前からCVTではないトルコンATのパワフルなステーションワゴンに良さを感じていた。
♢比較候補
最後まで比較検討したはオデッセイアブソルート (RB3)であった。
・高回転までまわさなくとも強力なトルクが出せる車のほうが実用上速く走れるのではないか、重量物を搭載して長距離走る利用の仕方とあっているのではないかという点
・追突された時の対策用のリアメンバーを用意している(出典:「エクシーガのすべて」http://amzn.to/2tS8Cxb )ことを確認できた点
・以前の車の検討時も常にスバル車も候補にいれていたので一度はスバル車に乗ってみようかなという点
上記からエクシーガに。比較的廉価に中古の過走行車を入手できたタイミングも重要な要素。(コレが一番の理由か・・!)
♢総評
・内装やら騒音やら細かい点はいろいろ気になるが、乗ってしまえば不満点がすべて吹っ飛ぶ運転の楽しさがある車。
・CVT ではなく、トルコンAT。ダウンサイズターボではなく、コンベンショナルな EJ20 ターボエンジン (ただし タービン小さいバージョン)、電動パワーステアリングではなく油圧パワーステアリングと、枯れた・成熟した技術でエンジンの息吹や機械との対話をじっくり楽しめる車。最近の車だとちょっと味気なさを感じてしまうだろう。ハンドドリップのコーヒーとコーヒーメーカー、釜飯と電気炊飯器のご飯みたいな違いとでもいうべきか。
♢良い点
・電動ではない、油圧パワーステアリングのステアリングフィールが極めて良い。
・最新の 8AT (とくに ZF 製) や DCT と比べると見劣りするものの、トルコン 5AT で加速を楽しめる。
・0-100km 加速は 7 秒程度と相当に速い。1.6L ターボを搭載した C180 よりも速く、VW 2.0 TSI エンジンくらいのポテンシャルがある。
・最新の L4 2L ターボエンジンだと、音や回転フィールがちょっと味気ないが、EJ 20 は アイドリング中、2,000 -3,000 、3,000rpm 付近、4,000rpm 以降と各ゾーンに音色が異なりドラマがある。(他にもいままで rpm ステージごとにドラマを感じたエンジン的には日産 VQ 、ホンダ K20A VTEC とかでしょうか)。
・2,200 rpm からターボ加給が始まり、日常的なシーンでターボの恩恵を受けやすい。(280ps 版の EJ20 だと 3,000rpm くらい回す必要があるイメージ) また、SI ドライブの S もしくは S# であれば、シフト制御・ブースト制御が中間加速で使いやすく、かつ、アクセル開度が低ければそこまで高回転にとどまらないので使いやすい。最近のターボ車の D モードだとやたら低 rpm にひっついていしまいシフトダウンしないような制御になっていて車間調整にストレスが溜まったり、方やスポーツモード的なものにすれば、やたら高回転まで回しっぱなしにしてしまいアクセル開度が低くてもウルサイというストレスが溜まる制御ではなかったのは素晴らしい。
・他車種のパーツの流用が効き、純正 STI パーツもあることから、純正パーツベースでのチューニングしがいがある。(自転車は各種チューニング(フレームとブレーキ以外ほとんどいじりました)してましたが、車はいままで純正で乗ってました。今回エクシーガで初めていじるようになりました。)
・大人でも座れて閉塞感が無い実用的な三列目。追突にも考慮された後部メンバーがある点。
・Aピラーが立っており視界がよく、小回りも効き(5.5m)、取り回しや0次安全に優れる。バックモニターなしでもバック駐車・車両感覚ともに問題なし。
・コーナリングにおいてロールはするもののロールスピードはゆっくりしているため、ロールしつつもコーナーを素早くクリアできる。VTD-AWD のためコーナー脱出時も AWD かつ車体長いわりには曲げやすい。
・雨天・荒天になればなるほど AWD の圧倒的安心感を感じる。
・直進安定性の良さ
♢課題事項
・純正状態では100km/h以上で段差の収斂に時間がかかり、段差などでフワフワ感を感じる。 (ピッチング)
→ ダンパーがヘタってたのもあるのかも
→ ダンパー・コイル交換でだいたい解決
・純正状態勾配とカーブの組みわせの高速道路 (C1神田橋等) では、前後左右の揺れの収まりも時間がかかる。(ヨー・ロール)
→ ダンパーがヘタってたのもあるのかも
→ フレキシブルタワーバーで大分改善
→ Auto Produce A3 リヤセッションサポート + トライアングルサポートで劇的に改善される。
・2017年現在の水準から考えると、車体後半の剛性感はそれほどでもない。
ティッシュケースは軽量でも変形しづらいように箱の面で剛性を出しているが、同じような構成で衝突剛性やシナリ耐久性を確保している感じがする。
→ Auto Produce A3 リヤセッションサポートで劇的に改善される。
・80km/h付近で走行中、中立付近でたまにステアリングが曖昧に感じることがある。パワステ具合が一定でないような感覚。
→ フレキシブルタワーバーで大分改善
→ Auto Produce A3 リヤセッションサポート + トライアングルサポートで劇的に改善される。
・内装はチープ感があり、外装もちょっとボテッとしている。(これは3列目の快適性とバーターか)
・ハーフレザーシートは合皮部分の耐久性がない。10台近く中古エクシーガをみたがどれも裂けている。
・2列目シートの固定が甘いのか、ワゴンボディの宿命なのか、低級音が走行中車体後部から聞こえてくる。
・ブレーキがプア。1発目のハードブレーキはなんとかこなすものの、2発目を続けてするとぐにゃっとした感覚があり心臓に悪い。なまじエンジンが強力故、要強化項目。
♢A型 GT vs D型 GT
A型エクシーガGTを半年前に借りてじっくり 200km 程度運転してから、D型を購入したが、以下の点で進化を感じた。
・AT のダイレクト感は A 型よりも D 型ほうが感じる。A型はすべり多め。
・急加速中に軽くなってしまうようなステアリングアシスト量が一定じゃない感をA型で感じていたが、D型だと一部を除きほとんど感じなくなった。
・A型 STI サスでは、リアの動きが渋く、入力がきつすぎる時にサスが底づきするような挙動をみせたり、或いは、バタバタしてしまうような感触があったが、D型 STI サス状態・ノーマルサスと比較すると、このバタバタ感は減っており、リアの追従性がアップしている感はある。