「マルチファンクションディスプレイ」リニューアルと復活への道
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
スカイラインGT-RのR34型には、新車発売当時には珍しい、
「マルチファンクションディスプレイ」というものが装備されています。
このモニターでは、スイッチ操作で、
エンジンオイルの油温、冷却水の水温、
ターボの圧力であるブースト圧、
エンジンに燃料を噴射するインジェクター開度、
アクセルを踏んでいる量であるスロットル開度、
4輪駆動の配分状況がわかるフロントトルク、
バッテリーや発電機の電圧、
さらに仕様によっては、吸排気温度が
表示されます。
2
当時としては、かなり先端を行くものだったので、
R34GT-Rの得りの一つでもあります。
僕も、買う前から目をひくものの一つでした。
が、このマルチファンクションディスプレイ(MFD)は、
当時まだまだ発展途上である液晶モニターを使用していて、
実は傷みやすかったり、壊れやすかったりするものでもあるのです。
R34GT-Rには前期型と後期型というのがありまして、
前期型はモニター表面に貼られたフィルムが太陽光の熱などで「しわくちゃ」になってしまう、
後期型はモニターの表示にだんだん線が入ってしまうということがあります。
なぜ、前期型と後期型で不具合が異なるかというと、
採用する液晶モニターが異なるためです。
僕の車は、前期型のため例にもれず車体購入当初から、
液晶モニターのフィルムがしわくちゃで、さらに日を追うごとにその範囲が広がっていきました。
3
そこで、インターネットで情報収集し、
約7年前ですが、某ポータブルナビの液晶が流用できるということを知り、
オークションサイトでジャンク品のポータブルナビを購入、
分解して取り付け無事、綺麗に復活しました。
ただ、流用なので、ちょっと表示が左にずれています。
(以前はずいぶん踏んでたんですねぇ・・・)
4
そして去年夏ごろから、
そのMFDにも新たな不具合が・・・
最初はモニターの表示にドット欠けが発生していたんですが、
それがだんだん大きくなりました。
(写真では左端中央の「-2」のあたり)
5
前回と同じ手段でオークションサイトでポータブルナビを検索。
しかし、年数が経っているためか、見つかりません。
ですが、対応する液晶そのものが出品されていたのでそちらを購入。
商品を受け取り、液晶を取り換え、元に戻すも、
今度は表示が真っ白になり、何も表示されません。
なぜだ、ネットで情報を探す。
液晶表面に貼られた「偏光フィルム」というものが、
正しく貼られていないと真っ白になるとのこと。
でも、僕が購入したものは、あらかじめ偏光フィルムが張り付けられているため、
間違いはないはず・・・。
ドット欠けがあっても表示されていた前の液晶に戻してみよう。
それでも、真っ白のまま。
これは、液晶が悪いんじゃない、ほかの何かが悪いんだ。
何が悪いんだろう。
いろいろ調べると、MFDは、
MFDの本体処理部2つの基盤と、
液晶モニターの、液晶表示部と液晶駆動部という2つの部品で構成されていて、
本体処理部というのはあまり壊れたという話が出ていない様子。
そして、液晶駆動部は、
液晶表示部を交換する際、相性で壊れやすいことが発覚。
右のものがMFD本体処理部、
左下が液晶表示部の裏側、左中央が液晶駆動部
6
少し詳しい内容だと、同じ液晶表示部でも、
自動車部品として使用するためのものと、
工場など産業機械で使用するためのものがあるらしく、
自動車部品として使用するものは、電力量等が抑えられているが、
産業機械用は明るいところでもしっかり見えるようにしているため、
電力量が高いらしい。
そのため、産業機械用の液晶を使用すると、
液晶駆動部に定格以上の電気が流れるため、
基板上のヒューズや回路が破損してしまうらしい。
これが液晶駆動部の表裏
7
僕が購入したのは前回はナビそのものを購入したのできっと自動車部品用、
今回は、液晶表示部単体・・・
きっと、液晶駆動部が壊れてしまったんだという判断。
そのため、液晶駆動部を今度は捜索・・・
と思ったんですが、冷静に考えると駆動部が見つかって購入し、取り替えても、
また同じ液晶表示部を取り付けると、駆動部が壊れてしまう可能性大。
しかし、駆動部と表示部セットの液晶が販売されている様子がない・・・
いろいろな方にご相談させていただき、
一か八かで中古のMFD丸ごとを購入(約20万円)するか
安心確実な新品のMFD丸ごとを購入(約40万円)するかという結論・・・。
一か八かで20万円はあまりに高い、と言っても新品40万円も高い。
車命の人にとって、40万円あったらいろいろできますよ。
ディーラーにMFDを預けたまま2週間、
ふとオークションサイトを覗くと、理想の表示部と駆動部がセットになったものが・・・
いくしかない・・・
ぽちっとなーーーー
はい購入、ドキドキひやひやの交換作業、
設置、キーを回す。
・・・ナオターーーーーーーーッ
8
そんな復活への道でした。
だいぶ遅くなりましたが、
ここから参考です。
BNR34MFD不具合の対応手順
まず、基本中の基本
分解・組み立てる時は、焦らず急がず、落ち着いて、
暑すぎず寒すぎない、快適な部屋の中のきれいなスペースで、
さらに静電気に要注意、あとケーブルを痛めやすいので、
やさしーく丁寧に、でもしっかりつないでください。
まずは、MFDが前期型なのか後期型なのかを確認します。
MFDの前後期の判断は、ブースト表示のkgかPaで判断するのが簡単ですが、
前後期で切り替わるタイミングのときは製造されたMFDは、
処理部と液晶で前後期が混ざっているので、
実際に分解してみて確かめるのが確実だそうです。
前期液晶だと、処理部と駆動部のフラットケーブルが1本、
後期液晶だと、フラットケーブルが2本になるそうですね。
前期型の液晶表示部の偏光フィルムしわくちゃは、
新しい偏光フィルムのみを、ホームセンターや○急ハン●ズ等量販店で購入、
劣化したフィルムを綺麗にはがして、張り替える。
この時フィルムの向きに注意。
偏光フィルムを張り付けなければ、液晶の表示は真っ白になりますが、
偏光フィルムを正しい角度で張り付けることで綺麗に表示されます。
方法として、フィルムをはがした後いったん組み立てて、
取り付けてMFDを表示させ、
フィルムを回転させて正しく見える角度を探し、
角度がわかったら適当にマーキングして、
もう一度MFDを分解、液晶表示部に偏光フィルムを張り付けて完成です。
これに寄れない場合は、
液晶そのものの交換が必要ですが、
前期型の液晶表示部だけを購入するのではなく、
表示部と駆動部がセットになったものを購入するのが確実です。
表示部だけを購入するのであれば、
最低でもその液晶表示部が自動車部品用であることを確実に確認するのがよさそうです。
それでも、駆動部と相性がいいのかどうか・・・
後期型は、まだまだ情報が不足していますが、
前期型と液晶パネルが違うので、
フィルムしわくちゃは発生しない様子で、
線やしましま表示の不具合が多いようですが、
この場合はやはり液晶パネルそのものの交換になるようです。
ただ、後期型の液晶パネルはもともと表示部と駆動部が一体になっているようなので、
流通されているものも、表示部・駆動部が一体のようです。
あと前期型・後期型共に、MFDの液晶パネルに貼られているスモークのパネルは、
フロントガラスへの反射防止の偏光パネルです。
角の切り欠きが左下になるよう、液晶パネルに張り付けてください。
さらに、一番確実な方法・・・
ディーラーでの修理対応はできないそうですが、
MFD自体の新品注文ASSY交換は、今のところ受け付けているそうです。
ただ、倉庫や工場に在庫しているのではなく、
発注から製造するそうで、時間が1か月は確実にかかるそうです。
さらに、前期型の車にも後期型で流用対応するそうです。
そのため、ブースト圧の表示が、kgからPaになります。
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